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えてんさんの穢翼のユースティアの長文感想

ユーザー
えてん
ゲーム
穢翼のユースティア
ブランド
AUGUST
得点
80
参照数
1133

一言コメント

今までからはかなりガラリと雰囲気を変えてきた

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

システム面では特に不満はなし
若干誤字脱字はあるが、音声収録ミス等もなく、自分のPCではフリーズも起こらなかった

シナリオは序章、1~4章、終章の6章仕立て
序章・終章がティア
1~4章の各章で他のヒロインが1章ずつ担当(いわゆる個別ルート)すると言った形式になっている
ティアとの話という一本の大きな筋から枝葉として各ヒロインへのエンディングになっている形式はそこそこ面白かったと思う
が、本筋であるティアへの道を切った後は急速に話をまとめられる
特に1章担当のフィオネルートではそれが顕著で、人によっては手抜きとしか見えないかも
本筋のティアに関しても、3章で正体に関してトーンと1足飛びの進展がある以外は目立ない為、ちょくちょく影が薄いことも
雰囲気に違わず暗い話も多いが、基本的に1~4章の各キャラエンドは明るいものになっている
血の表現はそこそこあるので苦手な人は注意

1~4章では各章担当ヒロインにカイムが関わって、諭したり迷ったりもしながら
ヒロインたちを支えて行く流れになっている
若干ワンパターンではあるが、その時々のカイムの動く理由が変わっていくということもあり(根っこは同じだけど)
そこまで「さっきこれ見たよー」感はない
ただ、国王の心構えやらを説き始めた辺りはちょっとそれはないんじゃなかろうかとは思わされた

そんな風にひねくれたり斜に構えたりしながらもヒロイン達を助けてきたカイムだが
終章に入ると急にヘタれてしまう
都市の秘密を知った上で、色々と考えた結果だし、そういう要素がカイムにあることは丁寧に描写されているし理解できるのだが・・・
終章に入った辺りからかなり長い間続くので、それまでのカイムのイメージからすると少々鬱陶しくなるかもしれない
ただ、だからこそ最後辺りのカタルシスは結構爽快なものがあった
各章でヒロイン達をフってきた結末がああいう形にはなったが、個人的にはアリだと思う

逆にティアのエンディングを見た後だと、他の各エンディングではギルバルトの決定的な事態の引き金がないため急速な悪化がないとしても、ティアがどうなってしまうのか、というのを考えてしまう

おまけはティアのオマケ以外は物悲しさすらないくらいの物なので安心

話自体は楽しめるモノだったが、各キャラの個別ルートをさせられた上にフラなければ先に進めない仕様は正直少し疲れるものだった
挑戦的な仕様だと思うが、本編の影が薄くなったのも考えると少しマイナス
終盤でのウジウジとした流れも必要な内容だったと思うが、長いのとその前までの精力的な動きとのギャップが大きく、こっちも少しマイナスだった

キャラの一押しはコレットとリシア
特にコレットは負けん気の強さや少々黒く感じる部分がいい