残念作。とにかく残念。
ヨスガとの被りが結局足を引っ張ったのか、それとも時間配分をまともにできなかったのか。
ヨスガ関連が若干シリアス目な近親要素が強かったからか、それを避けるように
コミカルな要素も入れようとしたのが一番の失敗だった。
コミカルものでは主人公が突拍子な言動を取るのは珍しくなく、ある程度まではイベントを進めるための
作られた物なので他の人が言うようなキ○ガイとは特に思わなかった。テンプレだなという印象。
ただその要素がほとんどすべっている。すべっているがために現実ではありえない部分が強く意識され
さらにストーリーや主人公に入り込みにくくなるという悪循環。
体験版での共通ルートまではそれでも流れを丁寧に書いているので普通に期待を持てる展開だったけれど
共通ルート終了後は唐突に行動選択。歓迎会終了後の数日間はきれいさっぱりカット。
美優樹、あやか、ミータやサブキャラの関係性はちょっと見えているが千毬は唐突に出てきて唐突にメインになってしまう。
この時点で大半の人の期待度がガクリと下がってしまったのではないかと思う。
メインヒロインっぽく描かれている美優樹の扱いがとにかく悪く、彼女のルートに入る際も7回の行動選択で
美優樹を選ぶ必要は3回という適当っぷり。
攻略するために他キャラの好感度をある程度上げる必要がある、というキャラはいたがそれがほぼ逆転。
3人攻略後の真祐希ルートではかなり不憫な状態に。
攻略ルートはどれも妙に起伏がないというか、うすーい味付けで少量の料理を食べさせられた感じになった。
全体通して結局引き込まれるところがほとんどなく、シリアスだったりしんみりするシーンも
前後に入るノリのずれたコメディで気分が冷めた状態で突入してしまう。
ヨスガでもところどころで日付がぱっと飛んだりしたと思うのだが、それでも丁寧さを心掛けていた気がする。
この尻切れトンボ感の強い終わり方がシナリオを描いた人の出し切った上での限界なのか、
それとも時間が足りずに何とかまとまっただけのものだったのか。
どっちにしても期待はずれなのは変わらない。