結構考察しがいがある。各キャラの性格に特徴があり、また性格とその過去からメティスの能力がきている。ヒロインが何を想い、何を願っているのかがメティスや行動から分かるのがいい。薄っぺらな物語では断じてないと思います!
イメージでいうと、夏のエロゲー。
雰囲気が特にいい。
海面が上昇し、学園の外が全面に渡って海が広がっているという物語設定も夏の雰囲気を助長させてくれる1つの材料となっている。
日常のBGMの「気ままなマーメイド」が最高に雰囲気にマッチしてて、主人公達の会話の面白さからしてもいつまでも日常パートを見ていたい気持ちになりますね。
原画が良くてキャラクターに爆乳が多いと純愛ゲーより抜きゲーよりになってシナリオが疎かになるというイメージがありますが、そんなことは全くありません。
Clochetteのシナリオライターは基本複数なのですが、実に完成度が高いです。
割とライターに癖があったり監修が甘いと、ルート別にシナリオが全然違う物となってしまいます。
それがClochetteにはない。見事にシナリオが統一されています。
それと、Hシーンのクオリティが高すぎる。
ヒロインの表情に差分が多く作られているので、紙芝居とは言わせませんと言わんばかりの出来です。
原画の力量もさることながら、ムチムチの巨乳系で押しているのが分かりますね。
あまつみそらにでも巨乳の妹キャラがいましたし。
純愛ゲーといえどもHシーンにもちゃんと気合いを入れる。素晴らしいことです。
この作品の作り込みの深さは日常シーンでも現れており、場面によってキャラの顔がズームアップするなど演出に凝っておりプレイヤーを飽きさせません。
キャラの顔がズームアップするのを初めて見たのが私はましろ色からですね。(私が未熟なだけで前からあったかもしれませんが)
今では多くの大手メーカーが起用しており、個々の作品に独特の雰囲気を出す方法の1つとなっています。
最近のエロゲーも進化しているんですねー。
それでは個別ルートのレビューに入ります。
基本的に私はルートを1つずつクリアしながら、ルートごとに順番に批評を載せていくスタイルを取っています。それでは
~風花ルート~
かなり純度高めの純愛ルートです。
例えばHシーンなど愛をお互いに確かめ合う様にしていて、ただ性欲を満たすだけのHなどでは断!然!ありません。
風花のHシーンには本当に愛情が込められており、見ているだけで幸せな気持ちになります。
最初はお節介焼きの委員長というキャラだと思っていたのですが、主人公に一目ぼれしていたので近づく口実としてそうなったことが後半で判明します。
そう考えると元々主人公への好感度が低い沙織以外は、全員主人公のことが最初から好きだったのですね。
風花は根が優しくて他人の面倒を見たがる委員長気質の性格だったので、そのことは後半訪れる主人公と付き合った時の告白まで気が付きませんでした。
このめちゃくちゃ優しくて相手に尽くす性格というのは若干美汐先輩と被りますが、しいて違いを言えば美汐先輩の方は臆病で健気といった印象でしょうか。
風花は一途なのでとことん主人公に尽くす一方、主人公の影響を受けやすいです。
琴羽の隣でオナニーをし始めるシーンとかね・・。あのシーンは個人的にとてもお気に入りです。
主人公の知らない所でも、風花劇場がしっかり行われててそれを垣間見れるってのが良いですね。
風花に振り回される琴羽の構図は見てて面白いし、こういう主人公がいない所でのガールズトークっていうのが個人的にとても好きです。
主人公とヒロインだけの話だけじゃなくて、2人が付き合ったら絶対にその回りにも影響が出るじゃないですか。
そこを描いてもらえると、ちゃんと物語全体のことが見渡せているような気持ちになりますね。話に厚みが出るとでもいいますか。
しかし風花は可愛い。実に守ってあげたくなるヒロインです。
学年一のメティス使いなのですが、夜道に1人で帰らせることなんてとてもできない。そんな気持ちにさせてくれるヒロインです。
