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えびさんのPURE×LOVER -姉と幼なじみとHなカンケイ-の長文感想

ユーザー
えび
ゲーム
PURE×LOVER -姉と幼なじみとHなカンケイ-
ブランド
Xiguratt Works
得点
42
参照数
1216

一言コメント

(GiveUp) 絵15+文07+音15+他05 主人公の名前が変更可能だがボイスの該当箇所は『謎の間』で処理していたり、セーブスロット10個、クリック時のボイス継続無しなど、十年は古い。キャラデザからして既に微妙に懐かしいような古めかしさもあるが、調教システム自体にも目新しさがない。主にバグが取りざたされているようだが、本質的に面白みがなくストレスフルな作業ゲーに仕上げてしまったこと自体が最大のボーンヘッド。

長文感想

*映像面・・・
火炎味噌による原画。
正直なところ、悪くはないとは思えるのだが、ややキャラデザインが古めかしい。
加えて、構図が単調で、差分表現だけにして一枚の絵に纏められたんじゃないかと思
えるような絵が数点あった。
また、構図という面で言えば、教室の窓に女の子が足を掛けてのM字開脚オナニーな
どは、キャラにズームしすぎていて、どういう状況なのか判り辛かった。

塗り自体もシンプルで嫌味な感じはないのだが淡白。
全体的に古めかしさを感じた背景の一つに、この塗りの影響もあったように感じる。


*シナリオ・・・
ゲーム直後から、姉の入浴シーンを覗き見しては、脱衣カゴから使用済みパンティを
拝借するという、欲望に素直過ぎる変態主人公に、『青春の苦さ』ってなんだろうな
どと、軽い酩酊と笑いを味わえる。

あれよあれよと、姉とセックス。
どれよどれよと、幼馴染みの武士っ娘とセックス。
あのねほらねと、幼馴染みとそのママンが同居人になり。
えーとえーと、調教パートへ……

プレイ時間にして僅か十数分の導入が物語のピークで、その導入部分が終わったら、
作業ゲーとも言える調教パートがひたすら延々と繰り返される。
主人公の体力を消費し、ヒロインとの恋愛値と快感度を上げていくだけの、簡単なお
仕事。
恋愛値は恋愛レベルの経験値的な扱いで、恋愛値100毎に恋愛レベルがアップする。
すると、それまで嫌がっていたアナルプレイや羞恥プレイに、ヒロインが応じてくれ
たり、ヒロインのリアクションが変化していく。
更に、恋愛レベルが低くても快感度を上げていると、一部の高難度のプレイが一時的
に開放されるようであり、また快感度は30を超えると本番コマンドが選択可能になる
という仕様。
なお、快感度は毎日リセット(前回値の一割程度を引き継ぎ?)される。

ただ、実のところ基礎コマンドである『胸愛撫』をひたすら繰り返していれば、攻略
出来てしまうというような雑な仕様になっている。
恋愛レベルが3になったら、コマンド『露出オナニー』が、コストパフォーマンスに
秀でているだろう。
ひたすら露出オナニーをさせる作業ゲーを楽しめるぞ。

ちなみに、一ヒロイン攻略するのに、全ての未読/既読文章をスキップをしても一時
間程度はかかるので、覚悟が必要だ。


*音楽/声優・・・
音楽はayato sound create。
近作ではディーゼルマインの『犯され勇者V』のサウンドも手がけている。
このサウンドメーカーの特色として、一部のトラックを片チャンにパンした曲作りを
している。
例えば鬱蒼と茂った森の中などで、タムを左に、管楽器を右になど、空間の広がりを
感じさせるようなファンタジックなシーンにおける楽曲であれば、そういった方法も
面白いかもしれない。(例:BGM『世界/犯され勇者V』より)
ただ今回の場合、タイトルバックという空間の情景も何もない場面で使われる曲で、
オルガンのコードが左で、ピアノの旋律が右という構成は、実に不可解。
最初、アンプの不調を疑い、次いでサウンドカードを疑い、最後には自分の耳がおか
しくなったのかと困惑した。

声優陣は卒がない。
しかし、一言感想でも述べたように、主人公の名前を変更できる為、そこは以下のよ
うな処理をしている。
テキスト「克己くんがエッチなゲームをやって、~」
音声「・・・がエッチなゲームをやって、~」

「君」だとか「アイツ」だとか「弟君」だとか、人称代名詞に置き換える方法も、よ
く使われる手法だとは思うのだが、なぜ、名前だけを発音させないことにしたのか、
やや理解に苦しむ。
上の場合で言えば、むしろ、「が」という助詞もミュートさせれば良かったろうに。
助詞から始まるセリフには、声優陣も苦労されたことだろう。

仮に、声優陣のそういった苦労を考慮し、収録時は名前を入れて録音し、音声の切り
出し時に名前部分をカットしたのなら、その手間自体が無駄だったとしか言えない。