絵20+文17+音20+他22 もったいねー!!!
評価としては過大評価気味。
ゲームパートが3Dであったり、エロもそこそこな部分、割りと作品全体の雰囲気作
りも上手い点、予想外の企画など、加点項目が多いのでこの点数だが、実質、批評空
間の過去のデータと照らしてみれば、60点後半から70点中盤辺りの評価が妥当に思え
ます。
*映像面・・・
八咫烏では毎度おなじみのTEL-O原画。
初期の頃に比べれば、画力の面でも、安定感が出てきました。
ただ、前作『闇夜に踊れ』でも感じた通り、画風そのものがかなりキャッチーでポッ
プな方向に振れてきており、その辺はポップすぎるという面で好き嫌いが別れるかも
しれません。
この原画さん、正直なところ裸体の描き方はそんなに上手くないと思います。ですか
ら、コスデザのセンスもいいので、着エロ方向に進んでくれないかなーと思うのです
よねー。もったいない。
前作『闇夜に踊れ』で少し気になったのですが、塗りが凝り過ぎという点。
今回の『テンタクルロード』ではそんなこともありませんでして、よりシンプルな塗
りは、前々作の『ObsceneGuild』と似た感じになっています。
『触手』を陵辱のアイテム以上の存在として扱った作品としては、なかなか稀有な作
品なのですが、その割にはシンプルな触手しか出てこないのが残念。もったいない。
個人的には、主人公よりもレイラさんの触手マイスターっぷりを支持します。
*シナリオ・・・
前作『闇夜に踊れ』はゲームシステム的な面以前に、シナリオがかなり残念なもので
したが、今回のシナリオは割りとまとも。
これは、主人公がキャラ立ちしている部分が大きく、前作ではそれが出来ていなかっ
たということを再認識させられます。
主人公とメイドのレイラが、『触手とは?』について熱い議論を交わすシーン(笑)
が存在します。このシーンは到達難度が一番高いであろうレイラルートの一幕なので
すが、この部分、序盤の共通パートで見せておけば、主人公の触手へ掛ける熱い思い
をユーザーに伝える好エピソードだったでしょうに。もったいない。
さて、登場人物としては、勇者と担ぎ上げられた不幸な少女や、疑問を抱きながらも
国のために剣を取った姫騎士、正義の為に刀を振るう亡国のサムライ、戦場で誰も血
を流させない奇跡の力を発揮する賢者、など、ひと癖のあるヒロイン達。
そして、過去の罪と王国の民の命を背負った魔王。
割合、ちょっと泣かせる、ちょっと胸熱くなるような、そんな小エピソードが散りば
められており、両者の立ち位置が敵同士であるならば、そのエピソードが戦場で展開
するというのは自然であり、必然として、他の方も言われているキャッチ・アンド・
リリースな展開になってしまった部分は、やむなしとも言えるのかもしれません。
ただ、それをするならRTS部分の『触手捕縛』が実に無駄です。
RTSパート、所謂、バトルパートなのですが、こちら敵のHPがゼロになっても戦
闘終了とはなりません。HPをある程度削った段階で、捕縛用の触手を4体、対象の
周辺に配置することで捕縛演出がかかり、捕縛状態で20秒経過すると捕縛完了して、
バトルに勝利するというもの。
バトルの進め方としては、いかにして相手のHPを効率よく削り、いかにして相手の
周りに上手く捕縛用の触手を配置するかという部分を楽しむはずなのですが、HPの
削り方に一定のパターンを見出してしまうと非常に単調であり、作業感がかなり高く
なります。また、HPの高さに対してダメージ量が全体的に低めなのも、無駄に時間
を消費していると感じてしまう要因かと。その上、捕縛してからの20秒間は、まった
くすることがないただの『待ち』状態であるというのも、ゲームのテンポを著しく阻
害しています。
普通のゲームのようにHPがゼロになったらバトル終了させて、立ち絵で捕縛演出が
あるといった感じで良かったのに。
正直なところ、凝ったゲーム性とシナリオの相性が悪かったと思えるのです。もった
いない。
ただ、触手に対する『愛』があったのは収穫で、こういったバカなノリで『触手』を
扱うのも、また一つ面白いなー、とそんな風にも思えた作品です。
*音楽/声優・・・
BGMはAngel Note(森まもる)によるもの。流石の、Angel Noteといった具合で、
ここのブランドの音楽は安心して買うことができます。作品が所謂ファンタジーRP
Gのようなハイファンタジーな世界なので、それこそコンシューマのRPGで聴き馴
染んだような音楽が多くなっています。
特にオケ曲が多く、いい感じに威風堂々としており、作品を盛り上げていました。
テーマ曲は『Chemin/Angel Note feat.tohko』。tohkoはトーコ名義で、90年代後半
にオリコンチャートでも上位を賑わせていた、所謂、小室ファミリーのあの人なんだ
ということを最近知りました。『ふわふわふるる』とか『LOOPな気持ち』が代表曲な
のかしらん? 『LOOPな気持ち』は割りと好きで、つべで見たら今でもメロディー覚
えてました。
こういう部分は、捉えられ方によっては、「落ちぶれた」なんて印象を抱かせますか
ら、そういった部分を包み隠さず、エロゲ一本出る度にOHPの出演情報を更新して
いるのを見ると、エロゲーマー的にはちょっと胸熱くなりますね。
で、歌手としては、うーん、まあ、90年代当時のピュアな感じはなくなって、職業歌
手的になってしまっている印象はありますが、小室さん達のウタ、歌ってる時よりは
かなり上手く、ハイトーン部分も声質任せにせず、歌いきってますね~。
声優陣は、榛名れんと鈴音華月という二枚看板というにはやや知名度が足りないもの
の、今後が気になる声優さんがいます。
アリア役の柚木サチは、まっすぐでおバカ、純真な勇者。
クリス役の榛名れんは、凛々しさの中に自身の弱さを覗かせるようなお姫さま。
レミィ役の桜水季は、まったり天然お姉さん系。
百合華役の秋野花は、いい具合にロリロリですね。
レイラ役の鈴音華月は、毒っけの強い凶悪メイド。
キャラと相性の良いキャスティングではありますが、五者五様にエロ演技の方は平凡
であり、キャラクターの演技としてもどこかお手本的。
「この人ならでは」と言われるようなキャラクターに巡り会えれば、もう一歩、エロ
ゲ声優として化けるんじゃないかと思いますが……、結構、層が厚いですからね。
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