基本スペックが非常に高いのですが、ちょっと抜けてるところが可愛らしいのです。
また風花のメティスのアイギスにも理由があります。
「守り、包む」ことです。
それは風花の過去に両親が自分をかばうようにして亡くなってしまったという、出来事から起因しています。
風花は両親からたくさんの愛情を育まれたのですが、その恩返しをする機会は永遠に失ってしまったのです。
その後、心から大事にしたいと思える存在の大切な人ができた。
その結果、両親から受けた恩返しの分も込めて主人公に対し愛情を込めて接していたのです。
これによってあの凄まじい程の包容力が実現したのです。
まさに女神かと。
観音菩薩の生まれ変わりと言っても過言ではありません。
本当にいい子に育って良かったと、両親に言ってあげたいくらいの気持ちになりますね。
そして終盤の締めくくりのシリアスシーンが入ります。
この手の異能力者系のストーリーだとバトルシーンが入るので、最後に長ったらしいシリアスが入るのではないかと危惧していましたがそんなことはなくて安心しました。
特に純愛系だとシリアスやりすぎは物語の雰囲気を台無しにする傾向が私の経験上あります。
プレイヤーに過度の精神的ストレスを与える様な悪役も存在せず、あくまでも「アルゴノートの活動の範囲内(=部活)」の様な雰囲気で研究所での戦いは進んで行きました。
そのおかげでとても軽やかにクリックを進めることができました。
あくまでの戦いは物語のスパイス的な立ち位置でこれは純愛ゲーなのだというスタッフの意思すら垣間見えました。
そして、ラストで風花と主人公の能力が覚醒するシーン。素晴らしい。ここでも純愛です。
主人公の気持ちと、風花の気持ちが完全にシンクロして奇跡が起きたのです。
初期で言っていた第二段階とはこのことだったのかと。
風花と主人公の守ってあげたいという気持ちが互いに共鳴し、1000倍以上もの包容力となって包み込んだのです、世界を。
私は号泣しました。愛に飢えている人には是非ともカミカゼの風花ルートをオススメしたい。そこに全ての答えはあります。
風花を見ているととても元気が出てきます。まるで太陽の様なヒロインであると。
私をその明るい性格で照らしてくれているような気持ちになるのです。
ふと、そこで風花の髪飾りに私は目を止めました。
そこにはひまわりが飾りつけられていたのです。
そこで私は確信したのです。太陽の女神。そう、、、アテネ。
風花は言っていました。アイギスの第二段階の名前をアテネと。
ああ、風花はやはり女神だったのだと。私の目に間違いはありませんでした。
~美汐ルート~
お嬢様系+しおらしい性格+キャラ作りで強気な一面も…という中々複雑な性格のヒロイン。
主人公と幼少期に出逢って一目ぼれしており最初から主人公に好感度MAXなのですが、他のヒロインも大体そうなのであまりそこはアドバンテージにはならない(笑)
割と嫉妬シーンが多くて可愛かったです。
特に風花と主人公は共通ルートで一番身近な存在なので、風花によく嫉妬していました。
風花ルートの場合だと主人公が告白しているが、美汐ルートだと逆に主人公が告白されています。
それほど美汐は主人公のことが好きで積極的にアプローチを仕掛けていたことが分かります。
さらに美汐は自分で主人公に恋をしているという自覚を持っているので、誰よりも「主人公を取られたくない」という思いが強いヒロインだと言えます。
風花ルートで2人が付き合いだしたら、美汐がショックで寝込むシーンとかありますしね。
そして内容なのですが、おおまかな流れは風化ルートと似ている部分がありますね。
主人公とヒロインが付き合う→イチャラブ&日常パート→黒瀧派が動き出す→倒す→ED→実家にヒロイン→終
まだ風花ルートと美汐ルートしかやっていなかった時は、まさか他のルートでも全部こういう流れだとは思わなかったですねー。
今回でエリがどういうキャラなのかや、幽霊騒動の部分がほとんど解明されました。
他に謎や伏線など特にないので、別のルートでは少し違った展開も見たかったですね。
