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かげらうさんのランス10の長文感想

ユーザー
かげらう
ゲーム
ランス10
ブランド
ALICESOFT
得点
10
参照数
5133

一言コメント

1部はシナリオ◎、それ以外が駄作、2部は全てが産廃以下

長文感想

2019/12
DMMでセールのついでにダウンロード。記憶も薄れてきたのでプレイを続行し、レビューを修正・追記しました。システム面はボロクソ以下に言ってますが、シナリオ的なネタバレ、特に核心に触れる部分は配慮しています。



【はじめに】
(1部だけの)シナリオや食券の文量等は本当に素晴らしく、最終作の名に恥じない出来栄えでした。が、周回&引き継ぎ等のシステム面があまりにも酷く、ユーザビリティが皆無であるため、これに高得点をつけるのは不可能です。最終作だから、完結したから、という自己満足の綺麗事ではなく、はっきりと本作は駄作だと断言します。

なお、あらかじめ申し上げておきますと、近作のランスシリーズでの私の好みは

9>>>>>ゼス>戦国>=マグナム

となっており、恐らく一般的なものからは外れているかと思われます。9がトップなのは私の初アリスがwin95時代の「ママトト」であり、これが非常に好みだったためです。







good

■1周目は最高に楽しい

何をか言わんや。まさに寝食を忘れてプレイしたレベルです。自分は初周は神の真実でしたが、周回必須の事前知識は有りましたし、何よりシナリオ的には文句なく面白かったので、この時点では満足度100%でした。引き継ぎの内容を見るまでは





■カード集めがとにかく楽しい

TCG経験があり、いくらかの収集癖が有り、ランスのキャラが好きであり、RPG的な育成も好きなので、とにかくたまりませんでした。引き継ぎの内容を見るまでは





■やっぱり魔人が強い

まあ一部(バボラとかバボラとか)はちょっと想像以上に弱かったですが…
ただ人類が切羽詰まった感じと、魔人の絶望感と、ランスの馬鹿っぽさが相まって、状況はヤバイけど何故か楽しいという、なんとも言えないこの感じ。

特にレッドアイの基地っぷりだけは、苦痛そのものの周回作業でも手を止めてしまうレベルで好き。Majin-Bossもあっていて最高です。





■サテラが最初からいる

好きなキャラを序盤から使えるのはテンション上がります。ただ初期verサテラはAP制と能力が噛み合ってないので、神魔枠解放してまで使いたいかと言うと微妙です。

引き継ぎ、もしくはフラグ開放でメイド勢が加入すると一気にサテラも強くなりますが、メイドが加入するということはそう遠くない内にその主も加入するわけで、う~ん…





■ケイブリスがちゃんと悪役をこなしている

世界最強の実力を持つにも関わらず、その出自故にどこまでも慎重で臆病な魔人。設定と難易度とが噛み合っており、読み物としてもゲームとしても非常に良かったかと。そのおかげか、Aエンドをクリアするとなんとも言えない達成感があります。





-------------------------注意 以下、1部システム面を酷評します-------------------------



bad

■1部ボス戦において、撃破ラウンドを安易に短く設定して難易度を上げている

ボスが強くて倒せないならいいんです。硬くてダメージが通らなかったり、攻撃が苛烈で全滅するのもしゃーないです。でも粘れば勝てそうなランクの相手に時間切れだから(ほぼ)失敗扱いってのはどうなんです?

次周以降にボーナス引き継いだとして、結局やることはCPアップによる★初期値追加と経験値を増量して、まさにレベルを上げて物理で殴るだけです。どーせ引き継ぎ無しでは勝利不可にするなら、そもそも戦闘以前の負けイベントにするとかしてください。戦闘的には勝ってるけどシナリオの都合で負け…これは製作者の怠慢以外の何物でもないです。

シナリオや演出によっては時間制限があってしかるべき場面はあるでしょうが、それが説得力を持つのは限定的な局面だけですし、まして作品中で何度もやるものではないです。引き継いでまでやることが「時間内にボスを倒すこと」って書いてて既に虚しいです。





