絵15+文09+音22+他13 主題歌が最高にかっこいい! 淫妖蟲などでお馴染み(え?)な、TinkerBellのプロデューサー速水融次郎氏の新企画。感想では、ほぼ、作品内容を語ってしまっていますので、ご注意を。なお、当然、【グロ注意】作品です。
新規ブランドにしては、なかなか、尖った作品をリリースしてきたなと思って見てみ
れば、サイバーワークスのTinkerBellブランドにおいて、プロデューサーをしていた
速水融次郎の企画による作品。
速水融次郎と言えば、はなマルッ!、淫妖蟲、蝶ノ夢、蠱惑の刻など、あおじる原画
と秋華シナリオ作品の企画を担当しており、また、これらの作品では、企画という枠
を超えて、クリーチャーデザインも手がけている。
映像面・・・
速水融次郎のTinkerBellでの活躍の程は、裏方ゆえに表に出てこないが、あおじるの
画集『あおじるWORKS』を見れば、かなり映像にも深く関わってくるプロデューサー
であった事が伺える。
本作品のメイン原画(オフィシャルには1名の記載しかないが、エンドクレジットか
ら複数原画作品ということが判る)である、キヲヤール・ド・フランスは速水融次郎
の別名義のように思えてならない。
しかし、速水融次郎のPixivなどを見ても判るが、もっとクオリティの高い絵が描け
る方でもあり、それにしては作中の絵のクオリティは低いと言わざるを得ない。
キャラデザインと、クリーチャー絵を担当し、その他はラフ程度で他者に描かせてい
るのではないかと想像する。
さて、映像としては速水融次郎デザインらしい、垂れ気味のスライム型のおっぱいが
印象的。
また、薄めの塗りは、どことなくポリゴンゲーム初期のけばけばしさを思い出させる
チープ感すら漂わせているが、これはこれで味がある、といった声もある程度あろう
かと思わせる。
残念なのは、怪人達によるファッキンな描写。
怪人の触手と性器程度しか画面上には描写されず、またそれもバリエーションが数パ
ターンしかない、実に単調なものだったという部分。
そして、シナリオの項でも述べるが、そもそも怪獣や怪人とのカラミが少なすぎると
いう、変身ヒロイン物をやっておきながらの本末転倒ぶり。
時間か資金か人的要因か、何かしらの要因で当初の狙いとは別方向へ行ってしまった
作品という印象が離れないのには、HPにてバナーキャンペーンにも登場するねこ星
人(メス)が作中に出てこなかったり、あれだけ描きこみされた巨大怪獣が、一方は
ワンシーンのみ、もう一方も立絵描写すらなしのまま登場するという、演出と映像素
材のチグハグによる影響が大きい。
シナリオ・・・
怪人が現れ、人々に襲いかかってくるという噂が町に流れた。
学園に通う少女は、その噂に半信半疑でしか無かった。
だが、突然現れた猫の顔を持つ宇宙人によって、怪人を倒し地球の平和を守る、変身
ヒロインにさせられてしまった。
という訳で、怪人と戦って負ければ陵辱されるという、典型的な変身ヒロイン物エロ
ゲのパッケージといった作品のはずなのだが……
なぜか、怪獣に蹂躙されるシーンよりも、人間に蹂躙されているシーンの方が圧倒的
に多く、その比率たるや、怪獣1:人間5という、もう何がなにやら、コンセプトと
はなんぞやといった内容になっており、それだけを聞くなら、ディスクが窓から空を
飛びそうなものなのだが、何気に人間5のエロが、なかなかハードでまずまず実用的
というのが奇妙なところ。
本来なら、怪獣5:人間5となる予定だったのかもしれないので、未完成とも取れる
構成となってしまっている。
基本的にヒロイン同士は顔見知りではなく、各ヒロインが主人公として独立したオム
ニバス形式で、ヒロインの一人称によりストーリーが進行される仕様となっている。
キャラ別にシチュ解説などを。
<赤:神辻 美緒>
ごく一般的な少女像。
変身の後遺症により性感が高まっているところに、通学電車で運悪く出会ってしまっ
た痴漢のオヤジによって、性的に開発されてしまう。
更に、オヤジは美緒を駅構内のトイレに引っ張り込み、レイプ、処女消失。
写真を撮られて、脅され、痴漢オヤジの性奴隷化する。
といったシチュエーションで、大人の玩具から始まって、イラマチオ、多穴責め、輪
姦、腹ボテまで、ほぼノンストップで10を越えるシーンが展開する。
ハードといえばハードだが、特別、珍しいシーンもなく、後述の二人に比べれば控え
め(?)な印象が残る外道っぷりかと思われる。
怪人関連では、敗戦後のレイプ、苗床化がそれぞれ1シーン。
変わり種では、巨大化した後の苗床化シーンがあり、これには“子宮ぶっこ抜き”と
いう淫妖蟲にもあったグロ描写もある。
<青:六閣院 葵>
内気で世間知らずなお上りさんで、裕福とはいえない生活のため、アルバイトをして
いる。
ティッシュ配りのアルバイト中、声をかけられ、まんまと裏AV撮影現場に連れ込ま