美汐のメティスの能力は「破壊と再生」となっています。
SCSとの戦闘で風花がエリのポスポロスによって負傷した時に、美汐はメティス・セカンドを使います。
最初はO.C.(オーバーコンセントレーション)だと思ったのですが、どうやら自我はちゃんと維持していたようです。
その結果、主人公と共に火の玉となって飛びまわるというシュールな絵面になってしまいましたが(笑)
そのおかげでマテリアルDによって脳を破壊された澄之江学園の生徒達が復帰することとなります。
エリにとっては美汐ルートが一番救いがあるといえるでしょう。
美汐ルートはお付きの菜緒と智が基本的に常にいるので、にぎやかなお話になりました。
ハーレム系が好きな私としては菜緒と智ちんも主人公に最後惚れる→美汐嫉妬みたいな流れでも良かったかと思います^^
最初は財閥のお嬢様なので、身分の差の苦労が描かれるのかと思ったのですがそこまで話は広がりませんでした。
まぁそんな所まで描いたらメティス関係ないし、美汐ルートだけもの凄く長くなりそうですしね・・
そういった意味でも、上手く尺の中に詰め込んでいたなぁと思える出来でした。
~まなみルート~
おおまかな付き合うまでの流れでいうと次のようになります。
主人公はまなみが好き
↓
まなみも主人公が好き
↓
しかしいい兄としてあろうとするために、まなみを好きだという気持ちもまなみが主人公が好きだという気持ちもあえて触れないでおく
↓
まなみが主人公のことが好きで辛抱たまらなくなってくる
↓
しかし先述の問題が
↓
どうするの!?
って感じですね~。
その後はまなみがメティス室に呼び出して渾身の告白をし、あっさりOK。
実はまなみが主人公に看病された時にこっそりキスしたのを知っていて、主人公の恋愛のスイッチが入っていたために、このようにあっさりと事が進んだ訳です。
このトントン拍子に話が進んでいくのは気持ちがいいですね。
シリアスは使いどころを誤ると、ただの足踏みとなってプレイヤーに退屈感を与えてしまいますので。
まなみが告白する前に、琴羽が主人公の気持ちを確かめるために食堂で2人話すシーンがあります。
ここで一旦まなみと主人公がどういう状況におかれているのかを整理してから、告白シーンに繋がるのですね。
食堂でのシーンがこちらです。
まず琴羽が主人公を呼びだして、告白まがいのことをする
↓
しかし主人公これをクールに受け答え
↓
琴羽がこいつ鈍感すぎるだろ・・と思う
↓
しかし主人公が琴羽のことは付き合うかどうかは分からんが好きだと言う
↓
ここで琴羽が鈍感とは違う・・?何かおかしいぞと主人公を疑う
↓
そこで琴羽がまなみの話をしたら主人公が動揺する
↓
琴羽が確信する。こいつ演技してるな。まなみのことが好きなんだ
ここでようやく主人公がまなみのことを好きなんだという、推論が提示されます。
プレイヤー側もあくまで妹としての好きじゃなくて、1人の女の子として好きだったんだなぁと初めて知ることができたのです。
しかし兄妹なのでその感情を隠し、生活している。
主人公はまなみ以上に好きになる相手が出てくるまで恋愛に特に興味なし&自分に気がある女の子が出てきてもうまくはぐらかすというスタンスを取っているだけだと琴羽は推論しました。
これが他人から見れば主人公=鈍感というイメージに見えてしまうのだとも。
琴羽と主人公の食堂での会話は琴羽→好きだがまなみ程ではない=付き合えない、まなみ→好きだが兄妹なので気持ちを隠しているという関係をハッキリと表したシーンとなっています。
ここは物語でのとても重要なシーンだと私は思いました。
まだここの段階では主人公は自覚しておらず、まなみも主人公の好意に気付いていなく、琴羽のみ気付いています。
ここからどうやって2人にお互いの気持ちを認識させるのかが、付き合うかの条件となっているのです。
よくまなみが主人公はハマれば熱中するタイプなので恋愛のスイッチが入ったら凄いという話をしています。
だが実際はまなみを守るために主人公が恋愛のスイッチをOFFにしているだけだったのです。
