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えびさんのラブリレーションの長文感想

ユーザー
えび
ゲーム
ラブリレーション
ブランド
I.D.
得点
53
参照数
3004

一言コメント

絵22+文11+音15+他05 恋の話も。エロの話も。

長文感想

大きな期待はしておりませんでした。
けれど、ここまで煮え切らない出来とは……

前作『恋の話と』の花シナリオは、他のヒロインと比べてもエロ方面に注力した内容
でしたが、今回は、よりそちらの方向へシフトした作品と成っています。

『恋』から『ラブ』への転換は、まさにそういう意味合いが含まれており、また、特
に『ラブリレーション(愛の関係)』とした辺りに、愛に纏わる心と体の結び付きを
強く意識していることが伺えます。

ただ、これが『ラブコネクション(愛の接続)』でなかった辺りが、完全に抜きゲー
方面に突っ走りきれていない、お行儀の良さも感じてしまったり。

さて、プレイを開始すると、序盤から何やらハーレム的なモテモテ展開が始まり、そ
して、なんというご都合主義かと言いたくなるような展開で、あれよあれよとヒロイ
ン達三姉妹との同居生活が始まるという。
この時点で、一瞬、私が連想したのは『姉汁(アトリエかぐや)』という、2000時代
中期を代表するひとつの抜きゲーでした。

お色気たっぷりでエロエロな長女。
明るく爽やかエロな次女。
意地っ張りで子供っぽいツンデレ三女。

こんなヒロイン達と、一つ屋根の下。

これはハーレム展開があるのか? と誰もが思うに違いありません。
(いやぁ、あの頃のアトリエかぐやによる刷り込みは、未だ健在なようです。)

しかし、ハーレムどころか3Pすらほとんど無いではないか!

確かに、エッチ中に他のヒロインに見つかってドキッ! なイベントはいくつかあっ
てニマニマを誘ったりはしているのですが、基本的に選択肢で攻略キャラを追いかけ
ていけば個別ルート突入して、対象ヒロインとのラブイチャオンリーな展開。
そして、そのラブイチャもテンプレ気味の萌え要素を羅列されてばかりで、エッチシ
ーンの映像の綺麗さがなければ、まったく楽しめなかったと思います。

前作までは、まだ『お話』で見せようという意図は伝わってきましたし、もの足りな
くもありながら、ヒロインへの萌えだけはそこそこに感じられたのです。

けれど、『お話』としても『エロ』としても、どっちつかずな位置取りの作品に成っ
てしまったなぁ、と、残念でした。