いわゆるエロゲじゃないけど、すごくよかった
エロゲという枠で見ると異質な存在。エロゲ枠だけどちょっと違う作品だった。どちらかというとラノベ的な物語だったと思う。
個人的には、魔法という概念の設定にリアリティが感じられた。作中では天候を左右するもので、魔法の乱れで台風がきたり夏に雪が降ったりするんだけど、その辺りの事件の発生の仕方がすごくなめらか（関係者以外には「異常気象」だから）。
あと、いわゆる魔法ものって、「そのラスボスの力はどこまで及ぶの？」とか「主人公たちの戦ってるご町内の外の世界はどうなっちゃってんの？」といった、規模が曖昧なものが多いけど、これは意外にも世界規模で設定がされていた。その辺りも現実味を感じた理由かもしれない。
主人公の好ましさ、姉妹や家族の描写など、他にもいいところは沢山あるけど、自分が特にいいなと思ったのは、舞台となっているライラック市という土地の用い方。多分札幌をモチーフにしてるんだけど、タイトルにもある「百五十年」という時間の正体が作中で判明する瞬間がめちゃくちゃよかった。そうか、だから百五十年目の魔法使いなのか、となりました。
魔法の仕組みや世界設定、派手な作品と比べると小粒に見えるかもしれないけど、地に足の着いた感じがすごく好きだった。拾われていない伏線なんかについては、多分続編とかＦＤ待ちなんだろうなと思う。
キャラやグラフィックは言うまでもなく良かったです。フルボイス移植してほしいですね