主人公がメティスに没頭し、恋愛に鈍感な性格という設定にはちゃんと理由があったのかと感心しました。
しかしまなみの影響力は凄い。主人公の恋愛感に多大なる影響を与えているので、必然的にヒロインにもまなみストッパーが働き影響を与えてしまっています。
(まなみストッパーとは主人公がまなみよりも好きと認定しないと恋として認定されないという意味)
言い方は悪いが、まるで姑のよう(笑)全てのヒロインは主人公のまなみストッパーを突破するのに苦労する訳ですね・・。ご苦労さまです
よくよく話を聞いてみると琴羽が地元にいた時に主人公に全く相手にされず、主人公の未練を断ち切るために何も告げずに別の高校に行っていたことが分かります。不憫すぎるw
まなみ・・なんて罪つくりな女の子なんだ・・
ですがそれは裏を返せば、それほど主人公のことが好きだから起こりうることなのです。一途なとても可愛らしいヒロインじゃありませんか
結構実妹系だと重い話に物語がもって行かれがちなのですが、そこは安心のclochetteです。
実家で妹と恋人になったことを打ち明ける所までを描かずに、ラストで持ってきましたか。
そこを描いてしまうと非常に暗い話を挟んでしまうことになってしまいますし、かといって両親が軽いノリで簡単に納得してしまうと薄っぺらい印象を与えてしまいます。
正直ここの部分は本当に難しいんですよ。
妹シナリオを書いているライターの全ての人が悩んでいることでしょう。
中には義妹にすれば問題解決じゃん!みたいな安易な考えに至ってしまう人もいるようですが・・
clochetteのコンセプトには明るいイメージがあるので、ここの締めは作風に合った良いものであったと思います。
実妹派の私として明るく実妹とイチャコラできて最高としか言い様がありませんでしたね。
~琴羽ルート~
琴羽は幼なじみでサバサバした性格のヒロインです。
琴羽のメティスは「諦めない心」。
やはり琴羽のメティスも本人の過去が大きく影響した能力となっています。
琴羽は主人公と中学校の頃まで一緒だったのですが、高校に進学した時に何も告げずに別の高校に通ってしまいます。
表向きは水泳部が強いためという理由ですが、実は主人公のことが好きなのだが告白をする勇気がないので水泳に逃げて別の高校に通っていたのでした。
その水泳も主人公と競泳で競い合うのが楽しくて部活に入ったというものでした。
やはり心のどこかではまだ主人公のことが捨てきれない訳です。
とはいえ琴羽は競泳の才能が元々あったので心のどこかに物足りなさを感じながらも優秀な選手になります。
そんな時にメティスが発現し、ただでさえ速いのにメティスパサーとなった琴羽にはライバルがいなくなりました。
競泳なのに誰とも競い合えることができない、しかもメティスパサーなので誰よりも速いのが当たり前となってしまった琴羽は競泳に何の価値も見い出せなくなってしまったのです。
そして汀さんの勧誘により、澄之江学園に転校し物語冒頭へと駒が進みます。
そこに主人公が転校してきたら琴羽も気が気でなくなるでしょう。
最高の親友にも出会いようやく軌道に乗っかって来た学園生活を、全て主人公にぶち壊されたのですから。
しかし琴羽は決して自分から主人公に迫りません。
典型的な大切な物ができたら距離を置いてしまうタイプに見えます。
または一度主人公から逃げてしまったので逃げ癖でもついてしまったのでしょうか。
そんな琴羽を主人公は逃さず、追いかけ続けついに告白。
まなみの一言もあり決心した琴羽はこれに答えます。
何故こんなにも主人公のことが好きなのに、付き合うことが難しかったのか。それは琴羽の性格にあります。
物語終盤の2人で荒れ狂う海の中にいたときに、自分は実は臆病だったと告白します。
確かに世の中には自分の精神的安定を図るために、嫌なことから最もらしい理由をつけて逃げ出そうとする人はいます。というか誰でもそうです。
琴羽は主人公に告白するのが怖いからと様々な理由をつけて逃げていたのですね。
