「お兄ちゃんという個人が好きなんじゃなくて、『お兄ちゃん』っていう概念が好きなんだよ」
この台詞ほど、美少女ゲームと言うものの本質を表している台詞はないだろう。
自分は偏執的な妹萌え故に、この台詞は心にグサグサと刺さっていった。自分は、そして数々のエロゲーマーたちは今まで彼女たちを好んでいたのではなくて、あくまで幼馴染や妹、メイドなどの記号的な属性を、概念を好んでいただけだったのだ。
作中では上記の台詞のような在り方を全肯定しているが、新しいヒトに進化できなかった自分にとってそれはとてもショックなことであり、目が醒めるような考え方だったのだ。もっとも、今までだって気付いていたにも関わらず目を逸らしていただけなのかもしれないが。