■ランダム取得にもかかわらず、キャラを次周回に引き継ぎさせない

ラウンド制限がどうでもよく思えるほどの大戦犯。楽しいのは1周目だけ、なんとか耐えて2~3周目まで。

よく引き継ぎ無しでのバランスだから当然という人がいますが、見当違いもいいところで、そもそも引き継ぎ有りでのゲームバランスになってないことがおかしいんです。

ランス10が周回ゲーと告知された時点で、キャラ引き継ぎが完全に不可と想像した人は少数でしょうし、それを望んだ人の割合はさらに少ないでしょう(実際にそれに対する不満の声はどこでも見られました)。引き継ぎでバランスが崩れるならいっそ無いほうがいいという人はいるでしょうが、それでもゲームバランスが担保されるならば、周回ゲーでのキャラ引き継ぎを否定する人はほぼいないでしょう。

そもそもがキャラの引き継ぎが無いといっても、結局CPボーナスで「★5」や「経験値50%up」やらで二周目以降の自軍戦力はインフレしていきます。加入キャラが初期から★10になったら戦力は1周目とは比較になんないです。

前述したボスのラウンド制限や、ゲーム内での(少し雑に思える)難易度アップによって★5の影響は相殺されますが、だったらそれを★5の代わりにキャラ引き継ぎで相殺しろよってだけの話です。

バランス崩壊のキャラを対象から省いたり、数を絞ったり、★引き継ぎ等を不可にすればいくらでも調整は可能だったはずです。それにバランス崩壊の危惧を言うなら、まさに今挙げたようなキャラを出現させうる何でもありの方が余程ゲームを崩壊させているでしょう。はっきりいって話になんないです。


…もし擁護するなら、いちエロゲメーカーにそんなバランス取りできねーよ、というのはあったかもしれません。個人的には★5の調整辺りは結構雑で、それならキャラ引き継ぎでも代替できるとは感じますが、作り手側の企業として難しい判断だった可能性はあります。とはいえ擁護したところでつまらない苦行だったことも厳然たる事実です。





■捨て周回とかいう作業&苦行

引き継ぎは雀の涙ほどの実績とCPのみなので、必然として真エンドに到達するまでの大多数の周回は捨て周回となります。周回ゲー自体が悪いとはまったく思いませんが、キャラ引き継ぎ不可の影響をもろかぶりしたのがこれです。

良いエンドを迎えるには魔人2枚抜き等の早期攻略、つまり相応の戦力が必要となるため、各エンドで回収できるCPを貯めることが必須です。が、そのCP回収の過程で得られる(可能性のある)ものがほとんど価値の無い実績のみなので、実質的にCP以外はどれだけカードを引こうが育てようが無駄になります。心底アホらしいです。

無論、エンドまでの過程もシナリオの一部なので面白いことは面白いのですが、1周目と被る大半は完全に時間の無駄です。単にループもののシナリオを読んでいると考えても、序盤の同一展開を毎回読まされるなんてほとんどありえないことです。

さらに恐ろしいことに、このCP回収作業は攻略を見ずに行った場合、前周回と同じエンドになり、CPすらも得られない可能性があります。1周にかかる時間は決して短くはないため、攻略を事前に見ることが強く推奨されます。エンドを効率よく回収するための下調べ&分岐でのセーブ作成もほぼ必須です。この過程で得られるカードを次周以降で活かせるのであれば、この作業感はかなりの部分軽減できたのですが、まあ99%無駄なので心を無にしてクリックするのが最適解となっています。

…なおそれで序盤見られるエンドの多くはバッドエンドです。達成感ってなんでしょうか





■ゲーム進行に対するターンの制限がきつすぎる

別に難しいから駄目と言いたいわけではないです。ただ、2枚抜き等で上手にやりくりするのが最低ラインで、それ以下は滅亡率がマッハだったり、国が滅んだり、そのために支援や魔人退治以外をするゆとりのないゲームバランスがあかんと思うのです。