主人公の本当の気持ちが分かった時にもしも駄目なら・・と考えると、平静が保っていられませんでした。
その結果、主人公に告白されそうになった時にまで、理由をつけて逃げ出してしまう始末でした。完全に目的と手段が逆転してます。
それを琴羽は認めます。津波が押し寄せ荒れ狂う海の中で。
主人公が自分の命を投げうってまで琴羽を助けようとした様を見て、きっと琴羽自身もふっ切れたところがあったのでしょう。
そして琴羽のメティスであるマーメイドは「諦めない心」が力となっています。
今まで主人公から逃げて来た琴羽は「諦めない心」を持って、津波という困難に立ち向かうことを決めました。
それが―第二段階の能力であるハルキュオスを生んだのです。
結構強気に見えて、内心は恋に臆病な琴羽。
主人公もなかなかその牙城を崩すことに苦労しましたが、アルゴノート達の助けもあってなんとか付き合うことに成功。
もちろん他のヒロインも主人公のことを狙っているのですが、お互いに空気を読み合い譲るところは譲ります。
そこには自分達の気持ちも尊重するが、最終的には主人公に判断をまかせるという意思が感じられます。
今回メンバーがとった行動は、「どうみても主人公が琴羽のことを好きで告白したがっている。なんとかきっかけを作ってあげたい」といったものでした。
なんという友情でしょうか。感動して涙が出てくるじゃありませんか・・(´;ω;`)ブワッ
アルゴノートのメンバーがいなければ2人の物語はなかったと考えるとやはり仲間は大事だと思えました。
風花がいなかったら琴羽と付き合うことはできなかったかもしれないと回想し、礼を言うシーンもラスト寸前でありましたし、「友情」が琴羽ルートでは大きな意味を持っていたと私は感じました。
~沙織ルート~
・・うん。何かがおかしいぞこのルートは。
バカップルという域を超越しちゃってますよ。
ネタ気味に走っているのになかなかどうして濃厚なイチャラブルートでもあります。最高ですね。
沙織の暴走に主人公がポルナレフ状態になっていますが、大丈夫。自分もです。
実に小気味良いテンポで、めちゃくちゃな展開に走って行くので見ていて物凄い楽しめました。
もうこんな時間!?ってレベルですね。
冒頭で主人公が風紀委員会に入り、沙織にとってただの問題児から仲間へと立場が変わります。
主人公が積極的に沙織と関わることによって、沙織の主人公に対する評価が変わって行きました。
そして沙織が主人公を意識し始めると、完全に暴走します。
まず沙織が2人でいるとドキドキし、感情が高ぶるとMWI値が高まるので"好きじゃないけど"交際しよう!と言い出し、付き合い始めます。
トンデモ理論で交際することとなりましたが、お互い心の底では好き合っているので初々しいカップルそのものでした。
さらに、木から落ちた時に主人公にアソコを見られ凄いドキドキしたので、もう一回やれば凄い数のアンブラが出る筈!と言い出し、主人公の前でアソコを露出します。
これには素晴らしいの一言。
こういう展開を私は待っていたのですよ。
ここで文章にして見返してみただけでも面白いので、実際のプレイ時にはニヤニヤが止まりませんでした。
沙織・・まさかここまでのポテンシャルを兼ね備えているとは思いもしませんでした。
沙織はアンブラを良いメティスだと思っておらず、主人公と正反対の考えとなっています。
なのでアンブラを後世に残さないためにも結婚はしない、セックスもしないという意思を持っています。
遊園地デートの後、感情が高ぶり主人公と初めてエッチをしますがそこがまた奇想天外な展開になります。
まさかのしょっぱなアナルSEX(笑)。
沙織はお●んこを使ってのセックスをしたくないので自分からアナルSEXを誘います。
普通のエロゲーの展開ならばヒロインがSEXしたくないなら仕方ないな・・で終わるところですが、この作品は一味違います。
お●んこが使えなければアソコでいいじゃない!という奇天烈な結論を導き出すのです。
そこまでSEXがしたかったのか・・と思うと、純粋(!?)な沙織が可愛らしく思えますね!
