【傑作】瀬戸口廉也の復帰作、キラ⭐︎キラ並を期待しすぎは良くないかも(キラ☆キラのネタバレあり)
2020/01/22 訂正 この作品は傑作です。
このレビューを書いた後、ずっと三日月EDの曲を聞いていて、ずっとこのゲームのことをプレイした後、二日三日、三日月やこのゲームのことを考えていました。
そうしたら、ある時に気付いたのです。
これだけ、人の心に残らせる作品が傑作じゃないはずがない、と言うことに。
と言うわけで、私の心の中ではこのゲームは傑作。
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結論を最初に言うと、普通に面白かった。
ただ自分が相当瀬戸口廉也氏に入れ込んでいるので、そういった部分で冷静に評価できていません。(クラウドファンディングでロックンロールコース銀4万円に投資するぐらいには入れ込んでます)
自分も趣味でシナリオを書くので、そういった目線で多少見ていくレビューを書きます。
【レビュー要点】
・普通に面白い
・ただ、シナリオにおける主人公の行動の変化した結果、他者の行動があまり変化しなかったのが残念
・ヒロインは金田
・某キャラクターがヒロインでないのが無念。
・エッチシーンに流田プロジェクトはいらない
・エンディングムービーのクオリティが高くてそれだけで持っていかれる
【以下は殴り書きですが、暇でしたらどうぞ】
エンディング数はネタバレ、じゃないよね?
ネタバレと思った方は回避推奨です。
普通に面白いです。
やっぱり瀬戸口廉也氏はギャグ描写はうまいですね!
そして成功者への道を駆け上っていくところは御都合主義もあるように思えますが、結構グッときます。
今作のメインヒロインは金田(大嘘)
なんで金田はあんなに弱いんや・・・ロックンロールの体現者だからか?(違う)
ルート情報はネタバレ、じゃないよね?
ルートは四つ。
公式HPにいるヒロイン3人+隠しヒロインが一人。
最近のラノベやアニメに見られる、ハッピーエンド至上主義に毒されている感が少しある。
まあ氏の作品は暗くなりがちだし、多少はやむをえないきもするが、氏の持ち味はプレイヤーに吐き気を覚えさせる程の壮絶なバッドエンドに向かう胃を締め付けられるような壮絶な描写が持ち味なので、意識して書いたのかも知れませんね。
ただ、その結果持ち味が殺されたかも知れません。
もっとバッドエンドがあってもいいように思えました。
おまけにルートによっては、多少投げっぱなしなところがある、あと多少ご都合主義が入っていたのが気になった。
キラ⭐︎キラのいいところは現実的にえげつないまま救いのないことになり、そんな中でも止まっていた鹿之助の人生が再び前進していくところがいいところだった。
そして樫原や千絵姉はそんな中でもコミカルさがあり、現実的な問題であり、それぞれにベクトルの違う難しいなのだけれども、コミカルさもありつつ、問題を認めつつもいい方向に向かうと言う後味の良さがあった。
しかし今作は救いがないバッドエンドがあり、そこがキラ☆キラと違って、多少思うところがある。
しかしこれはこれでいい。
主人公の近しい人であった〇〇〇〇になってしまったと言うことで納得できるであろうし、できた。
ただ、自分は楽しめたが、この作品は傑作になり得なかった。
何故なのか。
瀬戸口廉也、と言う偉大なシナリオライターの作るこの作品が、【何故】傑作になり得なかったところをこれから自分なりに考えたものをまとめていこうと思う。
余計なお世話かもしれない。
あんな偉大なシナリオライターに向かって傑作になり得なかったなんて言うこと自体何様だ!と思うかもしれない。
すまぬ、だがこれは備忘録なのだ。
重箱の隅をつつくようであるが、キラ☆キラではシナリオの【軌道】が完璧であった。
きらりルートにおける、A,Bエンドのような、主人公の行動によって関わった人たちの行動が変化する、と言うことが完璧であった。
例えばAルートでは、きらりは死ぬ。無理心中を図った父親が火をつけた家に、鹿之助や千絵や紗理奈の誕生日プレゼントで買った思い出の骸骨マイクを取りに行って全身火傷で死ぬ。
遺言や最後の言葉を残せるわけでもなく、無慈悲に、無残に死ぬ。
