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えびさんのRe;Lord ~ヘルフォルトの魔女とぬいぐるみ~の長文感想

ユーザー
えび
ゲーム
Re;Lord ~ヘルフォルトの魔女とぬいぐるみ~
ブランド
Escu:de
得点
73
参照数
660

一言コメント

絵20+文21+音21+他11 続編に期待はできるものの、ややコスパ悪いか。

長文感想

*映像面・・・
脱衣ゲーで絵柄が残念というのは、流石にNGだろうけれど、そういった心配は無用。
水鼠による原画が、とても綺麗でエロすぎないセクシーさが感じられ魅力的です。
ゲームパートのSDやフィールドデザインも安定しており、この辺りは、さすが、ゲー
ム性を捨てずに生き残っている数少ない古参ブランド。

ただ、どうしても一枚絵の枚数不足は気になります。
エッチシーン4つを含む16枚と、バトル用全身絵4枚。
バトル用全身絵は、脱衣差分が大量にあるとはいえ、ミドルプライス帯とロープライ
ス帯の境界線辺りの価格からすると、物足りません。

そもそも続編ありきで作られている分、ゲームパート自体も短めな印象。
敵対する魔女の数からすれば、最低でも残り2本は予定されているだろう事を考える
と、正直な処、次回以降はアペンドディスク形式で価格を抑えるか、ゲームシステム
の追加要素がなければ辛いところです。

と、映像の部分から逸れてしまいましたが、映像は目に見えてボリュームや買い得感
が判りやすい付加価値の部分ですので、もう少しテコ入れして欲しかったな、と。


*シナリオ・・・
シナリオは、『古色迷宮輪舞曲(yatagarasu/2012)』で一躍有名になった西村悠一
で、ややぶっ飛んだ主人公ヴィルフリートとクールなリアの取り合わせは、氏の過去
作品である『テンタクルロード(yatagarasu/2011)』を思い出させます。
世界観設定も『テンタクルロード』同様に、ファンタジー色の異世界モノ。
また、『古色迷宮輪舞曲』のリエーブルマン男爵のように、ぬいぐるみが喋り出るセ
リフ回しも、氏のシナリオらしいと思える部分で楽しめました。

連作形式の作品のため、伏線は沢山ありそうな雰囲気ですが、それらのヒントらしき
ものも、まだ、ほぼ公開されていない状態で

次回Re;Lord「ケルンの魔女と黒猫」見てください!

な、幕引き。
これで、続編まで一年待たされたら生殺しもいいところです。

正直なところ、シナリオの良し悪しを判断できるほどの物量が無かったり、まだまだ
伏線を蜘蛛の糸のように張り巡らせているところでしょうから、まっとうな評価など
しようもないのですが、西村悠一というネームバリューを信じて、次作を待ちたいで
す。


*音楽/声優・・・
楽曲はStudio PrimitiveのTOYということで、エスクード作品ではお馴染みなサウン
ドメーカー。
安心して聴ける、いかにもファンタジーな世界観にマッチした幻想曲で彩られていま
す。
いえ、エスクード的には幻奏曲でしょうか。


声優陣も西村悠一がyatagarasuでシナリオを書いた作品と似たメンバーになっていま
す。
先述の『古色迷宮輪舞曲』で、主人公行人を演じた古河徹人が本作でも主人公ヴィル
フリートを演じたり、リエーブルマン男爵を演じた越雪光が執事のルーカスを演じた
りしています。
女性陣も、秋野花や上田朱音、白月かなめなど過去作品での出演歴があります。

もちろん、それらは特に意図的にマッチングさせる必要もないことなので、偶然の一
致なのでしょうが、同じライターが描いた違うキャラを、その声優がどう演じ分ける
かというのは、興味を惹かれる部分。

特に、秋野花は、あまりイメージにない知的クールキャラの演技となっており、キャ
ストコメントで、自ら珍しいキャラと言っています。
そして、そう言っている声が、見事にほわほわの可愛らしいボイスである為、ギャッ
プに萌えつつ、「あぁ、それはこの人にクールキャラのボイスの依頼とか思いつかな
いよなぁ」と、謎の説得力があります。


*ゲームパート・・・
まあ、体験版で体感するのが一番でしょう。
シンプルなマウスアクションによるゲームで、そこそこ楽しめました。

しかし、若干、ガンシューや音ゲー的な、反射神経&動体視力ゲーになっており、も
う少し、プリっち的な相克とかのパズル的な要素があると、難易度も上がるのでしょ
うが、もっと面白くなるような気がします。