絵25+文20+音23+他06 はいはーい、また長々と書いちゃいましたよー。ぐだぐだでやっちゃいましたよー。よかったら読んでくださいー。
始めに・・・
さて、ネタバレ無しとしましたが、購入の参考とするには、無駄に長い長文感想をお
届けします。
まあ、「こんな長い感想読んでる暇があったら、買ってこい」とまで言える作品では
ないですが、きっと、この作品は、100点満点を狙わずに、77点を狙いに行った作品
なんだと思います。
★この絵は嫌いじゃない(こもわたファンなら信頼度高い!)
★シナリオの上質さは求めない(キャラ萌え第一!)
★好きな声優がいる(複数いれば、なお良し!)
ここら辺の条件を満たしていれば、プレイする価値はあるんではないかと思います。
映像面・・・
前作『メリ☆クリ』において、2名の原画の相性や特徴は認知済みでしたので、違和
感は感じませんでした。
どーも、好きになりきれない、てんまそ絵。
氏は、顔の描き方には一切、リアリティを求めてないのに、どうして服には、こん
なに皺を描きたがるんでしょうか?
掌の線とかも描いちゃいますし、緩急がありすぎてバランス悪く感じてしまいます。
顔の可愛さだけで比べれば、『MagusTale』の方が可愛かったなーと思い、見比べて
みましたが、顎のラインがややシャープになったようです。
ただ、氏の絵には、他の原画には無い、『動きを出そう』という意図が随所に感じら
れ、そういった面でのオリジナリティは評価されるべきなのだと思います。
水鏡まみず絵は、相変わらず柔らかさが印象的。
今回はキャラが多く、キャラの差別化を狙ったのか、デザインがやや奇抜すぎると感
じる部分もありました。
この方の絵って、造形性は平凡だし、動きも感じないし、構成としてもありきたり。
なので、見せ方の上手さは感じないのですが、なぜか引き込まれました。
この絵の味わい――水鏡まみずの世界観――を何かに例えるなら、
『ママの味でお馴染みのキャンディ』
と紹介したいです。
さて、絵の上手さや好みは別にしても、両名とも、安定感は抜群です。
自身の『色や味』をきっちりと表現し、全体的にムラがない作画は、見事だと思いま
す。
最も評価したいのが、外注というのもアレですが、こもわた遙華氏のSD絵が可愛ら
しく、その物量たるや、ここまで多い作品はいまだかつてお目にかかったことがあり
ません。差分抜きで45枚!
文句無く、こもわたファンにはお勧めです。
CGは全て、通常表示されている状態で50%サイズとなっており、特に着色作業は
苦心したと思われます。
ですが、100%状態で見れば、汗などの細やかな細工に気付きますが、50%サイ
ズで見れば、気付かず素通りしてしまうところもあり、苦労の割りに効果が少なかっ
たとも感じられるのが残念です。
シナリオ・・・
流石、速さの尾之上。よくもまー、これだけのテキストを間に合わせたもんだ。
『上質』を求めるブランド/作品ではないと分かっていてもね。
尾之上氏は、プロットがしっかりしていれば、結構、いいシナリオ書ける人なんだと
思いますが、そうでないと割りとシナリオはぐだぐだです。
今回も、ちょっとぐだぐだな部分はあります。
ところが、シナリオはぐだぐだでも、キャラの優しさが織り込まれ、主人公の情熱が
素直で、エッチ中の会話は甘すぎて、結ばれた後は主人公がキザになって……思わず
ニヤニヤさせられてしまうのが、ロマンチストの尾之上氏の魅力なのです。
その上、今回の場合、短いながらも『当たり』のシナリオも何本かあり、ファンとし
ては満足な出来でした。
さて、さらっとヒロイン別の雑感を……って、10人もいるんだった。
<宙>
万能系・親友型・幼馴染。
文句の付け所がないキャラですが、「幼馴染はちょっとアホなくらいがいい」とか、
「幼馴染に起こしてもらうならニードロップで」とか、そういう幼馴染幻想主義者に
は物足りないかも。
シナリオは作品の根っこに繋がる展開なんですが、終盤、バタバタし過ぎて纏まりが
悪く感じました。
<亜紀>
狂科学者系・シャイ型・ツンデレラ。
情け容赦の無いツッコミと、絶賛増量中のお姉ちゃんラブと、その二つだけで出来て
いるヒロイン。
シナリオにパンチが足りず、「これは『北京ダック』ですよ」と言われて食べてみた
ら、実は『パンの耳』だったという感じ。
<美紀>
ダークマター系・オセロ型・お姉さん。
オセロのように、性格の表裏がくるくると入れ替わります。しかし、この人の場合、
オセロの白い面は半透明で、裏の黒色が透けて見えてる感じです。
他のキャラをもっと絡ませて……終盤、気付いたら盤の中央に空白があって、そこに
黒い石をおいたら、あらたいへん、盤上が真っ黒にひっくり返っちゃったよ、という
シナリオを見たかったかな。
<葵>
小動物系・猪突猛進型・SD侍。
(SD侍は作中より引用。最初にこの呼称を思いついた人に敬礼。)
一見、ツンツンっぽいですが、素直ないい子です。
宙に比べて、メインヒロインとしての魅力は、少々、格落ちですが、SD侍の真の意
味を知るとき、それは笑いに変わっているはずです。
個別ルートは、他の声優さんのファンの方も、楽しめます。アフターもいい雰囲気。
<ステラ>
ご奉仕系・ドジっ娘型・メイドロボ。
ロボでメイドな癒しっ娘が、「ご主人様」と唱えれば……
なんか、もうそれだけで十分じゃね?
