アチ恋で知名度を上げ、その次に一気にアサプロを優良ブランドに持ち上げた作品。非常に面白い。ひとつ飛ばし恋愛はギャグに特化してる一方、こちらはシナリオに力を入れている印象
ルート別に面白さを分けると
咲耶=美咲>マヨ>>乃来亜>華
といった感じでしょうか。
印象に残ったシーンは、マヨ姉が河川敷で「もう弟としてなんて、見れないよ・・」と告白するシーンです。とてもグッと来ました。
この一言は鈍感な主人公に全てを理解させる、破壊力MAXの一撃でしたね。ヒロインの心情もこのセリフに集約されていて、とても素晴らしいシーンでした。
今作品はヒロインが5人姉妹なので、誰か1人と付き合うと他の姉妹同士との衝突は避けられなません。
そこの部分がしっかりと描写されてていたので、話に深みが出ていたと思う。
また、ヒロインが身を引くにしても、実際ならばその事実をすぐには受け止めることなんてできません。
その葛藤はギスギスとした空気に現れてしまうものです。
ここも上手く表現できていたのでリアリティを物語に感じられました。
私は主人公を取り合う三角関係のドロドロした雰囲気が大好きなので、こういった部分でもなかなか楽しめました。
この三角関係などのリアリティさは追及しすぎるとWA2の様に非常に重い話となってしまい今作品の主旨とはズレてしまうので、いい塩梅になっていたのではないでしょうか。
その絶妙なさじ加減さが今作品が評価されたポイントになっていたと思います。
ただ、妹(乃来亜・華)のルートだけは姉妹の中で「妹ならしょうがないか・・」という雰囲気が流れたため、姉妹同士で主人公を巡って感情をぶつけ合うといったシーンはありませんでした。
妹ルートでは年下の妹ということもあり、付き合うまでの苦悩を中心に描いています。
一方実咲・咲耶・マヨルートでは付き合ってから、実咲・咲耶との家族関係を修復しようと苦労する姿を中心に描いている気がしました。
ギャグは面白く、しかし心理描写もバランスが崩れない程度に深く描く。
ここが大事な所で、ギャグのみになるとバカゲーと化してしまいますし、一方でギャグが薄いとアサプロとしてファンの期待を裏切る結果になります。
理想を貫き、かつそれを実行できたスタッフには称賛を送りたいと思う。
ただ、主人公がヒロインのことを好きだと自覚してからの行動に一部ルートでヘタレ成分が盛大に入っており、割とイラッとした。ここだけが今作品の唯一のマイナスポイントです。
主人公がヘタレだな~と感じられたのは乃来亜と華ルートで、主人公が先に好きになり告白するのだが、年下の妹が相手なので主人公が葛藤しそれがヘタレ行動に繋がってしまっていた。
特にヒロインにやつ当たりするようにも感じられるシーン。
「ごめん・・」と女の子にシュッとさせてしまうのは男としてやっちゃいけないと思う。
ここはちょっと改善して欲しいかな。アチ恋の悪い部分を引きずっているように感じられたし。
付き合いだしてからは主人公がヘタレるという行為はしなくなったので、ここの部分だけ魅せ方が悪かったのだと思う。
事実、年上のマヨ姉や実咲・咲耶と付き合う時はヘタレ行動はしなかったので主人公にヘタレ属性があるという訳ではないかと。
自分が好きになってしまった相手が年下でしかも妹ということに日和ってしまったのでしょう。
アサプロの作品はこれで三作目のプレイで、順番としてはアチ恋→ひとつ飛ばし恋愛→恋愛0キロメートルとなっています。
ギャグ度はひとつ飛ばし>恋愛>アチ恋で、シナリオや全体の完成度は恋愛>ひとつ飛ばし>アチ恋って感じですかね。
ひとつ飛ばしはちょっとシナリオが短かい気がするので、恋愛にボリュームで負けてますね。
今回も楽しくプレイできました。アサプロ特有の勢いを感じられて安心しましたね。新作の天都さんの頑張りに期待しています。