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ねずみ男さんのランス01 光をもとめての長文感想

ユーザー
ねずみ男
ゲーム
ランス01 光をもとめて
ブランド
ALICESOFT
得点
85
参照数
929

一言コメント

ギャグセンスが素晴らしい「斬新なリメイク」。AVGの総当りシステムだけが難点か。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

アリスソフトのゲームをプレイしていて毎回思うことだが、ギャグセンスが素晴らしい。
毒・麻痺・沈黙・暗闇・石化などが状態異常としてメジャーだが、このゲームときたら、徹夜や迷子、オルゴール、さらには下痢や結石で状態異常を起こす。
システムとしては同じような原理なのだろうが、結石で1歩ごとにダメージを受けているランスの変顔を見ると、腹筋がおかしくなるほど笑えた。

武具一つとっても、「一応魔法剣なのでええかっこしいが持つ」というような説明がついていたり、やる気のないアザラシみたいな顔が描かれた「不滅の盾」など、とにかく随所でプレイヤーを笑わせようという意気込みが見られる。
筆者と笑いのツボが合うだけなのか、それともギャグセンスの良いスタッフを揃えているのか分からないが、とにかくギャグが滑って白けてしまうことがないのが、老舗のすごさを感じさせてくれる。

戦闘は意外と難しい。
初回作のリメイクだからといってなめてかかると、「げこげこ」程度にランスが惨殺されるという目もあてられない光景を見ることができる。
筆者はグリーンハニーに瞬殺されたり、コロシアムではフブリ松下や、こんごをなかなか倒せずにかなり苦戦させられた。
個人戦オンリーのゲームなのに、弱いランスが見られるというのはある意味貴重かもしれない。

戦闘システムそのものも、相当斬新である。
強い武器・防具を揃えるだけではクールタイムが長すぎて勝てないし金も足りない。
一見軽視されがちな、使い捨ての武器・防具をタイミングよく使えるかというのが、難関を突破するキーポイントになっているかと思う。

キャラも相変わらず魅力的だ。
シィルがランスに買われるまでの話が入っていなかったのが残念ではあるが、ランスに出会う前のリア・マリス・かなみの様子もよく分かったし、何よりもメナドを上手く出演させてくれたのがうれしかった。
鬼畜王キャラといえば、ルイスも登場したが、盗賊に間違われてボコボコにされるという展開もかなり面白かった。
メナドやルイスの例のようにキャラの再利用も実に上手い。

ただ、AVGの総当りシステムだけはかなりきつかった。
おそらく原作当時の雰囲気を少し残したいと思ってのことだろうが、このような古臭いシステムこそリメイクしてほしいものなのである。
その割にはヒントらしいヒントが得られないこともある。
コロシアムの出場券の入手法や、牢屋の奥への行き方について、まさかメナドがからんでいるとは思ってもいなかったため、無駄に日数を食ってしまった。

全体的に見れば、「斬新なリメイク」と表現できそうだ。
リメイクというと、どうしても一部(特にグラフィックやベースとなるシステム)を修正しただけで、大部分は変わらないことが多いのだが、この作品はかなり大きく手を加えている。
この調子で、ランス3もリメイクしてもらい、ぜひそれもプレイしたいところだが、アリスソフトさん、どうでしょう?