れて処女消失。
もちろん、それをネタに二度、三度と呼び出しを受け、撮影されながらのレイプを受
ける。
しかも、エロの右肩上がりなセオリーを無視し、二度目の撮影でいきなりの浣腸6本
注入で排便させられ、尻穴調教される、かわいそうな娘。
更に、撮影脅迫の定番とでも言うべき、裏AVの視聴者サービスとでも言うべく、葵
のファンを自称する変態おじさん集団にご奉仕レイプ。
視聴者サービスはエスカレートし、首輪とリードを付けての屋外散歩に流れ込み、必
然とも言うべく野糞。
海水浴場をヒモ水着で歩かされ、海水浴客による撮影会と、更衣室へ連れ込まれての
集団レイプ。
再び、屋外散歩でホームレス向け公衆便所。
ついに妊娠して、白昼堂々、青姦三昧。ついでに犬姦もやってみました☆ てへぺろ
そして、出産へ……
怪人関連では、苗床化シーンが2種類あり。
赤:美緒と同様に、“子宮ぶっこ抜き”グロシーンがあり、ぶっこ抜いた子宮の替わ
りに新しい苗床用の子宮(?)を移植されるというもの。(産後のシーンもあり)
巨大化後、怪獣の巨大性器でレイプされ、巨大化した状態のまま排便までしてしまう
という、ウンコまみれでかわいそうなヒロイン。
このシーンの続きで、巨大化したままの苗床出産シーンがある。
<黄:龍帝 由貴>
学園の経営者の子女にして、武術にも秀でたお嬢様。
平穏な日常に飽き飽きしており、退屈な世界への反発と破壊衝動を抱えている。
同じ学園に通うキモオタに変身後の写真を撮られ、正体がバレてしまう。
おどおどとした態度ながらキモオタのその行動を脅迫と解釈し、由貴は元来のマゾ気
質も手伝って身体を許してしまう。
調子づいたキモオタに、フェラやHな科学実験をされ、中出しは当たり前。
特殊なのは、海水浴場での“タコバイブ”と“ナマコアナルバイブ”プレイで、タコ
に至っては女性器を蛸壺とでも思ったのか、完全に膣内に侵入してしまい、内部を吸
盤で責められるという変わり種シチュも。
この後は、キモオタが不良グループに脅され、“脅迫者のすり替え”が発生する。
実は、ここでキモオタと心が通じるという、救済ルートがあったりするのだが、こ
れは他のヒロインと比べても内容がえげつない為の、僅かばかりの親心とも思える。
集団レイプから、クスコ+腐った精液注入、バケツ精飲、ホームレス向けの公衆便所
となって、全裸公園散歩から犬姦、野糞。
更には、前後同時フィストファックから、珍しいフットファック(足首まで)を決め
られ、ついには宙吊りにされた状態で、“子宮を引っぱり出され”乳首と子宮に電極
針を打たれての、局部スタンガン。
いつ死んでもおかしくない、むしろ殺して貰ったほうが楽になれるというようなプレ
イが続くが、変身により身体が変質してしまっている為、なかなか死ねないようだ。
ラストには、ついに妊娠しての出産シーンだが、産まれてきたのは……
と、このようにかなりハードな役回りをさせられたヒロインだが、怪人関連でもひど
いものだ。
巨大化後の四肢切断、加えて、切断された四肢を、前と後ろに挿入されるという、嫌
悪感大なハードリョナがある。
音楽/声優・・・
主題歌『BIRTH』(Trio Design feat.真理絵)が素晴らしい出来栄え。
正直、真理絵歌唱曲は作品とのめぐり合わせもあったかと思うが、これまで無難な印
象しか持っていなかったが、安定したボーカリゼーションながら、曲の起伏に合わせ
た歌い分けが巧みで、それは情緒的といえる程。
また、そのボーカルが、センチメンタルを感じるロックサウンドに見事にハマってお
り、この曲ならエモいという表現すら似合いそうだ。
今期のエロゲテーマ曲では、ベスト候補筆頭と断言する。
BGMでは、タイトルバックの曲が、FC版ロッ○マンを思わせるような曲調が奇妙
なチープ感を演出している。
派手な曲は無く、陵辱シーンの曲も種類が少ない為、選曲もワンパターン気味で面白
みに欠けた。
メインの声優は、藤乃理香、氷室百合、葵時緒の三名。
ヒロインの一人称によるストーリー進行の為、陵辱シーンでもヒロインの心情吐露が
あり、これが過剰にあると、プレイヤーとしては、
「陵辱されているのに、冷静だな」
といった、妙な興ざめを受ける場合がある。
藤乃理香は日常シーンでのキャラ作りがよく出来ているものの、エロシーンでの自分
語りがやや多かったことで、上記のような興ざめを感じてしまった。
この辺りを上手く演技でフォローしていたのは、氷室百合、葵時緒の両名。
声を出す演技(「」で括られた台詞)と、心情吐露の演技(()で括られた台詞)と
で、しっかりとテンションを使い分けしている印象を受けた。
特に、葵時緒の絶叫や懇願する演技は、鬼気迫る感があった。
しかし、バナーキャンペーン応募者でエンドクレジット記載希望の方が、自分も含め
て73人もいた事に、ハードエロゲユーザー恐るべしと思った今日この頃。