<凛>
お嬢様系・ドリル型・ツンデレラ。
しかし、誰が言ったか、『縦巻き=ドリル』とは、よく言ったものです。
台詞からも、元来のシナリオを、強引に縮めてしまったように思えますが、逆に無駄
がなくシンプルに纏まったようにも思えます。
ツンデレこそ、尾之上咲太の花道。
もう、アフターの台詞の応酬なんて、尾之上ファンの私には、幸せ過ぎでした。
<瑠々>
天然系・綿アメ型・歌姫。
ざっくり評すれば、最も古典的エロゲ的なおっとりヒロイン。
個人的にあまり好きなタイプではないのだけど、万人受けする魅力はあると思う。
シナリオもキャラも無難な出来ですが、それ以上の魅力はありません。
<さくら>
小動物系・「You don't have to worry, worry,♪」型・内気少女。
恥ずかしがりやでおどおどしてて、にじみ出るオーラが『守ってあげたい』気持ちを
刺激するヒロイン。
シナリオは男の子のエゴっぽさも感じますが、尾之上氏の定番みたいな内容です。
<カレン>
癒し系・母性本能型・魔法使い(非魔女っ娘)。
『MagusTale』のセーラの従姉妹だそうです。
当初、本作品の最重要攻略目標だったんですが、まあ、キャラもまずまず、シナリオ
も短いなりに無難でした。
<くぅ>
不思議系・不思議型・不思議少女。
キャラクター的には、不思議キャラですが、精神年齢が幼く、主人公の呼び方が「お
兄ちゃん」である為、妹的な属性も満たしているのかな?
今までのルートの総決算的に、キャラを満遍なく活躍させてくれると、良かったんで
すが、やや盛り上がりに欠けるかな。
ちなみに、私の『幸せ度』だと、こんな感じです。
凛>>>ステラ>宙>葵>カレン>瑠々>くぅ>美紀>さくら>亜紀
音楽/声優・・・
Elements Gardenらしく、ゾクゾク感のあるOP曲。ですが、そのゾクゾク感が曲の
中盤まで継続しないのも、Elements Gardenらしさでしょうか。
『入り』のインパクトは十分でしたが、及第点の歌モノでした。
BGMは悪くないんですが、一個問題があります。劇中でよく使われている、『綺麗
な華には毒がある』という曲。0:39辺りに、曲の構成とは無関係に思える音が入って
います。
気になったので、Whirlpoolさんに問い合わせましたが、これで正常だそうです。
うーん、そう言い切られると、返す言葉がありません。私が気にしすぎなのでしょう
か?
声優陣は……これでもかという程に有名声優を揃え、これでもかという程に鉄板属性
をやらせています。
普通なら、面白みに欠けるって評するところですが、なんか、ここまでやられちゃう
と、逆に潔いというか、なんというか。
ほんと、これは解説も感想も不要なのです。
終わりに・・・
最後に視点を変えてみましょう。今回、リリース前に注目していたのは、実は、作品
自体よりも、OHPのキャラ紹介だったりします。
何のことかと言うと、例えば宙の場合、こんな感じです。
『CG約24枚(SD込み)』
それは、キャラの多さにより、薄味になっていることを懸念したユーザへの配慮、あ
るいは、プレイ後、CG枚数が少ないというクレーム対応への布石と考えられます。
戦略的な意味でも、自衛的な意味でも、価値のあるものだとは思うのですが……
「時代の流れかなぁ」
というのが、正直な思いです。
この娘のCGが少ないだとか、あの娘のエッチがないだとか、その娘が攻略できない
だとか、そういうユーザの声は高まっていますから。
いずれ、攻略ヒロインとかエッチ回数とか、そういうのを事前に公開するのが当たり
前という流れになるんでしょうか……
そうなったら、そうなったで、参考にはするんでしょうが……
『購入前に妄想すること』も、『購入後に良くも悪くも裏切らること』も、すべてを
含めてエロゲの楽しみ方だと思うんですがね。
ええ、お金をどぶに捨てて、「騙しやがったな、このヤロー!」と叫ぶのも、私は楽
しいんですが。
ああ、ただ、騙されたと思っても、作品の中にある『いい所』だけは、拾い上げてい
きたいなって、そう思うんですよ。
……んー、まぁ、私は少数派なんでしょうけどね!