敵は多いな滝……いや…大したことはないか。…今夜は俺とお前でダブルライダーだからな
■はじめに
最低限――本当に最低限だけどかろうじて見栄えのするなんちゃって魔法バトルと、どみるの良質なキャラクターから生み出される濃いエロシーンが本作の最大の魅力。何が突出してるわけでもないが、どこかブサイクだけど愛嬌があるというか、知り合い感のあるAVというか、こう気持ち的に絶妙なところを付いてきている。
今ならアニバーサリーもあるし着衣好きの人は皆やろうぜ!
各キャラ・ルートについて
■春姫
シナリオと設定を鑑みれば多分メイン――ではあるのだが、埋めた伏線を演出に繋げられてない感が非常に強いのが惜しい。
・秘宝を狙う賊に対して学生が最前線且つ(ほぼ)単独で対応するという世界の狭さ
侵入者の察知により春姫は警戒を始めるのだが、秘宝の管理者である教師の唯一の直弟子とはいえ、10年前に予言され子供を手放すほどに警戒された事態を学生メインでしかも単独対応させるという世界観の狭さが酷い。他の教師は?学園の責任者は?予言した人は?それを聞いた人は?卒業生は?敵の宗家は?行政は?魔法のコミュニティは?説得は?力づくは?
事態を打開するためのあらゆる試行、努力や手段が最初から放棄されており、プレイヤー視点での危機感がまったくない。それにいざ危機になれば閃の軌跡よろしく鈴莉先生助けに来てくれるし(白目)
一方、当の犯人である伊吹は伊吹で正体を隠そうともしない上に、面が割れた後でも構わず登校している。この世界にはおよそルールや犯罪という概念がないらしい。まあ人を害せしむる魔法がところかまわずぶっ放されてもお咎めがない世界だから当然かも知れないが
・学園始まって以来の才媛
なんだが、それを発揮できる機会が非常に少ない、というかほぼ無い。
主な対戦相手が魔法界隈の超名門の跡取りとそのお供であることに加えて、そもそも優秀さを示すための比較対象がいないので春姫への賛辞がとにかく虚しく響く。
まあお供相手なら1対2でもそれなりに抵抗できていたりはするのだが、如何せん決め手がないのでなんともかんとも。唯一、自身や春姫に対する劣等感がメインになる杏璃ルートにおいては(その舞台装置としてとは言え)その才能は遺憾なく発揮・強調されている。これが本人のルートで出来てればね?
ただ後述する幼稚園児以下の挑発耐性を持つアホが学年次席じゃあどのみち春姫の優秀性を示すのは難しかったかもしれん。これも前述の世界の狭さが原因か
まあHシーンに限ってみればどちゃくそエロいので、どみる始まって以来の才媛と言われても吝かではない。
・主人公との伏線・動線が弱い
春姫は主人公が魔法を始めたきっかけであり初恋の相手なのだが、その開示方法がさあ・・・
(伊吹)春姫が鈴莉の子ですね?だから私はあなたを倒します
↓
(春姫)いいえ、私は先生の娘では有りません
↓
(鈴莉)はい、春姫は違います。雄真くんが私の息子です
↓
(全員)!!??????
ザ・茶番。
結構な数の脚本を読んできたつもりで入るが、設定上のネタバレ2つを一緒に済ませて、かつ両方を台無しにしたような作品はついぞ記憶にない。
春姫にとって初恋の相手というのは大事な大事な、恐らく彼女のルートでもっとも大事(下手したら作品で一番大事)な見せ場であったというのにそれをさらりと、しかも当人でなく母親の方からされるという肩すかしっぷり。いやそうじゃないでしょ、と。
春姫を窮地に追い込んで、雄真は躊躇いつつも春姫を救うために魔法を使う――素人でも考えつくじゃん、この程度の美味しい演出。雄真に単に魔法を辞めさせるだけじゃなくて、もっと苦手意識をもたせるようなエピソードを用意して、それでも魔法に関わる、助けるために踏み込んで魔法を使う、としておけば単純とは言え盛り上がるじゃん。
ルートによってはとってつけたような笛を使わせたりはしてるけど、こと魔法についてはほぼほぼその設定を台無しにしているに等しい。
他の部分もそうだけど、どみるは真剣味を出す演出が致命的に下手で、かつその設定も下手くそすぎる。世界の針が優しい方に振れすぎていて、骨組み自体は決して悪くないのに肉付けでつまらないものにしてしまっている。
