1年に1指令しか出来ず、学園を経営している気分になれない、作業感漂う退屈なゲーム
同メーカーの他作品の出来を考えると、正直言って残念だとしか言いようのない出来だった。
まず、このゲーム、最長で100年間プレイできるのでとてつもなく長いように思えるが、1年に1つのことしか指示できないのであるから、実際は100ターンあるだけで、拍子抜けするほどあっという間に終わってしまう。
100ターンといっても、1周目は50ターンしかプレイできないのだから、どうもEDを迎えたという感覚にさえなれない。
長寿族である主人公をはじめ、メインキャラは全員人外の存在なのだから、1年はあっという間なのだといえばそれまでだが、自分には味気ないシステム設定のようにしか思えなかった。
ゲーム自体もやることが少なく、ただ建造物を建てたり、イベントを眺めたり、進路指導したりするだけなのだが、この進路指導が問題である。
一応は各国に影響の大きい人材だとしているのだが、せっかくパンプキンを他国に送ったと思ったら、進路指導できないパンプキンの生徒が自国や学園に就職していたりして、かなり参ったことが少なくなかった。
一方で、他国に英雄や執政官や将軍を取られてしまうこともあるのだが、英雄や執政官や将軍よりも影響力の大きい主婦や家事手伝いって一体何者なのだ?
いっそ全員に進路指導できるようにするか、進路指導できる生徒を一部の上位の職業やパンプキン・盗賊に限定した方が良かったのではないだろうか。
また、戦闘についても100年のうちに2・3回しか攻めて来ないし、こちらから攻めることもできない。何とも中途半端である。
さらには、戦闘中に指令さえ出せない。ただ勝敗を眺めているだけだし、やれることといえば金をつぎ込んで補正をかけるだけだから、結局なんでも金の力かよと思ってしまう。
そして、大量に発生する教師!
確かにパンプキンや盗賊まで学園に就職するのだから教師は増える一方なのだが、この教師が金食い虫なうえに、卒業生にどう影響しているのかとか全く分からず、さらに解雇すれば学園の評判が下がるという困った存在であった。
シナリオもあまり印象に残らなかった。
思い出せる内容といえば、学園創立期に主人公が苦労したということ、ライバルのヴィヴィアンが何故か教師として就職してくれたこと、そしてヴィヴィアンと結ばれるために長寿族について研究したことくらいしか思い出せない。
仲間になった3人娘のこととか、そういうキャラはいたなと思い出せるものの、具体的なシナリオが思い出せない。それだけ印象に残らなかったということだろう。