こんだけ伏線とか色々突っ込んでおいてもバランスの取り方が非常に上手く、最後までダレずにプレイすることが出来た。物語の勢いを失わないようにHシーンをアフターに集中させて正解かも。
きゃべつそふとの新作が出てところで
周回遅れで裏でこっそりプレイしました。
評判は上々なのは分かっていたが
見た目であまり癖がなさそうと感じて
だるい部分も多いんじゃないかと邪推していたため
しばらく敬遠していた。
ただ実際に話を進めていくと
きちんと愛着を感じさせる登場人物達に
随所にギャグなどでフックを盛り込ませたり
伏線と思われる箇所も多数配置され
気付くと物語に感情移入している自分がいた。
謎解きに関しては伏線を気付かれないように配置するというよりも
多数忍び込ませて読み手が追いつけなくなってるような気がする。
そりゃあれだけいっぱい伏線あれば
アップルパイとか色々気付きます。
アポカリプスの犯人も誰だか分からないというわけでなく
怪しい人物が多くて物語が進んでいくと
消去法で絞られていくようになる。
ただそれらを考慮に入れて読んでいくと
知らないうちに物語にハマっていくという仕組みを
かなり上手く取り入れてる。
登場人物達もそれなりに変人ですが
これ以上の変人が出てくるエロゲなんて他にもいっぱいあるわけで。
それでも各人印象に残るキャラクターとして成立してるのも
ストーリーとのバランス取りが上手いんだと思う。
以下、各キャラクタ感想?兼途中で犯人ではないかと疑った人たち、、、
・ユネ
赤リンゴ食べてたけど、主人公以外もう一人過去へ飛ばしていたことから
青リンゴを食べた時系列のユネが別に存在していたとかを疑っていた。
もう一組のタイムリープ組がいるのは明白だったが
色々知りすぎていることを踏まえると
以前に一度奇跡のリンゴを食べたことがあるのではとも考えたし。
また主人公のベッドにあったレコーダーから発せられた
変性されてた声、変声できるデバイスを使ったというよりも
自由に声色を変えられるユネの声ではないかと思った。
動機はあまり考えにくいが、芸術家として育てられていた以上
見識を広めるために外の世界へ行きたがるといったことは考え得る。
挙動不審なところもあったし。
なのでタイムリープしていることを分かっているような挙動をしていないか
注意していたがあまりそれらしき箇所は発見出来なかった。
キリエの映画では悪魔役もやってたりしてて
それもストーリーを詰っている可能性があるので
疑っていたがハズレだったようで。引っかけでしょうか。
・サクヤ
タイムリープを自覚している言動で一番怪しかったのは
やはりサクヤ。
訳もなくカマクラに誘ってこなかったり、、、
前夜祭ではいきなり素面に戻っていたことがあったのも伏線でしょう。
アポカリプスのときも行方不明というのも怪しいですね。
そして最初のサクヤ√、どうやってもHシーンなし。
また後で別のサクヤ√があるように思えます。
要するに物語のかなりキーとなる登場人物の可能性大。
主人公好き好き光線を出しているが
それと映画「時を巡るアンナ」のストーリーと照らし合わせてみると
タイムリープしているのでは?と勘ぐるのは当然かと。
ただアポカリプスを起こしたがっていたかというと
そういうわけでは無く、主人公への想いを成就させたい一心なのではと
考えていた。映画と同様に。
1月に戻ったときに出てくるのは上記ユネかサクヤのどちらか?!とドキドキしながら読み進めていた。
どんでん返しパターンならユネ。
伏線から推理しうるならサクヤ、といったように。
キャラクタとしてはお茶目な妹系。
ちょっと可愛くボソっとした喋りが可愛いのです。
そしていじましく何回もタイムリープし
合計すると10年ぐらいは余分に生活を送っていたわけで。
それでも年下っぽさが強いのは不思議でもある。
なんとHシーンはアフターシナリオのみという潔さ(ユネも)。
それでも終盤の流れからストーリーのテンポを悪くしないようにしていたので
これでも良いかなと。
ちなみに私は最後サクヤを選びました。
すけべですので。ろりこんですので。
・リンカ
多分生きていてそのうち登場するなと思っていたが案の定。
姿を見せていないことから
裏で色々行動することが出来るわけで
爆弾作ったり、仕掛けたり、、、
動機としては反抗心旺盛なので
町に復讐しようとしていたのでは、、、と。
ただ、主人公側の味方として現れるような気もしていたのと
コトハ√を見る限りほぼ可能性は無さそうかな、と
途中で考えを変えましたが。
・ギドウ
秀才故の悩み、どうしても突破出来ない自己の限界から
アポカリプスを発生させ壮大な芸術作品に昇華させようと、考えそうなのが理由。
まあ大体当たっていたのですが。
ただサクヤとは別系統で
真犯人のカモフラージュになっている単独犯の可能性が高いと思っていた。
なのでサクヤと兄妹だったというのは予想外。
いい人そうなのは確かだと思うので
苦悩から道を踏み間違えたのだろうが
主犯だったのですね。(考えすぎかもしれないがポートピア連続殺人事件のオマージュか?脱いだりするし。)
リリィ先生がスマホ持ってきたラスト付近
まだアポカリプスが続いて真犯人が他にいる!!
