絵23+文12+音19+他10 コスデザのセンスが致命的に好みじゃないという事を除けば、すばらしい原画。ありがちで平凡だけど、『いかにも』なエロゲでした。ごちそうさまでした。
映像面・・・
表情付け、肉感、とってもエロイっす。
どうして、こういうエロい絵を描く人って、立ち絵はあんまり上手くないのかなーっ
て、毎度、不思議に思うんですが、ああ、なんつーか、人体を描くのが上手いんであ
って、可愛い絵を描くのが上手いわけじゃないんだなーと、改めて感じました。
立ち絵みたいな、動きの無い絵は描いててもつまらないんだろーなーって。
個人的に、ちっとばかりお絵かきなんぞを嗜んでおりまして、自分の好きなモノを一
心不乱に描いてる時の、あの没頭感ってすごいですからねー。
全神経が肩から指先だけに集まってきて、五感が真ん前のキャンバスの色彩やら絵の
具の匂いやら筆やナイフの音だけに埋め尽くされて、なんというか、一人の人間とし
て『個』で完成されてしまうような瞬間……。
日常では感じられない、あの感覚がたまらんのですねー。
さて、まあ、そんな境地はとっくに飛び越えて、私なんぞが知らない領域まで足を踏
み入れてそうな程、みごとな『エロ絵』です。
いやいや、ホント、惜しむらくはコスデザのセンスが、私の好みと間逆だってことく
らいなんです。
先述の通り、立ち絵やら着衣は魅力的だとは思えなかったので、もしかしたら、同じ
ような感覚で、回避している方もいらっしゃるかもしれませんね。
充分、エロくて綺麗な原画であり、魅力的な彩色ですよ、この作品。
背景画も丁寧で、程よくリアルで程よく脚色されており、とても印象が良いものでし
た。
シナリオ・・・
うーむ、このシナリオをどう評価しろと……と自問してしまうのですが。
なんの捻りも無い、ご都合設定に乗っかった、おねーちゃん達とのイチャイチャゲー
です。
純愛エンドとエッチエンドへの分岐もありますが、どちらも中途半端でして……
まず、純愛と言っておきながら、エッチに至る過程がいかにも過ぎる、
『ご都合万歳! 抜きゲー展開』
でありまして、然るに、『純愛力』が不足しております。
それならば、『家族愛パワー』で、ちょっぴり・ほんのりなラストを持ってくるのか
と思いきや……
いやー、多分、何が『純愛』なのかしら? と思っている内に終了してますよ。
次に、エッチエンドなんですが、このエッチエンドのエロさが中途半端でして、『義
姉弟』の背徳感が無かったり、うれしはずかし『おねーちゃん成分』が不足しており
ます。
なんというか、作品のコンセプト部分を半分も取り込めていないのです。
そもそも、エッチのシチュがワンパターンでマンネリ気味ですし。
まあ、変な癖も無く、嫌味無く読めるテキストですし、シナリオの高尚さなんて求め
られた作品じゃないんですから、「こんなもんかなー」と思わなくも無いんですけど
ねー。
音楽/声優・・・
このゲームのBGMを一言で評するなら、『スーパーマーケット品質』かと。
スーパーで流れてるBGMにそっくりなんですよ。
「いらっしゃいませ」って、特売情報を教えてくれるアナウンスが今にも聞こえてき
そう。
テーマ曲は、案外良い感じ。
BGM同様、『スーパーマーケット品質』な曲調に80’sアイドル風なノリを乗っ
けて、はっきりとした抑揚とメリハリのある爽やかな歌声が彩る、って感じ。
案外、嫌いじゃないなー、こういうコンセプトのハッキリした音楽。
声優陣は、伊東サラっていうか海原エレナの、ダメおねーちゃんっぷりにキュンと来
ました。
なんともいえない歯がゆさを感じる、金松由花ボイスもいいんですけど、なんだか、
最近、この方の声の独特な声を聞きすぎたせいか、歯がゆさだけが一人歩きしちゃっ
て……
そういえば、北都南、一色ヒカル、金田まひる、まきいづみ、安玖深音とか、人気の
声優さんも、一時期、どうしても気持ち悪く感じちゃう時期があったなー。
声に特徴のあり過ぎる声優さんとの付き合い方は難しいです。