各地域に対する支援や戦果は、高ければ高いほど良いというよりは、可能な限り割り振っておかないとマズイという水準の厳しさなので、各周回中で別の行動を取るゆとりがターン的にも精神的にもないです。上に書いてきた通りカード引き継ぎができないせいで、CPの得られない周回は無駄以外の何物でもないので、攻略を見でもしない限り、(忍耐力に個人差はありますが)例えば1国滅ぼしてみる等の非効率的なプレイをする気になりません。

そのため、大陸全土を舞台にした戦略RPGという要素は微塵も感じられず、あくまで攻略を見ながら必要な選択肢だけを的確に拾うゲームという印象がどこまでも拭えないです。

要は自由度が低いんです。ランスが取れる行動自体はそこまで少ないとは思いませんが、状況がそれを全く許してくれないので、制限内ではADVゲーの選択肢を選んでるのと大差がなく、むしろ周回作業で戦闘分時間を食うだけという負のループ。引き継ぎの件と合わせて、ここでも周回というシステムを上手く料理できていないと感じます。





■キャラゲーだけど好きなキャラが使いづらい

全カードが持つ能力は2つだけなので、その能力が使えるor使えないはカードの評価に直結します…が、その能力差が露骨すぎるんですよねぇ。

AP0等の有用な能力がわかってくると、それ以外を使う理由がほぼ消失するので、ステージに合わせた属性を考慮して強キャラかをローテさせるだけです。このゲームにはカードそのものにコストの概念はありませんから、強スキルを持つキャラはその時点でただ強です。特にAP消費は残酷で、使えないスキルとの差は埋めようがないです。

この辺り、能力をキーワード化するなりしてもう少し幅をもたせることは出来なかったんでしょうか?
物理的なカードの大きさの問題で能力2つなのかと思いますが、ぶっちゃけ現時点でも十分見づらいですし。

また、勢力別の枠という括りもちょっと厳しいです。
例えばリーザス枠で同時に出せるのは1人だけなので、リックが出た段階で他は出れません。突出した強キャラが同勢力にいると、その煽りを他キャラがモロに受けます。

結果、この二重のハードルを突破しないとパーティメンバーにはなれません。じゃあ最初からロレックスとかリック使うわ、となりますし、実際その方が強いです。勢力別に分けることで、色々なキャラがパーティインッ!する機会を増やしたいという意図(※想像)は理解できるのですが…

例えば最序盤や一周目ならともかく、能力がしょっぱいメナドとかクリームみたいなキャラをリーダーにします・・・? しないですよね・・・? する意味ないですもんね・・・? 私は一度も使ってませんし、今後も使いません。弱点付くくらいならあるいは役目はあるかもしれませんが、それでもAP消費はきついですし、なんなら他勢力から出したほうが早いです。



…あえて言いますが、この勢力枠って果たして必要だったんでしょうか?

キャラの出撃をコスト制にして強キャラを固めづらくするとか、強キャラはAPの回復量を小数点単位でも下げるとか、適当な打開策っぽいのは思い浮かびます。

現状でもランス&リセット等、別勢力の仲間にブーストを掛けるキャラはいますが、全体からすればごく一部です。
しかし普通にシリーズをプレイしてきた人なら、志津香とナギが同時出撃で合体技とか、フレイアとかなみで前者がパワーアップして後者がダウンとか、色々試してみたいじゃないですか。

なお、2部では人数が極端に減ることにより、勢力というより実質個人に成り下がります。はあ・・・このシステムは・・・





■裸キャラ

いらないです(断言)
使い込んだキャラと同じ★なので能力底上げにはいいのですが、似たような能力の上に普通のカードに肌色が混じってると違和感半端ないです。味方ユニットもばんばん死んでくような人類滅亡の瀬戸際なのに、裸立ち絵で戦闘したいとか思いません。

そういうランス的なゆるい空気はちょこちょこシーンで挟まれるからそれだけでいいんです。シリアスな戦闘部分にまで持ち込ませないで下さい。

また、単純にカード枚数としても水増しされるため、宝箱でこれを出すくらいなら他キャラのカード出せとしか思わないです。せめて同名キャラの別カードにして欲しい。つかコレクションとかアイテム枠とかじゃ駄目なんですかね…本作の仕様が雑だなあと感じる一因です。





■重ねシステム

いらん(断言)
主要カードは重ねるほど枚数が出ませんし、これ活きるのってクリア後のアフターでしょう?

