最終的に扱われるテーマが美しすぎるので、奇麗事が嫌いな人には向かないかも
扱われているテーマは「絆」、「やさしさ」、「他人を想う心」。
そういったテーマが中心となってくる上、
最終的にやさしさや想いが世界(若さん)を変える、的な状態になるので
セカイ系嫌いな人には向かないと思います。
あと、そういった奇麗事そのものが嫌いな人にも向きません。
シナリオの構成としては、
1章から2章の中盤まで伏線を張り巡らせたあと、
2章後半で一気に伏線を回収し、3章で補足と転換、4章で後日(?)談、
といった感じです。
伏線の回収がラッシュのように訪れるので、そこまで行ったあとの「続きが気になる」感で一気に読み進められました。
一本道だったというのも手助けしているのでしょうが。
若干感じたのは、登場人物たちの名前に関する言葉遊びが多すぎて、
すごく現実離れした感が否めなかったということ。
そして、ループのカラクリが突拍子もなさ過ぎてあっけに取られた点、
また、それに主人公が気づけたというのもイマイチご都合主義というか上手くいきすぎな感じがしたということ。
たぶんループの仕組みをメビウスの輪の構造に近付けたかった意図があるのかもしれませんが
なんか蛇足だったかなぁと言うような気もします。
あとは、文章の構成として、たとえば
主人公がある事象に気づく→その時点ではテキストに書かれない→関係ないシーンが挟まる→改めてその事象を取り扱う
といった構成がすごく多いので読み進む側としてはゴチャゴチャに掻き乱される感がありました。
おそらく伏線の回収を一気にやるのが特徴なライターさんが故の現象だと思いますが、
読み手には不親切だったかなぁと。
それが好きな人もいるんでしょうけど、ゲームだと遡って読むのにとても手間がかかるので。
小説なら前のほうのページをパッと開けばいいですが、ゲームだとバックログにも限界がありますし、そもそも飛べませんし。
そういう意味では一気に読み進めるのをオススメするゲームですね。
指摘ばかりになってしまいましたが、
総じて雰囲気がよく、扱われているテーマが美しく、登場人物みんなとても清らかでまぶしい人たちばかりだったので、
読了後の爽快感がとてもよかった。
自然と優しい気分になれるゲームでした。
こういう、喪失感の残らない話はすごく好きです。
あと、ひよが愛しすぎる。アララギが切なすぎる。春告が頼もしすぎる。青姉萌え。