笑えるのに優しい世界なんて最高やんけ!
まず何がすごいかって、笑えます。(笑いたい人にとっては最重要)
声の無い同人ゲーなので声優さんの演技による聴覚的なノリや勢いというものを感じることはできないのにもかかわらず、ノリノリになってテキストを読むクリック作業が止まらない。
理由は良い意味で地の分が少ないからだと思います。
この作品、体感では8割ぐらい会話の応酬でテキストが進んでいくんですが、どのキャラクターも一度口を開きだすと一々ユニークなネタを放り込みまくってきます。
そのネタの内容もメタネタや下ネタ、パロネタのような類のものではなく、おバカな聞き間違い言い間違いだったり、前後の会話に対する揚げ足だったり、突拍子のない力尽くのギャグだったり、そこに食いつくのかよ!と常人ではなかなか思いつかない切り口から着地点の予測ができない方向へ会話が進んだり、たとえつっこみのようなわかりやすいボケまでまさに多種多様で、「またこのパターンか…」と言った飽きとは無縁です。
しかも会話に参加している人数が多ければ多いほどより愉快に、賑やかになっていきます。
周囲が賑やかなキャラクターばかりですので必然的に主人公はツッコミ体質となっているんですが、びっくりマークを多用するような騒ぎ立てるようなつっこみ方をあまりしない、質的には結構ドライなつっこみ方をするタイプで、ボケにボケを重ねたり、合いの手のような無難なつっこみを入れて更なるボケを促したり、さんざんしゃべらせた挙句一言で切り捨てたりと、これまた変幻自在に会話のコントロールができる飽きを感じさせることのない良いキャラです。
書いていてさっきからまるでお笑いの評論みたいになっているのなと思うのですが、それだけこの作品は会話と笑いで循環しています。
じゃあ笑えるだけなのかと言われれば決してそういうわけでもなく、笑わせながらもいろんなアプローチから人間性について深く考えさせられる構成も見事。
登場人物も同人ゲーとしては多い方なのですが、これまたどいつもこいつも愛着の湧いてしまうキャラクターばかりで、ルートがないようなキャラクターにもスポットが当たる機会が用意されており、上手い具合に掘り下げがなされていて、これまた作品の完成度を上げる一因となってます。
bgmも場面場面にあった浸れる良い曲が多いです。
タイトルのHumanityの通り、何から何まで人間味を感じずにはいられない素晴らしい作品。
keyのoneやクラナド、リトバズなど好きな人にはたまらないのではないかと思います。
終わってから物足りなさや不満なんて一切出なかった個人的には超傑作です。
発売から5年近く経ちますが、私の中で作品比較をする際の基準となっているので100。
というか100をつけたいがためにIDとったと言っても過言ではない。
こんな感じでツボにはまったやつが絶賛したくなるようなゲームなんです。