周りの人はバンドを辞めて就職したりして、大人として社会人として成長し続けていく中、鹿之助は未だに固執し続けている。
バンドと言うかつてのキラキラした記憶に。
そうして鹿之助は他ルートでであった少女アキ、同級生の村上とHappyCycleManiaを結成する
次第に鹿之助はきらりの幻想、妄想を見始め、きらりが生きていると言う自身の幻想を確かめるために、きらりの墓を荒らしかけるところまで荒廃する。
でも、Bルートでは花束を〜〜することにより、きらりの父親の行動が【変化】する。
その結果、きらりの父親はタバコを飲み込み、自殺を測り、入院する。
見舞いに行った結果、きらりから父親を見ていてくれ、と頼まれる。
頼まれる・・・が、目を離した隙に父親がリストカットした後の現場を発見してしまう。
このままにしておいたほうが皆幸せなのでは・・・?と自問自答した末、結果見殺しは出来ない、と言うことを決断するが、結果として死んでしまい、父親はいなくなり、結果きらりは生存する。
そしてそのことを隠し悩んでいた結果、鹿之助からきらりが問いただした結果、世の中に楽しいことが楽しいことが足りないと、きらりは音楽で世の中を楽しませること、鹿之助のような人間を出させないことを決意する。
そして鹿之助はバンド活動は青春の思い出として、社会人になっていく、と言う
このAとBの間には【鹿之助の選択によって】、きらり生存の可否、HappyCycleMania結成の可否、鹿之助の人生がどうなるのか?、等と言うことが(変化するのはこれだけではないが)【綺麗に変化していく】。
これがシナリオにおける軌道であり、エロゲー批評空間に登録して読んでいる諸兄らには説明は不要だろうが、名作、傑作シナリオにおける軌道の変化なのだ。(言葉が足りないうえに、書きつくすと冗長になるので割愛する)
しかし、今作はルートに寄って出てくるキャラが多少違うのはわかるが、主人公の行動によってそれらが変化する、と言うことは全然なかった。
そう言う意味で、このゲームはもったいない。
Fateや月姫、ever17、シュタインズゲートのように選択肢があり、マルチエンディングなのだから、もっと主人公の動きによってキャラの軌道を変化させても良かったと思う。
もっととあるライブハウスのオーナーをもっと深掘りしても良かったし、潰さないエンディングもあったように思う。
とある大学生ベーシストなんか、特に救われていないだろう。
特にとあるルートから分岐するヒロインなんか、救われなさすぎる。
さらにあの同級生の引きこもりはどうなってしまうのか。
そしてバンドのベーシストのルートは、もっと話と時系列を先に進めて良かったのではないだろうか?
主人公が【違う選択をした結果】、【どうなるのか?】
と言う【軌道】が明確に見えなかったのが、このゲームが傑作、名作たりえなかった理由であるように思う。
メインヒロインルートがグランドエンディングルートであったが、もっと深掘りし、救える人を広げても良かったように思う。
ピテコスとかは果たしてそれをわざわざ拾いあげる意味はあったのか、もっと深掘りしてもいいように思える。
もったいない。
ただ、ルートそれぞれのテーマは、それぞれに明確であった。
氏の作品は気をつけないと作家性全振りのような『くらい部屋』とか『Carnival』とか、哲学的な方向性に行きがちなので、氏には是非『キラ☆キラ』と言うテーマと作家性と両立できているエンターテイメント作品もかけるので、もし読んでいるのであればぜひそう行った方向にシフトしてもらいたい。
(多分、これがシフトした結果だろうけれども)
そして金田に泣かされてしまうんだよなぁ・・・!
金田は メ イ ン ヒ ロ イ ン !
個人的に途中でバンドから抜けてしまう、某氏がヒロインでないのが残念です。
おっぱいおっきいのに……!(余談!)
攻略したかった……!
あと、とあるルートのエッチシーンにおける流田プロジェクトのコンドーム描写がまじで不要でした。
エッチでタレ目なお姉さんが好きなので、シーンに入ったやったー!と喜んでたら、その描写が入った瞬間あのハクオロの仮面の人を思い出してしまい、普通に萎えました。
勘弁してくれーーー!!!!