主人公より強いキャラが最低３人いる、王道で熱血な非勇者の冒険物語
タイトルに王道「勇者」とあるものの、主人公は勇者ではない。
勇者はヒロインの一人、アンゼリカである。
よって主人公はただの冒険者でしかないのだが、主人公こそ勇者に相応しいと思えてしまう、そんな正義の心あふれる熱いストーリーである。
主人公は素直にいい奴。
困っている人がいたら絶対に見逃せない。正義のために悪と戦う。
熱血で、男気あふれているが、決して熱苦しいわけでもない。友達に一人ほしいタイプだ。
主人公はバトルに強いものの、なんと、このゲームには主人公より強いキャラが少なく見積もっても３人いる。
メインヒロインでもある妹のファネル、主人公以上に熱血漢の漁師・夜蘇真衛門、そしてヒロインの一人ライナの祖母で格闘家のエレノアおばあちゃんである。
特にエレノアおばあちゃん、この人の魅力が凄い！
若かったら確実に一人でラスボスを倒しに行けるくらい強いが、「老化」という人間にはあって魔物にはない現象に負けながらも、文字通り最期の最期まで中ボスと互角にやりあってくれる。
しかも主人公が負ける可能性のあるバトルは、この中ボス・ぺネトレート戦くらいしかない（ラスボス戦にはファネルを連れていけるし、奥義を覚えていると楽勝）ので、余計凄さを感じる。
そして、最期の言葉も感動的だ。
脇役であるエレノアお婆ちゃんの話ばかりしてしまったが、ヒロインたちも魅力的な娘ばかり集まっている。
若干アンゼリカのシナリオが弱い感じしたが、おおむね５人のヒロインたちとの心の交流や冒険は丁寧に描写されていて、好感を得た。
最終的にはファネルを切り捨ててまで他のヒロインを選ぶ気になれないが、不幸度の高いライナやベルにもぜひ幸せになってほしいと切に願うばかりだった。
あと、音楽も非常にかっこいい！
ＯＰテーマはもちろんのこと、中ボス戦でのバトルＢＧＭもかっこ良すぎて、何度も聞き直すくらいはまった。
もうこのゲーム自体、古くて今さらプレイする気にはならないだろうし、今のＯＳで動くかどうかも怪しいところだが、何を隠そう、このゲームは筆者にとって初のエロゲーだった。
初のエロゲーにして、老舗アリスの名作に出会えたことは今思えば幸運だっただろう。