・Hシーン
本編、りらっくす共に着衣度が中々に高く、着衣フリークとしてはHDDに常駐させざるを得ない。
密着感が高いのも○
特にりらっくすの浴室下着バックずらしハメは、栄冠ナインで天才に奪三振とノビAと対ピンチAが一緒に付いたくらいには自分にどストライクであり、甲子園優勝ドラ1競合待ったなし。
シナリオの出来の割には本作の点数を押し上げた理由その1
■杏璃
ザ・ライバル――と言う割にはなんとも実力が不足しており、運転者適性診断でもやろうものなら事故多発者になりそうなほど考えなしに魔法をぶっ放す、本作のガイジ枠その1。こんなの野に放ったら魔法弾圧待ったなしですよ
設定とパラメータの上では春姫に完全敗北している杏璃だが、春姫の事件に首を突っ込んで鼻っ柱を折られて以降は中々に可愛く、実はシナリオとしても無難にまとまっている。他のレビューでも似たようなことを書いてきたが、キャラクターとして「欠損」があるキャラはシナリオに起伏を付けやすい関係で、話の質もそれなりの水準まで引き上げやすい。挫折→努力→復活のルートを(多少稚拙とは言え)無難に辿れるこのルートは、見ようによっては一番平均的でまともなルートかもしれない。
また、春姫や小雪ほど騒動の核心に位置していない関係で、春姫のところで挙げてきたシナリオの問題点からも遠ざかることが出来、結果として不満が少ない。
なおこのシナリオでは、後述するガイジその2がマジギレした場合鈴莉が対応するよう依頼されていた模様。
だったら最初からやれや
・Hシーン
CGとしては全キャラでもかなり好きな方なんだけど、残念無念。
着衣度がいまひとつでどれも普通のエロシーンでしかない(個人の感想です)
使用回数はすももと並んでダントツの最下位。やっぱ魔法上手いやつは相応にエロいんやなって
■小雪
多分シナリオが一番まともな(に見える)ルート。あといちばんエッチなルート
物語の核心に迫るシーンが多い都合上、春姫よりも有能さをアピールするチャンスに格段に恵まれている・・・のだが春姫の部分で挙げた努力の放棄が同じくらい酷いのもこのルートではある。
小雪が伊吹の姉との約束を守るため、伊吹に秘宝奪取を思いとどまらせようとして個人で動くのは理解できる、できるが、同じように動いている鈴莉や春姫と連携できていないのは流石にないでしょ。
秘宝を使われたらもうその社は終わり――じゃなくてほぼ確定で死ぬのがわかっているならそれを防ぐために動くのが最優先なのは確定的に明らかで、ひとつ上の世代、つまり10年前に今日の事態を預言した小雪の母親と、事情をすべて把握して子供を手放しまでした鈴莉が協力しないのは異常そのもの、まるでHHGの女神が作った手抜き世界のよう。協力する気が無いならそれは怠慢であり、協力するまでもないなら預言自体どうでもよいもの、ということになる、全てがおかしい。はぴねすの全シーンを通して感じるこの消化不良感は、シナリオをどう解釈してもこの怠慢か軽視に繋がってしまうことに起因する。
例えば伊吹の行動が式守家においてその立場を悪化させる要因となっていて(むしろなんでならないかが不思議なんだが)、小雪が協力を求めれば事態が表沙汰になり、結果として伊吹姉との約束が果たせなくなってしまう、というような弁明と言うか流れでもあれば説得力は増しただろうし、シナリオも格段に締まったように思う。
もしくは伊吹にもっと合理的に秘宝が必要な理由をもたせて、それを知っている小雪が事態の積極的な解決を躊躇う、という形でも良い。
この辺りのふわふわ感は某ゲームの主人公が命を狙われるときでも平然と登校したり、自分の身も守れないのにセイバーは女の子だから云々とか吐かしてたのと似たような不快感を感じる。
・恋心と恋敵
春姫が小雪に恋心を自覚させるシーンは中々に素晴らしいのだが、雄真が初恋の相手であることを春姫が知った上でそれを涙ながらにでもやらせればもっと良かった。こういう細かいところでキャラクターへの愛着は決まると思っている。
・Hシーン
爆発力(何が?)では春姫に一歩劣るものの、裸エプバックや対面座位、王道にして至高である下着ずらしなど中々に心得てらっしゃるシーンが多く、僅差での二位は固い(だから何が?)