仮に現状で重ね枚数が引き継げたとしても、やはりまったく要らないです。そもそも主要カードは滅多に重ならない上に、仮に重なっていてもその時点で引いてないカードがあればそちらを拾うので。

本来なら、各周回でそのカードを引いた時点で枚数が記録され、通算の枚数で強化される、こうでしょう。これなら無味乾燥な周回ゲーでも、先に進める原動力の一部足り得ます。

10枚重ねて+100%だとヌルゲー化する恐れはありますが、そもそも10枚重ねた時点で10周以上はしてるでしょうから、ヌルくなって問題があるとも思えませんし、CP的にも重ね以前に余裕があります。

仮にそれでもバランスが崩れるようなら、重ねやすさの代わりにボーナスを下げたっていいんです。それでも重ねが空気化している現状よりは余程いい。

本当になんでこんなくだらないもの作ったんですかね?邪魔なシステムじゃなきゃ別にあってもいいか、って感覚なんでしょうか…?むしろ重ねがあるせいでダブリカードも宝箱から出てくるため、害悪以外の何物でもないと思いますが





■過剰に求められるセーブ&ロード

いつかTADA氏のコメント?(記憶が曖昧)を見て感じたんですが、ユーザーに制限をかけることでゲームを作ろうとするの止めてくれませんか?

旧作でも行動回数に制限があって・・・というのはかなり多かったのですが、あれらは不便な方向でありつつも、主力キャラの使い所を考える必要があったり、また二軍キャラにも出番を与えて多くのキャラを使わせるという上手い側面も有りました。


では本作は?

初トドメ50%ボーナスを使ってもドロップしなければ、ほとんどの人はロードしてやりなおすでしょう。難易度はシビアですし、そもそもそうしないと戦力がいつまで経っても増えませんから当然です。通常のRPGのレアドロップ狙いでのリセットとはまったく話が異なります。

またボス戦でも同様に、序盤のダウン攻撃、中盤以降の敵のヒーリングがどの程度出るか、もしくはそれを手裏剣で潰せるか否かでロードが必要になってきます。端的に運ゲーです。


本来得られて当然のものまでS&Lさせることで、どこの誰が得をしますか?
――次作買う人減りますよ

もしかして普段使わないキャラにも無理やり戦闘させたかったんですか??
――だとしたら全く使ってないので大失敗ですが

ドロップは弱点突いた等、特定条件を満たしたらとかでは駄目だったんですか?
――絶対そんな仕様にはしないでしょうけど

手裏剣の対象もランダム位置じゃなく、特定の順番や特定の行動が対象じゃ駄目だったんですか?
――そういう方向でキャラを使い分けさせればいいのに

というかこれ考えた人馬鹿じゃないんですか?
――失礼な話ですが、そうとしか思えません





【1部まとめ】
シナリオ文句なし、システム文句しかなし。発売直後にプレイした時も2019現在もここは変わらないですね。ただ後に続く2部と比較するとこれでもマシと言えてしまう所がなんとも悲しいところです。








-------------------------注意 以下は2部全般について微に入り細に渡り酷評します-------------------------



good

■いいところ・・・? ねぇよ、そんなもん(伊武剣輔並感)

・・・と言いたいところですが、シィルちゃんが出てくるところだけは流石にちょっと感慨深いものが有りました。が、2部やってて楽しかったのはその数十秒だけです。後は全部ゴミ





bad

■突然の二人称


あなたはゆっくりと体を起こした。
まだ頭はボーッとしている。




…は?
アクの強いランスから、名前変更可の無口(そりゃそうか)二人称視点で物語が始まり、違和感しかないです。そしてそれは最後まで続けられますが、これがまったく微塵も面白くないです。

