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えびさんのもんむす・くえすと! 終章 ~負ければ妖女に犯される~の長文感想

ユーザー
えび
ゲーム
もんむす・くえすと! 終章 ~負ければ妖女に犯される~
ブランド
とろとろレジスタンス
得点
85
参照数
1091

一言コメント

絵19+文22+音14+他30 伝説の目撃者に成れた僕達の幸福。

長文感想

(※ロープライス・同人を対象に、他の項目は、最低点をベースアップしています)

とろとろ氏を始め、制作に携わったすべての皆さま。
本当にお疲れ様でした。

ゲームをプレイし、干からびてしまったマゾ野郎ども。
本当にお疲れ様でした。


我々は目撃者として、後世に語り継がれていくであろう、ひとつの伝説の終焉を、今
この目で見届けているのです。

今後、この作品を上回る、モンスター娘モチーフのエロゲー作品が登場するなど、現
段階では想像も出来ません。



物語は佳境で、早足に展開していく為、前作までのような、個々のエピソードの余韻
が少なくなってしまっている様にも見えます。
とは言え、人と魔物の共存を唱えてきた勇者ルカの英雄譚として、人と魔物が共に脅
威に立ち向かうシーンの連続は、必然とも言えるでしょう。

中章までが、小さな感動の『積み重ね』であるならば、終章は小さな感動の『連鎖』
であったと言えるでしょう。

そして、その連鎖が極まったラスボス戦の怒涛の展開には、心躍るような高揚感があ
りました。
四精霊との最後のやり取り(特にノームちゃんは卑怯だ!)など、感極まりそうにな
ります。


一方、良いところばかりでなく、残念な部分もありました。

この作品の売りでもある、バトル部分の絶妙なゲームバランス。
終章では、残念ながらその部分が、定形パターン化しすぎてしまい、大味になってし
まった感があります。

終章では、魔王さまことアリスがあまり目立たず、前章から中章で見せた可愛らしさ
や、魔王としての強さなどの表現が弱く感じられたのが残念です。
端的に言って、魔王さまの魅力が減退したと言える内容でした。


と、ここでぐちぐちと一人で『反省会』を開いてみたところで、あの軽妙なサディス
ティックなリップサービス(?)が聞こえてくるわけでもありませんので、ネガティ
ブな感想は、この辺で……


という訳で、ついに完結してしまった、もんむす狂のバイブル的作品。

ただし、私は、この『もんむす・くえすと!』と言う勇者の血が、受け継がれていく
事を願います。
この勇者を超えるような、モンスター娘モチーフ作品が登場することを祈ります。

その時は、また、かつての『伝説の目撃者』や、新たな『伝説の目撃者』たちと、喜
びを分かち合える事を期待しています。

英雄譚とは、語り継ぐ民草があってこその物語なのですから。