主人公の設定さえ間違えなければ100点をつけたかった
「めぞん一刻」が好きな人はハマるでしょうが、「家族計画」とは似て非なる作品です。
シナリオは面白く、スキップせずに全文読めるし、メインの登場人物に限っては魅力的なキャラが揃っているので、誰か一人くらいは気に入るキャラが見つかるでしょう。
山場のようなイベントも各所に用意されていて、美都子ルートでは年齢差による葛藤とか、色々感動的なシーンもありましたが、残念ながら他のヒロインのルートのパンチが総じて弱く感じました。
ただ、残念ながら、主人公の設定がいただけませんでした。
正義感が強いが、世渡り下手で、お人よしでよく利用されて痛い目にあう……そんなどこか憎めない、不器用な主人公が、何の描写もなく、シナリオ中盤以降は完璧超人と化し、かつ学習能力が全くないかのような意味不明な行動をとったりする。それがいただけなかった。
めぞんみたいな成長物語を狙ったのかもしれないが、成長の過程を省いてはいけない。
これだと、主人公はもともと完璧超人だったのだが、「何か」が原因でその能力を1割も発揮できていなかったようにさえ思えるが、その「何か」も不明だと、やはり辻褄があわない。
サブキャラも、佐々木以外は不快な感じだった。
色々ダメ出しを書いたが、これは100点をつけたいのにつけられないような、そんなもどかしさからきたものであって、名作であることに変わりないのは誤解しないでいただきたい。