・・・というクリフハンガー展開を少し期待してしまいました。
・リリィ先生
教師ですから事情は色々知っているはず。
そもそも運営方針として
町をアポカリプスに陥れるというが決まっていることも考えられます。
それをリンカに知られてしまったために消すことになった、、、
みたい展開はありがちでしょうかね?
リラの正体がリリィ先生と誤認させるのは引っかけなのかも。
アフターの双頭ディルドには笑った。
容疑者ではないがキリエのキャラは
ストーリーのテンションを維持するには欠かせない要素。
ある程度物語全体を示唆する
映画「アメイジンググレイス」など
キリエの劇中劇は笑える。
ただキリエの幼少のころどのような才能から町に入ってきたのかはとても気になる。
この作品が面白かったのは確かであるとしても
やっぱりこれだけ伏線を張るとどこかボロも出てたり
ご都合主義っぽくなっちゃうので
色々気になった点を挙げます。
・殆どの人が考えただろうが
そもそもこのような閉鎖的な町を人も含めて構築出来ないんでは。
しかも舞台は現代で日本の北海道という実在する場所。
物心つく前からずっと町の中に閉じ込めておくのは無理があるような。
・サクヤは地下室で主人公を世話をしていたが
さすがにリリィ先生とかに見つかっていたのでは。
放っておかないと思うのだが、、、
ミューズを簡単に大量入手出来ていたのは
サクヤ&ギドウがアポカリプス実行犯になるための援助だろうか。
でもあんなところに風呂とか洗濯機があったの?!
・渡良瀬父が死に瀕していたというわりには
面談行ったり、ギドウを援助したり元気すぎ。
この辺はご都合主義でしょうか。
・音楽、建築などが芸術扱いになっていないのが不自然。
それを考えるとユネってなんで歌の才能があるのに町にいたの?ってなってしまう。
建築も昔から芸術扱いだったと思うのだが。
逆に映画はOKというチグハグさ。
・寮にリンゴを保存できる冷蔵庫があるのか・・・?
・・・他にもいっぱい物語途中で突っ込みましたが
全部は思い出せません。
でもやっぱり全体を通してみると面白かったと思います。
このような閉鎖空間内で情報を頼りに生活していると
そうでない他の場所とは常識、考え方が異なってきます。
今どこかで起こっている戦争でも互いに
情報統制によって考え方が違ってきてるのが分かると思います。
そのような環境の中で
リンカは見知らぬ外の世界を目指し既存の概念を破壊し
キリエ、ユネ、サクヤは飛び抜けた才能はないものの
それぞれの好きなことを追求していく。
ただギドウは秀才だったももの、
色々出来てしまうが故に逆に器用貧乏と言えるのかも、または
自分でそう思ってしまっていたのかもしれない。
この物語は外の世界を知ること、自分なりの考えをもつことが重要であると示唆しているのでしょう、きっと。
アポカリプスの101年前といえば第一次世界大戦。
欧州の大国が複数崩壊し凋落が始まった戦争。
さらにその後欧州は覇権国家としての地位をアメリカに渡してしまいます。
古典芸術同様その後主役の座を取り戻せたのでしょうか、、、
本作はそういうところにも思いを馳せつつ
プレイしてみるのもいいかもしれません。