システム上、理由があってそうなっていることはわかります。ただ、繰り返しますが「まったくこれっぽっちも」面白くないです。感情移入もまったく出来ません。

1部のシナリオは文体や描写もこなれていて、何ら不満も問題もないところから突然のコレ。この時点で早くも2部に対する期待が1/3くらいは消えました。





■長田くん

突然出てきたぽっと出のハニーが相棒に。

いやまあ理由はわかりますよ、狂言回しでしょ? 主人公が無口で話を揺さぶれないから、無理矢理にでも道化を作る必要があった、うん、それは理解はできます。

でも1部をランス始めいい意味で見慣れた重要キャラでやってきたところを、いきなり無口あなた&ハニーに交代して続き読みたいと思えますか? 最初からこれだったり、伏線があったならいざ知らず、ランス主人公の後にこれじゃあ落差がありすぎて話にもなりません。

長田くんそのものはよく割れる瀬戸物として決して嫌いではない、というか好きですが、他に役割のない単なる狂言回しを2部冒頭から最後まで引っ張るのは、はっきりいって物語の筋としては落第と言わざるを得ません。


手抜き度1






■カスドロップ

ドロップ品の内容が救いようがないです。

1部では程度の差こそあれ、どのアイテムも単一のユニットと比較してもどちらを取るか悩ましい程度の性能は有りました。が、2部のアイテム群はHP+80等のゴミそのもので、1部の序盤だったとしても絶対選ばないようなものばかりです。しかしこのゴミ、2部のキャラ数も相まって序盤中盤終盤と、しつこいくらいに顔を出します。

なお、終盤手に入るアイテムはHP/AT共に4000程度上昇します。なお、リックの愛剣バイ・ロードはAT80です、はい。


手抜き度8
★★★★★★★★





■手抜き以外の何物でもないキャラ数

1部のそれと比べて少なすぎて草生えます。あまりにも少なすぎて

「これ、同人ゲームだっけ?」

と疑うレベルです。私のクリア直前のデータですとカード総数128枚ですが、純粋にキャラ数に直せばわずか「23枚」です。つまり23人しか出てきていません。

そしてその23人の内、カードが複数枚あるキャラは


・まったく同じ外見で
・レベルは大抵10刻みで(1枚だけ+100~くらいですが)


という、非常に手の込んだ、大変素晴らしい仕様となっております。

…これ作った奴も絶賛してる奴も馬鹿だろ?

ついでと言えばついでですが、キャラ数が少ないということは初トドメからのドロップも同様に渋いということです。ま、前述した通り中身もクソなので狙う意味も見た限り無いんですが。



手抜き度10
★★★★★★★★★★





■キャラどころか立ち絵も少ない

いちいち調べるのも面倒なので記憶からの概算ですが。
前項で挙げたカード化されている以外だと、2部専用の立ち絵があったのは10人~程度じゃないでしょうか。くだらなすぎて思い出すのも面倒なレベルですね。

とにかく世界が狭く、限られたキャラだけで話が進むため、1部で培われた悲壮感や絶望感はまったく無く、子どもたちによるおままごとにしか見えません。(おままごとというのは物語の本質としては正しいのかもしれませんが)

そのくせ、これっぽっちも必要性の感じられない&出番も無い松下姫やら元山賊やらは序盤から加入します。こいつら本当に必要性も見せ場もない端役なので、

「手抜きした2部が子供だけだと文句出そうだから、少しだけ他も出しとくか」

という邪推しかできません。どう頑張っても他の理由が思いつかないのです。だってこんなの出すなら代わりに1部の別キャラ出すべきですし、もし出すならそれだけかよって言われるでしょうしね。



ちなみに経年で立ち絵の変化しないカラー組は何人も出てきます、どうしてでしょうね? 新しい立ち絵書かなくてもいいからでしょ? あ、松下姫も使いまわしですね。もしかしてリセットも同じ理由なんじゃないの・・・とまでは思いませんが、そう言われても仕方ない水準です。

