ギャグゲーなのだが、イチャラブも相当濃度が濃いです。気軽にプレイできるので本当にオススメ。かといって、話が薄い訳でもないのがミソです
色々と語るところがあるので、まずは話の内容では無くシステムや物語の概要から評価していこうと思う。
システム面ではキャラクターボイスの音量調節が個別しかないのがちょっと残念かな。
セリフの音量に差がありすぎる気もした。聞こえないぐらいの音量の小さいところもあれば、いきなりうるさくもなるので実家でプレイするのにはイヤホンが必要な人もいるでしょうね。
他は特に気にするようなところは無かったです。
次は背景なんだけど、塗りが特徴的だなぁと思った。
水彩画の様なタッチで色合いがぼやけてるのがいいね。
特に桜並木の背景が印象的でした。
次に内容ですが、アサプロといったらまず皆がイメージするのが「ギャグ」。
もちろん自分もこれが目的で購入しました。やはり面白い。
というか、形に囚われなくて面白いと思ったことをどんな手法にしろブチ込んで来るのがポイント高いです。ギャグに徹してるといいますか。
キャラクターが普通にメタ発言を連発しているのとか、こんなのアサプロぐらいだと思いますね。
普通に「攻略ルート」とかヒロインが自分で言っちゃいます。
りさが特にはちゃめちゃで、顔芸など当たり前だし下ネタも連発するネタ要因となってます。
こいつが本当に最高で、共通ルートではりさが喋ると確実に漫才と化しますね。
しかし全ルートイチャラブの濃度が濃く、いい味出してます。
桜など前半は千乃を取られないために主人公にライバル心をむき出しにしていたのに、後半ではデレッデレとなります。
そこの過程もちゃんと深く描かれていて、桜を他人の中傷から守った主人公は本当にカッコ良かったです。これなら惚れるのも分かるわと。
桜が何故千乃を好きなのかということや、桜の過去のトラウマと直結しているデリケートな問題を主人公がサラッと片付けるのは爽快感を感じました。
シリアスに偏ることがないので気軽にプレイができ、かといって物語に厚みを与えるためのシリアスを抜くことはない・・といった絶妙なバランス間隔が良かったです。
これだけシリアスを楽しめるのは、キャラの掛け合いが面白いアサプロだからこそできる芸当なのかもしれません。
ギャグゲーだからといって話が薄いといったことはないと断言できるでしょう。
ただ、ちょっとプレイ時間が短かかった気もしますけどね。(面白かったので時間が短く感じられたのかもしれない・・)
シナリオライターの天都さんが特に面白いテキストに強いらしいのですが、複数ライターでも何ら違和感なくプレイできました。
自分はアチ恋からアサプロの作品に手を出しましたが、ブランドの個性もさることながら、作品のクオリティが洗練されてきましたね。是非この方向性でこれからも突っ走って欲しいです。
この作品の購入者の中にはアサプロというだけで即買いだった人も多いのではないでしょうか。
期待を裏切らない出来で大変満足しました。次回作を楽しみに待っています。