りらっくすは温泉で非着衣だが、お風呂バック+連戦精液溢れで25%くらいは補正が掛かるのでやはり素晴らしい。
ただし絶対に許せない点がひとつあって、Hシーンで画像の下部が見切れており、少なくともシーン中には(多分)どうやっても見えないものがある。回想シーンでは上下左右にスライドが出来るが、お手つきできないHシーンなんぞむしろ存在しないほうがマシまである。
■すもも
悪い子じゃない、悪い子じゃないんだが攻略対象としてはぶっちゃけいらんよね
はぴねす世界において魔法が使えない=シナリオに絡めない=不要という残酷な等式が成り立つので、申し訳ないが語ることがない。ラストの伊吹の説得にしてもかなりのご都合感を感じる。
こんなルート作るくらいなら主人公が捨てた魔法の力がすももに宿ってました!くらいやっても良かったんちゃうの。
もしくは主人公になんかのきっかけで魔法を使えるようにして、すももが魔法使えるサイドの春姫達に嫉妬して闇落ちor秘宝の力で魔法開花みたいな流れでも良かった。少なくとも世間体や障害があるから妹が映えるわけでそれらの欠けた好感度マックスの同居人なんて・・・
・Hシーン
立ち絵のすももはあんま好みでない一方でCGの方は好き・・・なんだが、如何せんシーンの質が低い(個人の感ry
唯一教室での制服バックは使用に耐えうるものの、小さめの胸をガラスに押し付けて潰してほしかったこと、下着を腿まで下ろしてしまっていることから選外となった。あ、後ガラスに飛び散る精液も上からじゃなくて股の方からある程度一箇所にビュビュっと行って欲しかった(こだわり)
それにもっと言ってしまえばはぴねす起動するなら大抵は春姫か小雪、そうじゃなければ沙耶を使うのでそのハードルを越えられないという悲しさがある。
■伊吹
作中の問題の全てがこいつの愚かさから起こっている、本作最大最強のガイジ枠。
当主に逆らい、魔法使いのコミュニティ(且つ協力的な大手)と敵対し、一般人に危害を加え、(別の世界線とはいえ)校舎を破壊とやりたい放題。しかも興が削がれたとか余裕を見せては何度も撤退していく、行動全てがもはや救いようのない知的障害者のそれ。お前どの面下げて家帰るねん
分家の養子という設定は結構だが、秘宝が必要な理由というのが実用性でもなんでも無く子供じみた執念でしかないため、作中を通してこいつに感情移入することが不可能に近い。いっそ姉を生き返らせるとか、幼い頃に秘宝に悪影響を受けていたとかそれらしい理由をくっつけてくれればいくらでもマシになったのに。仮に事態収集してもこんな輩を次期当主にできるわけもなく、座敷牢で飼い殺すのが妥当なレベル、いやむしろ俺が飼う。でもガイジっぷりが解消されたりらっくすに限っては下手したら一番かわいい
・Hシーン
救いようのないシナリオ面から比べ、本編の方は着衣度はそこそこであり悪くない。
悪くないんだが身体的幼さをCGで上手く表現できておらず、ぶっちゃけ物足りない。
逆にりらっくすの方はその辺りのぷにぷに感は完璧なのだが、着衣度がゼロ、世の中ままならん
■沙耶
厳密にはメインじゃないんだろうけど・・・楚々としたキャラクターともまともな行動原理と人格を兼ね備えた良キャラ。主を慮りつつ、常識を保持し、しかし自らの出来ることは主に逆らう形であっても決として行うその有様はこのはぴねす世界では相対的には神であり、結果非常に魅力的に見える。
惜しむらくはその恋愛描写の杜撰さ。くっついて以降は素晴らしいがそれより以前の記憶がないレベル。とはいえ清楚だけど初だから頼めばなんでも出来そうなこう、なんというかあれな感じがあり、正直中々にそそる
・Hシーン
本編の薄手のキャミをしっかりと脱がさず、+貧乳気味で立ちバックを描ききったその気持を称賛したい。
これだよこれ、こういうのでいいんだよ
個人的にはほとんどのケースで中出し派ではあるものの、着衣+バックでは外出しをすることによってお洋服を内側から精液で汚すという非常に高難度のコンボが決められるため、春姫や小雪のいわば身体能力に飽かせたプレーの魅力とは異なり、職人が手をかけた陶器のような繊細なシーンが売り。
しいて欠点を上げればここを連戦にしてもっと洋服から液をたら~として欲しかったのと、キャラの立ち位置絵故にシーン数が少ないこと。
それから道具を使ったシーンはあまり好みでないが、沙耶に関しては伊吹とか信哉の前でローター使って体震えさせるのが見てみたい。
■システム
・E-mote
絶賛、まではしないけど演出としては非常に自然であり、どうやっても減点要素にはならないので高評価。
PC事自体の負荷らしい負荷もなさそう。
・レジストリ使用
これ、そろそろ辞めていただくわけには行きませんかね?
自分は気の向いた時にOSをクリーンインストールするようにしているが、この手のレジストリが無いと起動できないゲームはその都度再インストールを強要されるので不便極まりない。もう何回このゲームインストールしたか覚えてないよ・・・
windows10でセーブデータがRoaming以下のディレクトリに保存されるクソゴミ仕様も困ったものだが、流石に差インストールの手間に比べれば軽いわけで。無論、レジストリ不要になればそのままインストールしたディレクトリを使い回せてしまうのは理解は出来るのだが・・・
■まとめ
読ませる、点では後続のはぴねす2が明らかに勝るが、抜かせる、という点では圧倒的に初代が上。
まさに力の1号、技の2号、今夜は俺とお前でダブルライダーだ!