心温まるエロくてちょっと良い話。
Siriusの前作「魔法はあめいろ?」がなかなか良かったのでプレイ。
ホーム&メイドラブADVという名の通りの作品でした。
エロ重視かと思いきや、シナリオもしっかりとあります。
この作品はそれぞれのヒロインたちの成長物語です。
ヒロインたちはそれぞれ皆、目標を持って都会である王都に出てきます。
そして、一つの家で暮らし、それぞれの目標を店子となったヒロイン同士互いが応援しあい、それをメイドと大家が見守りながら応援する。
一つの家で暮らす家族のような関係が、暖かくてほのぼのした良い雰囲気をだしています。
また、日常会話がテンポ良く進み、退屈せずにプレイできました。
さらに、それぞれのキャラクターがしっかりしており、会話での役割分担がはっきりしているのも良かったです。
あと、エピローグが長いのには驚かされました。
一波瀾があるなど、エピローグが各個人ルートではと思うくらい尋常じゃない長さでした。
主人公は大人です。確か28歳。年齢だけじゃなく精神的にも大人です。
エロゲーでは主人公が学生とかで若めの設定が多いのですが、大人という設定も結構良いものです。プレイしていて非常に安心します。
自分の目標のために頑張ったり、思い悩んだりするヒロインたちを影から応援したり、見守ったりするところなど素敵です。
あまり積極的に介入せず、理解をうながすというかたちでヒロインにかかわるので、大人の男イメージが増幅されます。
この主人公なら若いヒロインたちが夢中になっても無理はないなと思えます。
エロゲーでもっと大人な主人公の純愛というのが増えても良いような気がするのですが、やっぱり設定の幅が狭まるとかで難しいのでしょうか。
しかし、この主人公、何故か江戸っ子口調で話します。
私は気にならなかったし、むしろ良いと感じたのですが、これは合わない人には合わないのではないかと。
ヒロインたちもそれぞれ十分な魅力を備えています。全員天然はいっていますが。
ヒロインほとんどが主人公依存体質化するので、物語の中盤以降はどのヒロインのルートでもかなり甘~いデレデレな生活が楽しめます。
前作「魔法はあめいろ?」から思っていたのですが、このライターさんはキャラクターの可愛さを見事に表現しますよね。可愛さという点においてはもはや異常です。
攻略順にそれぞれのヒロインに関する感想をいきます。
フィエナ
従順なメイドさん。
主人と店子達に奉仕しまくるメイドさん。
ツンデレだとか変に属性もちのメイドさんは多くいますが、こういう働き者で清楚で可愛らしい雰囲気のメイドっぽさをだすメイドさんは、なかなかいそうでいなかったのでは。
健気で可愛く嫉妬もするので、他のヒロインのルートに入るとちょっと不憫だと感じてしまいます。
Hシーンでの可愛さは全ヒロイン中トップクラス。しかし、研究Hが多すぎるために面倒になってしまうのが惜しいところです。
リーチェ・ベッセン
女の意識があまりない女剣士。
天然無邪気です。
自分が女であることをまったく意識していなかった女の子が、だんだんと女としての自分に目覚めていく過程の描写がとても良いです。多少、奇行にもはしって笑えます。
女として目覚めた後の主人公への依存っぷりは、ヤバイです。
エピローグで主人公が風俗店から出てきたときの、主人公への対応は、たまりません。
シャロ・プルチーニ
おっしょうさまラブ弟子。
不思議と癒されます。メイドであるフィエナよりも彼女に癒されました。
個人的癒し系キャラクターNo.1。彼女の大人ぶったりする言動が微笑ましくてなりません。
主人公が他のヒロインと恋仲になったときの反応など、シャロの真価は彼女のルートではなく、他のヒロインのルートにあります。
アヤリ・アヤリエ
母親に憧れる世話焼き料理人ツンデレ風味。
ツンデレというよりは意地っ張りですが。
店子メンバー唯一の突っ込み役かと思いきや、自爆キャラ。
プレイし始めの頃は、声優さんが同じなために、前作の久我環の影がつきまといました。
世話焼きタイプのヒロインと、世話焼かなくてもいいくらいしっかりした大人な主人公とのストーリーはなかなか新鮮で良かったです。
中盤以降の、主人公に素直になれなかったり、デレたり、純情であるがために緊張したりするところは必見です。
髪留めが安全ピンにしか見えません。
クオレリア・ルティエ
恋を知らない吟遊詩人。
シュールな感じの行動をするキャラクターかと思っていたら、それだけじゃありませんでした。主人公に自分の事情を話し、主人公を頼れるようになってからの、彼女の主人公への懐きっぷりは凄いです。感情的にもなりますし。
エピローグからの主人公を愛するがゆえにおこる天然爆弾発言などには、ニヤけさせられます。
総評
キャラクターのエロ可愛さを求める人は、やって損はない作品です。
Hシーンがかなり多いですが、エロが苦手な人でもたぶんキャラクターの魅力で乗り切れます。暖かい雰囲気や可愛いヒロインに目がない人にはぜひやって欲しい作品です。