絵25+文13+音17+他13 下半身は反応しても、脳みそには響かない、そんなエロス。
映像面・・・
さぶろ~原画作品としては、約2年振りにプレイした作品。
まあ、この原画氏は名前が出だした頃に大分見当違いな粘着に引かかって、変に名前
が売れてしまった感はある。
しかしながら、これだけの画が描けるなら、正直、真偽などはどうでも良い。
ボディに関しては、濃い目の絵柄でやや癖はあるが、表情については以前よりも刺が
なく万人受けしそうだ。
そしてなにより、美しく描かれた垂れ乳に感動すら覚える。
本作はワイド画面固定となっている。
その効果か、エロいわがままボディをダイナミックな構図で描かれ、3P、4Pが必
然とも言える母娘モノとの相性も良かったと思わされる。
シナリオ・・・
シナリオとしては、チビで軟弱なキモ男主人公が、義母、義姉妹を罠に嵌め調教して
いくと言うもの。
実父の再婚相手で元教育者の為、子供に厳しいながらも、フェロモンが泉のように湧
き出している義母。
母親の期待を背負って優等生として育ち、しかも古武道の上級者という文武両道で正
義感の強い義姉。
姉と違い、やや母親の口煩さを鬱陶しく思う故か、上っ面は可愛いふりをしても内面
は子供っぽい義妹。
という風に、ヒロインサイドで言っても、それ程、目新しい要素はない作品だ。
主人公は、ある日突然我が物顔で実家を占拠した、義理の家族たち(実父を含む)を
疎ましく思いながら、実家住まいながら肩身の狭い思いをしていた。
しかし、ある日、屋敷の蔵の地下室を発見し、そこで祖父の秘密を知ることになる。
主人公の家系には裏の顔があり、拷問を生業に裏の世界で名を馳せた家系であり、主
人公の祖父は時代の移り変わりに合わせ、拷問の技術を活かした調教師として、要人
や富豪相手の裏稼業で財を成した人物であった。
祖父の残した調教の記録や性具を手に入れた主人公は、祖父から受け継いだ調教師と
しての血を滾らせる。
さあ、まずは、あの目障りだがエロい体をした3人の母娘を、快楽の虜にしてやろう
ではないか・・・
といった感じの話筋である。
主人公の祖父は、対象の人格すら塗り替えて、性奴隷に調教してしまうような、偉大
な調教師であったようだが、この主人公は女の人格を破壊せず、女の中に元から存在
していたエロスを増長させることに価値を見出していた。
この差は割と大きく、主人公が調教した母娘は、肉欲に溺れながらも主人公への愛情
らしきものを臭わせており、そこは何やら『家族』というものに過剰に固執してしま
っている、幼稚さとも感じられた。
正直なところ、この作品のシナリオで微妙だと感じてしまったのは、そういった部分
であり、そういった描写から窺えるように、
ヒロイン達との家族ごっこに溺れて身を滅ぼす
か、
末代まで続く調教師の家系を作り上げた
といったエンドしか用意されていない。
もう少々、主人公サイドの心情の掘り下げを行い、ルートのバリエーションを持たせ
ることで、それぞれのシナリオの読後感やエロティシズムに、相乗的な効果を付与で
きたのではないかと思えてしまう。
音楽/声優・・・
音楽はTrioDesign。エロゲだけでなく、コンシューマも手がけるサウンドコンポーザ
ーチームによるもの。
抜きゲーの音楽など飾りとも思ってしまうが、歌唱に真理絵を迎えたOPテーマ、都
合3パータン分のED曲(インスト)などは、なかなかに作品の雰囲気を上手く捉え
ており好印象。
声優では、抜きゲーを主戦場にするキャストが多かったこともあり、エロさはまずま
ずといったところ。
但し、奇を衒いながらもキャッチー、といった風な、インパクトのある台詞は少なか
った為、少々、地味なキャストだったというような印象が残ってしまった。
腹黒く無邪気でありながら見た目は可愛らしく奔放なキャラという、義妹を演じた御
苑生メイの演技は光った。
また、主人公の実母役で登場した野々村紗夜も、おっとりしたキャラクターから滲み
出る熟し切ったエロスを表現するには、打って付けのキャストだったように思える。