「失敗は成功の母」なのか?名作の基礎となった、アリスにしては残念な出来のキャラゲー
まず、この作品が成功作なのか失敗作なのかと聞かれたら、失敗作と答えるだろう。
ただ、この作品が「ママトト」の戦闘部分の基礎となっていることは明らかだし、この作品と「ママトト」をミックスして「ままにょにょ」なるゲームも登場した。
さらに、驚くべきことに、アリスおなじみの敵キャラであるハニーの、魔法絶対防御設定は、この作品からである。これより前の作品のハニーには魔法が少しは有効だったのである。
色々失敗しながらも後の作品を成功に導いたのは流石ではあるが、当時定価買いしたプレイヤーにとっては憤慨に値する出来だっただろう。
そう思うと、手放しに誉める気にもなれない。
とにかく、この作品はキャラで持っている。というか、キャラに魅力がなければ20点でも30点でもつきかねないような内容であった。
シナリオがあるのは序盤と終盤だけ。それ以外は、シナリオらしいシナリオはほとんど存在せず、延々とキャラに萌えながら戦闘を続け、ルートを間違っては凹むだけである。
「ルートを間違っては」とは書いたものの、侵攻ルートを選択するのはまさに勘だけが頼りであり、完全ノーヒント。
攻略サイトなどを全く見ないで一発でクリアしたプレイヤーがいたら、心から尊敬するとともに、人生の運を使い果たしたのではないかと心から心配する次第である。
繰り返しになるが、キャラはかわいい。それだけにもったいない。
アリサ・シャルム・アリエッタの3名についてはその後もいくつかの作品に出演しているが、他のキャラにはなかなか再登場の機会が与えられない。
自分はアリサ好きだったので良かったものの、この3名以外のファンは不満が残っただろう。
ちなみに筆者はアリサと並んでキャロットも好きだった。だから口惜しい点もある。
そしてCG。
これは当時にしてはきれいな方であり、キャラの魅力も引き出されていて、陵辱シーンも実用性が高い。
しかし!その陵辱シーンにしろ、そうでないシーンにしろ、やはりシナリオがないのである。
シナリオどころか台詞の一つもないし、どうしてそうなったのかという説明さえない。
誰が悪いのか分からないが、監督的なスタッフが悪いとして、何故そんなことで妥協する気になったのかを聞いてみたいところである。
また、キャラには固定の最終形態が用意されているものの、これがプレイの幅を狭めている要因にもなっている。
イメージだけでアリサを魔法系にした人も少なくいないだろう。また、エレーンやアリエッタのように、何が得意なのか今いち分かりにくいキャラの進化には大いに悩んだことだろう。
ライナとアリサは攻撃系、エレーンとアリエッタは防御系、キャロットとウェンディは魔法系、そしてシャルムだけが格闘系である。
だが、これもまた問題があり、後半に登場する長老天然壁は格闘系だけが破壊可能だがシャルムしか適性がないし、同じ系統のキャラでも能力に決定的な差がある。
攻撃系はライナ、防御系はアリエッタ、魔法系はウェンディに分があり、それぞれもう一方のキャラは愛がないと活躍しにくい。
筆者はライナと攻撃力が開いていくアリサに愛を注いで成長させたが、それでも才能の差は大きかった。残念である。
シナリオを練り直してのリメイクを望みたい。