しかも事前に自分で開発済みのオチつき(笑)
用意周到な委員長気質が変態方向にいかんなく発揮されております。
長らく主人公と結ばれることを拒否し続けていた沙織ですが、沙織が黒瀧に誘拐されそうになったのをきっかけに本当のカップルへと関係が変化します。
沙織の第二段階のメティスであるペルセポネは相手のメティスを吸収するとてつもない威力のものでした。
しかし他のメティスと違い相手から奪うことしかしない、何の生産性もないメティスだと沙織は考えている様です。
また、エリが暴走した時にペルセポネを使用しエリの見たくない負の部分を垣間見てしまい、ショックを受けてしまいました。
その結果自分のメティスに負の感情しか抱かなくなってしまったのでしょう。
ですが黒瀧に誘拐されそうになった時に、主人公がペルセポネを使い必死になって沙織を守りました。
それを見て沙織は自分の考えを改めたのです。
もう自分のメティスが淘汰されるべき能力と言うのはやめようと。
エリとの一件はトラウマとなってしまったが、主人公といればそれも克服できるんじゃないだろうかと思ったことでしょう。
沙織がエリを助けることに固執するのは、あの日エリを助けるためにペルセポネを生みだしたことが正しかったと証明したいからではないでしょうか。
実際にはペルセポネはいらないメティスだと言っていてそう考えてもいますが、心の奥底ではペルセポネを信じたい気持があった。
そう考えると長い葛藤があったことでしょう。
主人公がアンブラの話をすると、とたんに神経質になっていた気持ちも分かりますね。
エリをペルセポネで助けた後に何故かその能力を使用できなくなり、MWI値も低下してしまいます。
ペルセポネはエリを助けようと思った時に開花した第二段階のメティスなのですが、本来の目的の成功と引き換えにその役目を終えました。
今後は今まで以上に好きになったアンブラを使い、立派な風紀委員長として活躍することでしょう。
アンブラを好きになれたのも、ペルセポネを信じてエリを助けられたのも主人公の励ましがあったからですね。
一番の親友が失踪し、唯一の気の知れた友達の風花をアルゴノートに取られ寂しい思いをしていた沙織だからこそ、その分主人公にゾッコンになり勢いの余り変態行動に走ってしまった。そんなルートでした(オイ
~まとめ~
全体的にクオリティの高い出来となっていました。
純愛系でここまで飽きずにプレイさせてくれたのは久しぶりです。
最初は異能力者系と聞いて多少不安になりましたが、比率は圧倒的に純愛で安心しました。
純愛+異能力者+海面が上昇した世界という組み合わせがとてもいい雰囲気を出していました。
シナリオがしっかりしてるのでキャラゲーと言われることもなく、純愛系によく陥る中だるみも感じられませんでした。
スタッフが本気で取り組んだからこそ、これだけのクオリティを維持することができ私自身も楽しめたんだと思います。
Clochetteは安泰ですね。二大イラストレーターを抱え、シナリオライター陣も複数人いてテンポよく次回作を作れる盤石の体制をとっています。
次回作も是非買わせて頂こうと思います