後半の主人公たちの行動に共感できない、理不尽でご都合主義の凡作恋愛SLG
色々な意味でご都合主義過ぎて、あまり楽しめなかったというのが正直な感想である。
特にあずさルートで、さあ告白しようと言うときに、どうしてあずさにではなく、友人に電話をかけなければならないのかが謎だった。
まだあずさの意思も分からないのに、どうして成功前提のうえで主人公が謝らなければならないのか、疑問でならない。そして、友人に電話をかけなかったら、その時点でアウトである。あまりにも理不尽だ。
さらに、後半の主人公とあずさの行動もあまりにも酷い。
付き合っている・付き合っていないの線引き論には目をつぶったにしても、お互いに気のない相手と二人きりで遊園地に行くのだろうか?
そんなに、付き合っている・付き合っていないと言い争いしたいくらいなら、はじめから誤解されるような行動はとるべきではないだろう。
また、ゲームシステムにも問題があり、攻略キャラごとに必要な能力値が要求されるのであるが、その選定基準がよく分からない。
どうしてそこまでこのキャラはその能力にこだわるのかとか、作中での描写が不足しており、ヒント無しでは方向性を間違えてバッドエンドへ直行ということも少なくない。
一方で、ご都合主義な点も多々ある。
美奈はいかにも妹キャラという感じだが、血縁関係が全くない、ただのバイト仲間でしかない主人公を「お兄ちゃん」と呼ぶのはかなり違和感があった。
妹系キャラは好きなのだが、流れが不自然なのはいただけない。
潤の男装設定もその通りであり、よほどごつい女でもない限りは、さすがにばれるだろう。
この店の店員にしろ客にしろ、目がよほど悪いのか。それとも誰も男子トイレに行かないのか。
ともかく、無理に男装にした理由がこれといって見当たらなく、終盤になってようやく主人公にばれるというのはあまりにもご都合主義だ。
その他、言い出せばキリがないが、いくら女性が多い職場といえ、いや、女性が多い職場だからこそ、典型的なオタクである主人公がここまでモテるようになるのは違和感がある。
リアルならば全く相手にされずに蔑まれるか、面接の段階で落とされているだろう。
残念ながら、Piaキャロットのような店だとそれが現実というものである。
そして、最大の問題点、メインヒロインのあずさ。
ファンには大変申し訳ないが、全然好きになれなかった。
些細なことでキレるし、些細なことをいつまでも根に持つ、暴言を吐きまくる、主人公と親友の間でふらふらする割には、主人公に対しては冷たい。
どうも魅力を感じられない。こういう女性は好きになれない。