面白い物を求めていたのであれば満足。keyを求めていたのであれば不満が出るだろうと思います。この作品は安易な奇跡によって泣かせてくる物ではありません。既定路線からの脱却は吉と出るか凶と出るか
暴言を吐いているだけなのでご注意ください
keyと言えばご都合主義の奇跡に、さあ泣け!と言わんばかりに露骨な展開。これが自分の認識である。
安易とも取れる物ではあるが、keyはこの構成が他の企業と一線を画して上手かった。
よって泣きゲーメーカーとして地位を確立したわけではあるが、それをぶち壊しのが今作である。
そもそも今回は、田中ロミオと竜騎士という外部ライターを使っているので純粋なkey作品とは言えないのかも知れないがよく冒険した物である。
ここまでメーカーとしてのイメージが定着していた所からの脱却は普通は出来ない。なんせ同じような物を作ってりゃ売れるんですから。
なので自分としては「良くやった!」と褒めたい所ですが、世間はそうは思わないようです。
だーまえがどうのkeyならどうの固定観念に支配され、純粋にシナリオを見れない哀れな人が目立ちます。
そして一番驚くのが「シナリオが理解出来ない」といった人がかなり多いということです。
確かにロミオのシナリオは哲学的な要素や難解な言い回しを多用しますが、この作品に置いてはかなり自重していて通常に理解出来る範囲に
むしろ解説を多用しているくらいです。
シナリオを読み、そして親切にも補間してくれているメモリーを読んでもシナリオが理解出来ないという人がそこまでいることに驚きを隠せません。
このことからkeyの購入層が欲しているのは、家族、恋人、奇跡、死という単純な感動の記号であり、過程や考察など二の次なのでしょう。
きっとクラナドの幻想世界や光の玉などは彼らにとって不純物であり、まともに読んでいないことが推察されます。
keyの上手い所はそういった考察要素を含んでシナリオに厚みを持たせつつ、単純な読者にも分かり易い感動を用意したことです。
自分のようなシナリオ厨には考察させつつ、難解な部分などどうでもいい人が飛ばしても全く問題なく感動できるシナリオ。なるほどよく出来たシステムです。
そして露骨な泣き要素をなくした今作に置いてそれが浮き彫りになってしまったわけです。
それらの人がいう言葉は決まって「泣く要素がない」「バトルいらない」です。
露骨に泣く要素はありませんが、まともにシナリオ読んでればホロリとするシーンはいくつもありますし、バトルいらないとか言うのはもう失笑ものです。
2ndOP見ていればバトル要素があることくらい小学生でも分かります。しかし、彼らには情報を咀嚼する能力もなければ「買わない」という選択肢もない。
嫌なら買わなきゃいいという常識は通用しません。思考停止してkeyならバトルはおまけとでも思っていたのでしょうか?
と、まあそこらは置いといて本編の感想をしましょう。
世界観、構成、シナリオ、どれも圧倒的だと思います。各シナリオは綺麗にまとまっていたし面白かったと素直に思う。凄いとも思う。
ただ、改めて全てを回想すると若干の違和感がある。
その原因はライター同士の意思疎通が不十分な点にあると思います。
トノはロミオに良く合わせているが、リライト能力の解釈に大きな違いがあります。
竜騎士はもう合わせる気がないまである。せめて口調くらい統一しようぜ!
あまりにお粗末でちょっと浮いてるぜ!
このせいで全体的な調和が取れていなく、ストーリー全て終わった後に微妙な違和感が残るのだと思う
トノ√だと命とか関係なく無限に強くなれるって感じですし、ロミオ√だと無双感が薄れて強化ごとに命を使ってる悲壮感が目立ちます。竜はどうでもいいや。
ライターごとの持ち味を生かしたのかも知れませんが統一感を重視してもらいたかったですね。
環境問題についての話と言われていますが、自分はもっと単純に自立の話だと思ってます。
母親(地球)から子供(人間)が自立しないで資産(資源)を食い荒らしてパラサイトしているとリセット!
家を出て(惑星移動)暮らしていく意思を見せればおk
つまりリライトは環境問題のみならず、現代社会のニートへのアンチテーゼだったんだよ!
まあ、冗談は置いといて今後もkeyに期待できる出来でした。