絵24+文25+音24+他05 本編を含め、この作品群の魅力は、気高くも鮮烈に、絶望へと宣戦布告を叩きつけるシーンであろう。そして、そこには必ず、主題歌「Soul Release」のPiano Ver.が添えられるのだ。
本編の補足的な作品で、FDというよりは当初予定したものの、ボリュームの都合やら
何やらで、止む無くカットした部分を改めて加えたかのような印象を受けました。
その為か、本編のストーリーを端折って追いかけている部分には、若干、違和感もあ
りましたが。
本編攻略時に、菱吾ルートを切望した私としては、大変に満足の行くストーリーでご
ざいました。
また、正直、あまり魅力を感じなかった美鳥についても、想像以上の出来栄えで、プ
レイし終えた現在、その余韻に浸っております。
もっとも、彼女は本編では早々に退場してしまう不遇な娘なので、その魅力を感じ取
るべきシーンの少なさも手伝っていたのでしょうが。
そして、本来であれば、本編の朔ルートでこそ、成田くんのハローの真髄を発揮して
欲しかった気もしないでもないですが、まるで美鳥がセンターヒロインかと思わせる
展開に、少し驚きました。
エロが各一回と少ないのは不満要素ではありますが、実は菱吾とは過去に交渉があっ
たことが仄めかされます。
きっと、その時は愛を交わし合うようなものではなく、彼女の言葉を借りるなら、今
よりも人間になりきれていない菱吾が抱いた、まだ自覚のない幼い恋心のような、青
く甘酸っぱい過去の香りがプンプンと漂う行為だったのでしょうね。
などと、夢想することで、今目の前で愛を交わし合う菱吾たん、ちょー可愛いとなっ
てしまう。
シーンとして描かず仄めかすことで、過去の想い出を言外に描いた、名シーンであり
ました。
そして、本作品でも、やはり、「Soul Release」のPiano Ver.が流れるシーンの、圧
倒的な強度に震えました。
それらの多くが、絶望的とも言える状況に立ち向かう意志表明とでも言えるシーンで
あり、私的に、絶望への宣戦布告とでも呼ぶべきシーンであろうと思っています。
本編・本作を通して、語り尽くされていないというよりは、もっと掘り下げて描くだ
けの余白を残した作品世界であるように思え、その部分が勿体なく感じるという一面
もあるにはあるのですが、一応の完結を見た今、改めてプレイして良かったと思える
作品でした。
そういえば、本作では、成田くんがやや大人しめだったので、替わりに豊満(おっぱ
いマウスパッド)をもみもみしながら、叫んでおきましょう。
「おお! ハレルヤ!」