ラストはなんか続編があるのが前提なように思える。とはいえボリューム不足も感じないし、人類は衰退しましたみたいなノホホンとした進行に微妙に毒入りで笑えるヘンテコ妖怪や世界が楽しい。和香様、琉々葉様ともに魅力的なキャラだし各ヒロイン、その他のキャラもきちんと好感を持てるようになってる。
前作「少女たちは荒野を目指す」は体験版やってみて
同時期に出てたロミオ氏のラノベ「犬と魔法のファンタジー」みたいなノリで
どんより、しんみりとした雰囲気で
ギャグも抑えた淡々とした感じだったのが
明らかに自分に合わないと思ったので
見送っていた。
今作のほうは体験版やってみたところ
どちらかというと人類は衰退しました、みたいなノリと感じた。
幾らか淡々としているが
ちょっとしたブラックなユーモア、不思議世界
現代に変に適応してる妖怪や和香様達のキャラのインパクトで
物語に絡め取られていくのが面白かったので予約して購入。
「人類は衰退しました」でも
変なテクノロジー?や魔法?を駆使する妖精さん、
ちと腹黒清純派の主人公とか本作のキャラの誰かに幾らか被りそうな気もする。
本作は社会人類学と神話を絡めた内容にも見えるし。
ただ逆に本作の場合
舞台が現代社会のためか
新しいテクノロジーとか若者言葉に適応しちゃったぜぇ~、みたいなノリに
加齢臭を感じるけど・・・
まあ、ターゲットはオッサンだろうし自分もオッサンだし、それでもいいか。
各キャラとも
家族がいなかったり、失恋してたり、
社会に馴染めないのばかりで
その中で理不尽な社会の中懸命に生きていく様も描かれているが
あまり深刻で暗めな描写にはしておらず
あっさり目。
それでも独特のユーモアを絡めて
どのキャラもほぼ漏れなく愛着を感じさせる出来になってる。
ハズレヒロインとかはいないですよ?
ただ必ずと言っていいほどロミオ氏の作品に出てくる
両親と別れてしまう記憶の話、
それは和香様についてだったが
この箇所のみはやはり重めなお涙頂戴な描写となってた。
またミドルプライスなのでボリューム不足を懸念したけど
シールを集めてシナリオ途中のチェックポイント突破していく
展開のため一本の物語としてみると割と満足感あり。
登場人物も多くて頑張った印象。
後半は日本神話の内容を真似ていく展開となっていき
尚且メジャーな出来事が多い。
先が読めそうであるが
五頭龍がヤマタノオロチになったり
ユーモラスに描いているので決してダレることはない。
琉々葉の出産後の床ジョーズは結構上手いこと言ったと思った。
幾らか疑問に思った点として
・和香様、琉々葉様は八咫世界の存在?神様なのに?滅びた世界のほうでは封印されたままとか?
・八咫世界内では文字は鏡像とはなっていないような?弁天の紙芝居の文字はそのまま読める。
鏡像世界内の人間ならそういうふうに認識してしまうのかな?
・神話は何回か上書きされてるようだがループ世界にもなってるのか?それとも八咫世界の内部でさらに鏡を使用したとか?
全部クリアしたがまだ上記の点がわからないのと
神話の再現がまだ残っていることもあり
なんか続編が出そうな・・・?
ぬらりひょんが宇宙人だったりとか
物語を広げられそうな材料はまだまだ残っていそうだし。
ようかいさんたちのちきゅう、みたいになったりは・・・さすがにないかもしれないが。
それともミドルプライスでやれることの限界はここまで、だったのか・・・?
そういやおにくんとか実家へ帰ってから再登場しなかった。
削られたのかな。
以下各ヒロインとか感想
和香様
登場時のことが嘘のように
途中からノホホンとした性格。
姉キャラとも違う、超然として
尚且変に現代に馴染んでしまった愛嬌キャラ。
他の人のレビューとか見ても分かるように
わざわざ「様」、を付けてる人が大半。
ライターの狙い通りにキチンと設定を反映出来ていて
なおかつ可愛いという最強キャラ。
ただ後半少し影が薄いような?
琉々葉様
最初の予想に反して母になり成長したような成長してないような。
でもラストで海鳴り神社に帰ってきたとこで
物語が終わるし
何気に琉々葉エンドは2つもあるので
和香様よりも扱いが良いのかもしれない。
やんちゃな妹キャラで頼もしいところもあって
可愛げは充分。
こちらも皆「様」を付けてる人が多く
やはり愛される存在となってる。
なんかアラレちゃんみたいでもあるな。
都
こちらも妹系キャラ。
イザナミ服が似合ってます。
登場するとなんかほっとするキャラ。
変人ばかりの登場人物の合間に出てくる
数少ない普通っぽい可愛いロリ妹だからかもしれない。
ラストで美人に成長する姿を見たかった気もするが。
お銀
某ジャンプの漫画みたいに
途中で敵として出現して
戦いのあとに仲魔になる九尾の狐。
メイド要員だとは思わなかったけど。
なかなかいいキャラだと思うのでもうちょっと登場回数が欲しかったような。
藤子
NKK追い出されたりとかの下りは
嫌なキャラで描かれてると同時に
不満については分からないでもないので
完全には嫌いになれず気になる存在だった。
でもルパンに出てくるのとは違って
先回りされて手柄を立てられなかったり
和香様、琉々葉様の直撃を食らったり
ストリップさせられたり・・・
全部終わってみると実は色物ヒロイン。