曲芸は初プレイだったのですが、謎解き要素も含んでいて非常に楽しめました。伏線が多かったのですが整合性に欠けていたり、おかしな部分が全く見られなかったので結構テキストが練り込まれているなと思えました。ストーリーやヒロインも非常にGOODで心地よくプレイさせてもらいました。
最初にリッカルートをやり終えたのですが、まだまだ謎が残っていたので「???」状態でした。
ほとんど伏線を回収していなかったので、えっもう終わり!?といった感じですね。
ですがリッカルートでの物語はちゃんと完結していたので、続編への含みか他ルートで判明という流れになるでしょう。
主に伏線は以下の通りです。
・学園編と魔法使い編と分かれているのは何なのか
・そして登場人物がほとんど同じなのに、何故設定が少しズレているのか
・さくらとは一体何者なのか
・魔法使い編ではリッカが枯れない桜を研究し続けているが、学園編の枯れない桜と関係しているのか
・主人公が学園編では芳野という名字で、魔法使い編では葛木となっているのは何故か
・また、魔法使い編では過去に芳野という名字を捨てたと言っているが、学園編と関係しているのか
主人公が探偵部に所属していることもあり、謎解き要素を多く取り入れてみたのでしょうか。
う~ん。まだまだ謎が多く、楽しめそうです。
次にシャルルルートを終えました。
このルートでは結構泣きゲー的要素を含んでおり、心が温かい気持ちにさせられました。
エトとシャルルの家族愛の素晴らしさにウルッときましたね。
謎解きに関しては何も進展することはなく、純粋にヒロインとのイチャラブを楽しめました。
次にサラルート。
サラは没落した名家の出身で、自分に課せられた重圧とどう立ち向かうのかがテーマとなっています。
別段雰囲気を損なうような深いシリアスもなく安心してプレイできました。
グニルック時のCGのギミックが面白かったです。
確かに立ち絵だけであの試合風景を表現するのは難しいですしね。なかなかよい演出でした。
また、サラルートでは際立って主人公のナイスガイっぷりが発揮されていました。
そりゃモテる訳ですよ。本当にこの主人公には魅力を感じましたね。
難聴主人公・ヘタレ・ヒロインに対し冷たい言動を取る主人公などのイライラ要素などもちろん皆無。
糞ゲー会社には是非見習って欲しいものです。
最後に姫乃ルート。
主人公が霧の闇に飲みこまれてしまいます。
他ルートにおいては全くミスもなく完璧だと思われていた主人公が心の隙をつかれてしまったのも、姫乃をそれほど大事に思っていたからです。
主人公の人生観すら変えた、恩人でもありたった一人の妹でもある姫乃を救うことが主人公にとって人生の目的となっていたことでしょう。
そして姫乃ルートでも伏線を残したままENDへ・・
と思ったら、突然Zeroシナリオが始まって驚きました。
どうやら4人ヒロインを攻略すると現れるシナリオのようです。
そして葵ルートへ。
まさか葵ルートが物語の重要なキーポイントとして登場してくるとは思いませんでした。
メインヒロインを全員攻略しないとプレイできない分岐条件からも、いかにこのルートに重要な意味が込められているかが分かりますね。
そして物語の全容を紐解く数々のヒントが与えられます。
・葵は自分の未来が見える魔法が使える。それにより自分の死期を予知してしまった
・自らの死を回避するために、死が近くなると自動的に世界をループさせる禁忌の魔法を発見。その紋章を体に刻んでいる
・禁忌の魔法は自分一人の魔力では補えないためにロンドンで霧を発生させ、一般人から魔力の元となる想いの力(負の想い)を吸い取っている
ルートの最後で葵は主人公と共に、ループ世界を脱出し自らの死の運命と立ち向かうことを決意しました。
しかし霧の魔法が強くなりすぎて解除に失敗し、また冬休み後の1月へと戻ってしまいました。
この世界では葵と主人公は付き合っていないので、葵ルートというより共通ルートへと移行した感じがします。
この先、また各ヒロインのルートがあるのかENDは1つなのかが気になるところです。
普通のエロゲーですと共通ルート→個別ルート→ENDの流れが鉄板ですので、中々面白い分岐と言えますね。
ここからは、物語も終盤となり伏線が回収されていき物語の全容が明らかになっていきます。
・公式新聞部とはワルプルギスの夜を回避するために作られた組織
・非公式新聞部とは女王が指揮している英国の保安組織
・さくらはアメリカに行き、願いが叶う桜の研究をしてそのサンプルを初音島に持ち帰った
・さくらは桜に「家族が欲しいです。もしかしたらあったかもしれない現在の、もうひとつの可能性を見せてください」と願った
・その結果、さくらの願いから少年が生まれた
・その後さくらは初音島の学園で学園長をしている
・禁呪には発動条件に生贄が必要で、生贄はループの外の世界から呼び出している。その正体がさくら
・禁呪を解消すると、さくらは元の世界へと戻ってしまう
・禁呪を解消すると、皆の記憶が消えて最後にもう一回ループしてしまう
・それを阻止するためにリッカは「桜が咲いたら、約束のあの場所でお花見をしよう」というメールを残して、皆の記憶を桜に閉じ込めた
これで全てが繋がりましたね。
ここまでずっと最初の魔法が存在しない学園編は何だったのかと思っていたのですが、それは地下学園都市編から100年後の世界だと分かりました。
ワルプルギスの夜にさくらがまたみんなと会いたいと願い、その願いはさくらが元々いた世界よりも未来に主人公達が転生することによって叶えられました。
さくらや主人公一同は時間軸を移動しており、かつ記憶がなかったので物語の最後の最後まで真相に辿りつけませんでした。かなり難解だと思います。
主人公達が行き来した時間軸は以下の通りになります。
さくら:学園長をやっていた元々いた世界(D.C.IIの世界)【2055年】
↓
地下学園都市の世界(葵によって呼び出された)【1950年11月1日】
↓
学園長をやっていた元々いた世界(ワルプルギスの夜により送還された。戻った時には5年が経過している)【2060年4月21日】
↓
物語冒頭の初音島編【2072年?】
主人公一同:地下学園都市の世界【1950年11月1日】
↓
ループから解き放たれ、それぞれの人生を歩み天寿を全うする【1950年~?】
↓
ワルプルギスの夜によって転生(さくらの願いにより100年後に転生したので記憶はない)【2072年?】
こうみると主人公達は長い長い旅をしていたように感じられます。
転生したことによって過去とは少し違う関係になっていますがみんなの願いが叶えられた理想的な世界に行きつくことができました。
そしてタイトル画面に戻るのですが、今まで青→夕焼け→夜と変わっていた背景が最初と同じく青空になっていました。
またタイトルにもなっている「D.C.」は繰り返しを意味しており、ここからまた主人公達の日常が始まって行くんだというメッセージだと私には感じられました。
いやー、今後続編があったとしても何もおかしくはない終わり方になってますね。
「D.C.」とは繰り返しで、それぞれに物語があります。
また主人公達の新たな物語を見たいものです。