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えてんさんのヴァニタスの羊の長文感想

ユーザー
えてん
ゲーム
ヴァニタスの羊
ブランド
RococoWorks
得点
55
参照数
859

一言コメント

幼年期はそれなりに楽しめるし最近では珍しくパロディもない・・・が、残念

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

とにかくなんというか残念

システム面はとくに可もなく不可もなく
メッセージウィンドウから直接オプションの起動ができないのと、一部バックグラウンドボイスが入るところでページ送りを連打すると、音声再生が終わるまで進まなくなる辺りが不満と言えば不満

体験版にもなっている幼年期の話しはそれなりに引き込まれるし、各登場人物がそこそこに活躍するシーンもあるので楽しめると思う
一言にも書いたがよくあるパロディネタは全編通して存在せず、それでもなんとかメリハリを出そうと頑張っていた

しかし脱出後からの本編になり、各攻略キャラが出揃う頃になると一気に失速する
一応推奨攻略順はテレーゼ→フラウエン→リアーヌ→ブリジット
といっても最初のテレーゼ以外はどの順番でもいい気がする

テレーゼルート
幼年期から続くメインルートで、一番力が入っている
のだが・・・単体では明かされない部分も多く、消化不良感はそこそこ
特に終盤いきなり、アルマが死ぬ前に子供産んだけど都市の外ダシタヨーとか
そもそもその終わり方ってどうなのよと突っ込みどころも多い
パッチがないとテレーゼに声がないのでかなり退屈なルートになるかも?
2回目HシーンでBGVとしてテレーゼの息遣いが入っていたのはそこそこエロかった
最後まで声が戻らないというのはご都合主義アレルギーな人にはいい要素?

サブキャラルート
サブキャラルートは全てそうだが、いわゆる「全部やると謎が分かりますよ」
という為に色々と謎を分割して当てはめただけに終わってしまっている気がする
フラウエンの謎、小さな唇亭の正体(これに関してはブリジットルートにも)、名もなき塔の話
全部をまとめるとそれなりに考えられてるなーと思えたりもするのだが、個別のシナリオだとテレーゼルートも含めて「え?そこは追及しないの?」という感じで終わることが多い
Hシーンは各キャラ2回づつ
フラウエンの2回目は入れるタイミングをEDの歌後にするくらいならもうひと手間かけるべきだった
リアーヌに関しては1回目の後小さな唇亭が営業停止になってるので仕事はしていないと分かるが、明記してもよかったかも?むしろ城主様なにしにきたんだと思わされる
ブリジットは・・・2回目がぶっちゃけ幻影オナニーとは新しい

全ルート通してもっとも可哀想な存在感を放っているのはヴィクトール
テレーゼルートでは一応理に叶ってはいるが妙な方法で撃退され(ヘルマンからの助け船があっただろうとはいえ、偽の知らせ出してた方が罰を受けるべきじゃ)
フラウエンルートではかっこよく登場したと思ったら次の場面では消され
リアーヌルートでは何の罪かいまいち把握しきれない状態で捕まり(オリヴィアへの脅し?)
ブリジットルートではこれから盛り上がるか、というところでさっくりやられて消されている

他のサブキャラ達もシェリーを筆頭に存在感を出すなか、主人公のクロードは青年期になると一気に存在感が消える
魔術を使う場面もほぼなく、テレーゼルートでは便利な信号役、ブリジットルートでいきなり覚醒して幻影の魔術を使いだすくらい

魔術の設定や能力は結構面白く、キャラも立っているのだが、とにかく流れが悪い
シナリオを全部理解したらガッツリ楽しめるぜ!というレベルでもないので、余裕がある時に手を出すくらいの作品じゃないかと思う

CGに関してはほぼ文句なし 男キャラへの愛がヴィクトールとエリファス、幼少クロード以外には感じられないのが難点かも
とくに青年クロードは右足の太さといい、適当な顔といい、色々ひどい

テレーゼ1押し、その後はフラウエン>リアーヌ、ブリジットという感じだった

最終的にヴィクトールがエリファスをアルマの墓に埋葬し、名誉の死と文を掘った理由はなんだったんだろうか・・・
ラインハルトが変化してたということは、実は相打ちにならずに捕まり、ラインハルトについて研究させられた後事故で死んだとか・・・?