甘酸っぱい雰囲気で大切なものを感じさせてくれた
「"願いたい"未来があるから…たとえ、何度でも。」
この物語はシナリオだけでは完結しない。過去に断ち切れない想いと記憶を抱えたまま毎日を過ごす主人公・翔君(そしてメインヒロイン・優奈)の、"止まっていた時間"の針を再び進め始める物語。なので、2人が行き着いた先を見届け、その後に「これからどんな時間を過ごしていくのかな・・・」とこちらが思いを馳せることで完成する作品だと思います。そういった名残や雰囲気を味わうことのできる、どこか懐かしさを感じさせてくれる作品は今では少なくなってきたような…。とても心に残る作品になりました。
優奈はもう主人公かなってくらい物語の中心にいます。謎に満ちた存在としても、無機質でちょこっと変わり者な存在としても…。こんな女の子に惚れてしまったらもう最後ですね。笑 主人公と同じように、いつまでたっても頭の片隅から離れず気にし続けてしまう魅力の塊みたいな女の子です。(大人っぽいのにどこか子どもらしい時とか…しどろもどろ?な喋り方とか…)
そして、そんな彼女が見せてくれた"叶えたい"…ではなく、"願いたい"未来への想いと可能性は、生きていくために大切なことを感じさせてくれました。ありがとう…。
BGMや風景もカタルシスを感じさせてくれるための良い雰囲気を後押しさせてくれたと思います。タイトル画面で流れてくれる曲は、とても綺麗なピアノでした。そして何より!ここでも高評価で支持されている2つの曲がストーリーの中で、どちらも良い場面で流れてくれます。特に「ナツノヒ」が流れる場面は、物語の最も核となる部分に迫るまさにその時です。衝撃的な展開をお楽しみに。またこの曲は、優奈エンディングを見た後聴くと一段と化けるんですよ…。もう一度初見に戻りたいなぁ…。