銃×美少女の数少ない成功例
【銃×美少女の数少ない成功例】
この題材に挑戦しているゲームは、世にはかなり存在しているがここまで成功した例は中々ないであろう。
大抵が銃がただの小道具、演出の一環であったり(この言い方もおかしいが)脇役であることが大半であり、空気と言える存在が大半であった。
しかし、このゲームは中々めったに銃×美少女の成功例である。豊和学園(豊和とは自衛隊に銃器をおろしているメーカー)とか学校に名付けちゃうあたり、銃好きなのが見て取れる。
だだ、残念なことにこのゲームは佳作であった。
このゲームの問題点は2つある。
まず、一つ目にシナリオが一本道なのである。最も類似例としてあげられるのが、車輪の国だ。
一週目をクリアすると、ひたすら既読スキップ、(一週目をクリアすると追加される)次の選択肢までスキップの地獄にさらされる。これだけで2~3時間はかかっただろう。ひたすら同じ文章をたどらされ続けるのだ。
苦痛である。
加えて、(個別ルートに入っても)エンディングも含めて、大体一本道なのだ。僅かな差異しか、個別ルートには存在しない。
これがひたすら辛い。
ラスボスが毎回同じなのも輪をかけて辛い。ひたすら同じ文章を3回たどらされるのがどれだけ苦痛か、このシナリオライターは他のエロゲ(Navelの月によりそう乙女の作法とか)やってみて、思い知ってみるのがいいだろう。
2つ目に、シナリオが薄っぺらい。
もっというと、中盤から後半のきな臭い雰囲気が出てきたところで、黒幕が誰なのか読めてしまうのだ。登場人物の少なさがその状況を作り出している。
加えて、読者の一歩上を行く展開というのが無いのだ。
ミステリーやサスペンスをプレイしているわけではないので、そういうことを求めるのは筋違いかもしれないが、ゲームである以上ある種のカタルシスや、ミスリード、およびそれによるどんでん返しなどが欲しかった。
ここまで悪い面を語ってきたが、良い面ももちろんあった。
良い面は2つある。
一つ目に、原画の素晴らしさである。
OHPのsampleCG、最下段、左から二番目のCGを見て貰えれば分かると思うが、原画の人が筋肉の付き方をよく勉強しているのが分かる。男性は筋肉隆々としており、女性はその柔らかそうな肌を特に表現しており、その著しい対比が非常にエロく、非常に興奮した。
加えて、原画の柔らかなタッチと、塗りの柔らかい雰囲気が非常にマッチしていて大変すばらしい。
この原画家の次回作は非常に期待したい。
2つ目に、愛ルートだ。
感情の薄い女の子が恋をすることにより、感情が花開いていくという、使い古され、かつチープで厨二なシナリオが……シナリオとして薄いのはわかっているんだけれども、分かってはいても素晴らしい。薄っぺらいが、やっぱり鉄板なだけある。
愛が主人公に結ばれてから、初めて戦場に立った時に主人公を危険から遠ざけようとする姿が愛らしく、保護欲をそそられる。
加えて、声優さんの演技により無機質であまり感情を表に出さない愛の成長がだんだんと表現されており、それはそれは素晴らしい物であった。
【まとめ】
やっぱりシナリオが全体の足を引っ張っていた。グラフィック、演出、BGMともに昨今のエロゲの平均点以上を叩きだしているが、エロゲの屋台骨であるシナリオがイマイチなせいで、評価も佳作となってしまった。
良作未満、凡作以上と言ったところか。