…どこかで見た擁護として、1部の膨大なキャラを2部でまた書き下ろすのは無理だ、というのは見ました。まあそれはその通りでしょうが、その場合捌ききれないような数が必要なシナリオである事自体がおかしいのです。キャパを越えるものは作れませんし、そもそも作ろうとしてはいけません。

もっとも2部にそんなキャパは欠片も感じませんでしたが。


手抜き度9
★★★★★★★★★





■AP回復量

2部ではAPがデフォで毎ターン3回復します。

…は? 1部では2だったのがなんで2部ではいきなり+1されてんの? 回復量そのままでもスキルの必要AP調整すればそれですむでしょ? それをしなかったのは・・・つまりそういうことですね?


手抜き度4
★★★★





■信じて送り出したうちの魔人が

1部では人類では手の出しようがない暴虐の象徴として頑張っていた魔人さんですが、2部では弱すぎて緊張感皆無です。一山いくらの果物みたいなもんです。

上の方で書いた通り、2部が冒頭からあまりにつまらなかったので、ドロップ吟味やカード選択等、かなり投げやりにプレイしていたのですが、記憶の中でまともに負けたのが某雷の魔人だけです。

序盤はカードプールの狭さから多少もたつくこともありますが、中盤以降はなろう系(嘲笑)がいますので、苦戦する要素もないです。これ1部とは比較にならないほどのクソゲーやな? レッドアイ返せよ

なお、日光やカオスも出てきますが、そもそも主人公がそれを使って魔人に抗うような場面は無く、また使ったようなスキルもありません。あくまで無敵結界を壊すだけのかんたんなお仕事です。そもそもシナリオ上は日光の方がカオスより使っているように感じますが、カオスは主人公所属であり、日光は神魔所属のままです。また、ダークランスがカオスを持つ場面がありますが、当然のように無敵結界は消せません。ほんとやる気ねえな、この○○メーカー・・・




手抜き度9
★★★★★★★★★





■大胆な戦闘の省略は手抜きの特権

もうゲーム作る気すらないのが丸わかりですね・・・

終盤から(だった気がしますが)マップの敵ユニットに接触しても、「戦闘した」みたいなメッセージと少々のダメージを受けるだけで戦闘が起こりません。(某メイドさんみたいなスキルは無いはず・・・)

もちろん、ここに来るまでに2部の評価は地に落ちきっていますので、個人的には面倒が省けて「やったぜ」という感じではあったのですが。…だったらそもそも配置すんなよ、プレイヤー舐めてんのかと


手抜き度10
★★★★★★★★★★





■‥‥魔王は強い‥‥まだ勝てない‥‥

適当過ぎる修行。

才能限界が無いとはいえ、ちょっと冒険しただけで世界最強になり、ちょっと修行しただけでレベルが+100以上されるなろう系の鑑・・・はーつっかえ

シナリオや設定上でのレベルがどうであろうが、プレイヤー目線でのレベルはどうやったって★でしかないんですよ。それをちょっと修行したらLV250、しかも1部で活躍したエース級の面々はロートル扱い、なんなんです、これ? (しかもこいつらのこの時点での★は40程度)

こんなのは謀略でも策略でも、何ならその場の勢いまで使って敵を倒してきた1部のシナリオにも、それをプレイしたユーザーにも失礼です。AL大魔法とヒーリングを交互にポチポチしてるだけで倒せるような敵出さないでください。そんなの出すくらいならRPG部分なんか作らないでいいです。


手抜き度8
★★★★★★★★





■マリア

1部から2部への開放フラグ条件

これは手抜きというよりは単なる疑問に近いんですが、この展開って必要でしたか?

