絵22+文09+音17+他28 アニメーション含め、繊細とも言える演出強化を実装。一方で、とぼけたキャラのお兄ちゃんが漏らす、非リア脳のモノローグは健在。清濁併せ呑む臨場は、男の子心理の深淵を覗き見るかのような淡い痛みを伴う、高揚感となって迫ってくる。
(※ロープライス・同人を対象に、他の項目は、最低点をベースアップしています)
毎度おなじみ、ロープライス・ハイクオリティーアニメ―ションの限界!?シリーズ。
最新作は、妹ちゃんでも、エレベーター少女ちゃんでもなく、後輩ちゃん!
ボイスは、月宮怜。
今回は、いくつか面白い試みがされていますね。
まずBGMがない。
これはよりリアルな臨場を演出する為で、タイトルバックやオープニング/エンディ
ング以外は、SEとして虫の声が入っているくらい。
ゲームやアニメでは、たまにある演出なんで、珍しいとも言えませんが、まさか、こ
の“本気でおふざけしている”ようなシリーズで、それをやってくるとは思いません
でした。
この辺りは、月宮怜とのサークル・チキンハーツにて、音声作品を多数手がけてきた
ことによる、今回のチャレンジなのだろうと思わせます。
また、これも同様に音声作品を経てきた故の発想なのでしょうが、ヒロインの台詞が
音声だけでテキストとして表示されません。
これは部分的には効果的だったものの、クリックタイミングによって、お兄ちゃんの
モノローグと、後輩ちゃんのボイスに時差が出来てしまう部分があったのが、ちょっ
と気になりました。
一方、アニメーションのクオリティは相変わらず高く、今回は、特に正常位シーンの
原画が冴えていました。
部分的に、四肢のアンバランスさや不自然さが否めなかった、過去作品より、ぐっと
迫ってくる物がありました。
また、このシーンのカメラアングルの微妙な移動が、お兄ちゃんの視点と生々しくリ
ンクしていましたし、挿入時の後輩ちゃんの微妙なニュアンスの表現も秀逸。
しっかりと堪能させてもらいました。
しかしながら、そんな演出に最新の注意を払って作られた作品であるのに、お兄ちゃ
んのモノローグの馬鹿さっぷりに、思わず笑みがこぼれます。
何気なく盛り込まれた、艦これネタなど、お茶を吹きそうでした。
とはいえ、このお兄ちゃんのバカモノローグは、これはこれでリアリティがあるんで
すよね、不思議な事に。
まあ、男の子心理とかって言いましたけど、男なんて大抵、ただのアホですから。
若干、ボリュームダウンしたようにも感じられ、また、いつもの次回作予告的なおま
けも楽しみにしていたので、そこは残念といえば残念でした。
なお、この作品、夏コミ(C84)にて先行リリースされており、そちらには『画伯』
の作品の数々が収録されていたそうで、参加できなかったことが悔やまれます。
では、そろそろ、次回作では幽霊ちゃんとイチャコラしたいですよー。