絵17+文12+音18+他03 王道学園モノは良いのだけども、それだけになっちゃってる。「にぎやかで騒がしいラブハプニングの連続」とやらは、何かに似てるとかいった既視感すら浮かばないほどに予定調和の連続で、さすがにダレます。
*映像面・・・
原画は、aomiが遥夏と美咲、アルデヒドがミクと紗奈恵かな、と。
SD原画は、白須遙一。
モブキャラは、他の原画さんのようにも見えますが、はてさて。
エッチシーンでは、aomi原画が主人公視点多めで、いかにも重みや柔らかさを感じそ
うな肉感ある絵柄。
一方で、アルデヒド原画は第三者視点多めで、出るとこは出てるけど基本はスレンダ
ーといった感じの絵柄。
よくよく見ると、かなりタイプが分かれていたりしているのが面白いです。
塗りは比較的、質感を意識しており、抜きゲーというよりは萌えゲー気味な作品にし
ては、ちょっとクドさも感じるかも。
よりアニメ塗りに近い感じの、もう少し軽めの塗りで良かったんじゃないかと、個人
的には思ったりも。
*シナリオ・・・
一応、エロスケのデータの登録を信じるなら、同人サークル・きゃっとろーかすの神
無によるシナリオということらしいです。
プレイしてみた感じでは、確かにきゃっとろーかす作品のような毒のない、やや淡白
気味にも感じられる日常パート。
仲間だとか家族だとか、あまり重くさせ過ぎない範囲での、友人たちの絆めいた部分
を、さらりと描いて、少しだけホッコリさせてくれる辺りも、なるほど。
ただ、やはり、きゃっとろーかす作品にも言えることなのだけど、ちょーっと、盛り
上がりに欠けるシナリオ運び。
それに加え、「にぎやかで騒がしいラブハプニングの連続」と、OHPのストーリー紹
介に書かれているはずなのに、割りとエロゲではベタなハプニングを小出しに見せて
くるばかり。
ホント、特に目新しさもないハプニングなので、それなりにエロゲの本数を消化して
いるユーザーだと、類似イベントを見慣れすぎてて、
「あれ? どこにハプニングがあったの?」
などと、言い出しかねない。
いや、ホント、常態化しすぎたイベントばかりなのですよ。
個別ルート的には、紗奈恵ルートが若干ひねってあるようにも感じたけれど、プレイ
後に振り返ってみると、まあ、ツンデレお嬢様の社会勉強エピソードとか、それもよ
くある筋ではあるなぁと。
*音楽/声優・・・
ボイスキャストは、同人主体組と商業主体組とで、演技力の開きが感じられたという
のは弱み。
紗奈恵役の七海こねこは、序盤、特に棒読み感があったのだけど、まあ、そこはツン
デレお嬢様の対人スキルの低さとあいまって、折り合いをつけていた感もあったりし
て、プレイ中に慣れたけども。
逆に、民安ともえは、感情抑え気味な妹キャラだったせいか没個性的で、日常でもう
一つ光っていなくて、もどかしくも感じていたのだけど、やはりエロシーンでは語尾
のニュアンスだったり、きちんと味付けをしていて上手いなーと感じたり。
音楽については、Nasuno、吉田省吾、Penguin Studioといった名前が、クレジットに
上がっています。
OP曲の電波コーラスについては、なんとも言えないけれど、若干のキラキラ感のある
4つ打ちハウス風味なポップなBGMなどは耳障りよく好印象。
ただ、弦楽を入れたBGMなどもあって、それは曲としては良くとも、ゲームとしての
作風との違和感も感じたりもする部分もあり残念。
それぞれに同人活動などを行っている面々をピックアップして、まさに“積み木”の
ように積み上げた作品と言った感があり、作品としての完成度は、もうひとつ。
加えて、致命的なバグとは言えないが、誤字脱字や、コス差分・背景などのスクリプ
トの指定ミスなども散見される。
作品の完成度がいまひとつでも、せめてその辺りのミスが少なければ、丁寧に作って
あると好感も持てるのだがなぁ。