1部だけで見ればダークランスとマリアの絡みは悪く有りませんでしたし、それを2部に繋げても良いと思います。思いますが、2部でのマリアって「出番はあった」ってレベルではっきりいって何もしていませんが。いなくても何も変わらない。賑やかしにすらなってない。

フラグにしたのであれば完全な手抜きに感じますし、そうでないならわざわざこの程度のために出したのかと思いますし、何にしても2部については全く面白みがなく、意図も感じませんね


手抜き度2
★★





■友情システム

1部の食券に該当するものですが、主に2つの点で気に入らないシステム。

まず単純に短く、面白みが無いです。食券はどのキャラも比較的読み応えがあるように感じましたが、友情については「あっそう・・・」という程度で何も記憶に残ってません。


次に、友情の決定画面を見るたび感じるんですが、キャラ少ねえなあ・・・と。

画面起動するのも億劫なんで誤差はあるかもしれませんが、各子供+脇役二人くらいが対象全員です。モブ兵士を除いたかなりの数が対象となった1部に比べて、寂しいどころの話じゃありません。

この画面を見るたび、食券(のランダム)ってクソだったんだなあとも、1部ってマシだったんだなあとも、とにかくなんとも複雑な気持ちになります。


手抜き度1






■リセットちゃんの負けイベント

なんでもありでグロカード入れてきたりと、なんか無駄なところでは頑張りますよね、この人達。描写も生々しいし、でも仲間は何も手を出さなかったりと意味不明なところはありますが。

でもここは手を抜いてくれたほうが良かったんじゃないですかね?


手抜き度0





■運命の女達

要はランスと子供を作れる女のことですが・・・ぶっちゃけたいして必要なかったのでは?

各国+法王があればシナリオ的には必要条件を満たしており、少なくともかなみ、てる、ミラクル等々の子供は特にシナリオ上の見せ場もなく、チルディに至っては一瞬登場するのみ。これも捌ききれなかったんでしょ、としか思えないです。2部はとにかく細部に渡って「もっと煮詰められたでしょ」という箇所が目につく、酷い有様ですね。

ランス世界の設定自体は逆にちょっとおかしいだろというレベルで作り込まれているので、特に残念な点が目立ちます。


手抜き度5
★★★★★





■魔人DD&勇者

存在感が無いです。なんのために生まれてなんのために死んだの?

1部での魔人は良くも悪くも暴れたり、仲間になったりと活躍の場がありました。アリオスは恐らくプレイヤーには嫌われるでしょうが、少なくとも物語上の駒としては非常に頑張っており、記憶に残る存在でした。だのに2部のこいつらと来たら・・・苦戦もしないし、特にやることもない、単なる敵。

なんというか目的や世界観を伴わないスライムのような、2部のつまらなさを象徴・凝縮した存在のように感じます。


手抜き度3
★★★





■カカカ、カミーラさん

同じく存在意義が無いです。

1部で出番あるかと思わせておいてフラグ要因にしかならず、2部でもチラっと顔だけは見せながらやはり何もなし。リセットとの絡みは自然に作れるんだから、嫌々でもなんでも絶対命令権使って外に出して、少しでも話膨らませろよ、ここはいくらなんでもライターが無関心すぎる。そうでなければやる気がない、どっちにしても救いようがないですよ、ここ。


手抜き度9
★★★★★★★★★










【2部まとめ】
とにかく酷い、酷すぎる。

キャラクター描写は全く手間がかからない省エネ設計、シナリオはおままごとレベル、ゲーム性に関しては1部とすら比較にならず、最初から最後まで評価する要素が全く無い。

追記前(1部Aエンドのみプレイ)では30点を付けましたが、2部は存在そのものが0どころかマイナスです。こんな汚物に比べれば不満たらたらの1部は相対的には超名作ですよ、本当に。少なくともいい部分は確実にありましたから。

正直、こんな同人レベルの2部を付けるくらいなら、いっそ1部で作品を締めて「お、分割か? おいおいファルコムの真似かよ」とか煽らせてからキレイに手のひら返しをさせてほしかったです。

システムクソ、シナリオクソ、手もかかってない上にエロも無い。エルフが無くなったのは記憶に新しいですが、この分じゃアリスもどうなるかわかったものではありませんね。昔を知る側としてはなんとも悲しいことではありますが。