3人のゲロイン達と姦しくトラブルを作りながら行き当りばったりに進んでいく3DのRPGダンジョンもの。もうちょい山場があれば、と思うのだけどそれでもプレイ中はそれなりに楽しかった。例の文学チックな文体は健在であるが以前よりもキャラ同士の掛け合いが面白くなっているのが素直に良くなったと感じる。
霞外籠逗留記以来あまり自分には合わないと思って希氏の作品は避けがちだったのだけど
本作は自分が好きそうなジャンルだったので手にとってみた。
体験版ではハクメイ丸が可愛らしかったしね。
エルフのニンジャというのもツボを突いててよろしいかと。
3DダンジョンRPGが題材だが
全体的にウィザードリィの色が濃いように見える。
ヘルズクラウンはフラックですよね。
グレーターデーモン増殖技とかも出てきました。
毒とか石化とかの追加効果がそのまんまです。
あとはウルティマオンラインでしょうか、
あの死体をひたすら積み上げていくエッシャー効果。
自分が見たことあるのは椅子とかを積み上げていくものでしたが。
あれ何故か下のオブジェを取っ払っても浮いてるんです。
自分もオブジェを積み上げたすんごい高いところまで登ったことあります。
サーバーに負荷かけるので大迷惑、見つかるとGMに怒られます、オブジェも削除されます。
・・・おそらくその他にも各種RPGのネタが散りばめられてるのでしょう。
近代文学小説のような文体は、特に前半で多いようだが
各ヒロインの存在感も手伝ってそれ程テンポの悪さには繋がってないと感じた。
各ヒロイン√に入るとセリフが一気に増えて
より下品、ゲロ、痛い、喧しい展開が増えてくる。
三人ともゲロインです。
しかし気になるところも・・・
物語的に語ってるような所があり
各人の心の機微などはあまり語られない。
そのあたりエロゲというエロと同時に
愛情なども描くほうがより
情景が映えるジャンルではどうなんだろう、という疑問は湧く。
本作は抜きゲーではないだろうし。
さらにニコライトのようなべらんめえ調は
リアリティよりも芝居掛かった口調とも捉えられるため
より現実味を感じられなくなってくる。
ピンチに陥ったとき発破をかけるような場面ではいいんだろうけどね。
以下各ヒロイン感想など
・ハクメイ丸(G-NIN)
色黒だけど何故かダークエルフではないエルフ忍者。
3Dダンジョンでエルフ忍者といえば真っ先にHAWKWIND卿を思い浮かべるのですが
ハクメイ丸は似ても似つかず・・・
①吐くメイ丸
三人のゲロイン達で一番回数が多かったのはコイツではないでしょうか。
声優さんも大変そうです。
あとよく漏らす。
このようなシーンはあるが逆にお風呂で洗いっこするというシチュエーションが
一個もないというなんとも世の不条理さ・・・
②薄命丸
関節を外す、腕&片目をやられるとか痛い目に逢いまくる。
さらにドMなので心地よいとかも言い出す始末。
一種類の攻撃を除いて完全無敵なHAWKWIND卿とは完全に別物です。
さらに「怖い考え」とかいう特殊能力のおかげで
大半は自爆、自業自得。
・・・でもですねこんなヒロインですが
いじましくも主へ付いていく、追いかけていく様は可愛いのです。
正妻はハクメイ丸で良いのです。
裸が最も忍者の能力を引き出し
手刀のみでクリティカルヒットを繰り出すというシーンを
期待しましたがなかったのは残念です。
しかしドゥルーガギットを見たときに発動する呪いとかいうのは
必要なかったんでは、というかシンソウシナリオでは意味を成してない。
顔立ちはやはり似てますね。
・ニコライト(G?-ALC)
何故かべらんめえ調のオネエヒロイン。
アーテとどこか顔が一致してるなと思っていたら、やっぱりそうでしたか。
胸に色々と爆発物などを貯め込んでる。
まさに爆乳。見た目とかけてるのかどうかは不明(どうでもいい)。
トラブルメーカーが3/4を占めるパーティで唯一のストッパー。
止められてない事も多いが
そうでないと物語が進まないのも確か。
というか物語をすすめるのに大多数がそのパターンで固定されてる。
賑やかと言えば賑やかだが・・・
・黒塚(G?-ARC)
将覧を追い込むことに執念を燃やす人。リバースは三人中一番少なくて一回のみ。
ただ行動パターンが上記の一点ばかりなためか
トラブルメーカーという印象ばかりが残る。
将覧の対となるキャラはエイゲンとなるので
なんか中途半端な立ち位置になったせいか。
シンソウでは一番出番が少なかったような。
他の対の三人については
ドゥルガーギット→E-FIG
エイゲン →E-SAM
アーテ →E-BIS
ってとこでしょうか。
将覧はG-SAMでしょうね。
シンソウ√について
人の生を歩んだ果、混沌を手にし新たな冒険に繰り出す・・・
ウィザードリィ4のオマージュでしょうかね。
神秘のカバラーを進み、生命の樹の叡智をもってまやかしの神を打ち破り
ついに混沌のアミュレットを取り戻し、
次なる旅へ赴くのが「ワードナの帰還」のラスト。
あれと同じようなことを描いていると解釈しました。
ただもうちょいこのシナリオに山場を設けたほうが、と思わないでも。
夢での戦いはなかなかファンタジーで良かったですが。
そう、全体的に喧しく、楽しくではあるが
有名ファンタジーRPGにあるような
神秘性、プレイヤーの想像を超えるような舞台、興味を引くような謎などを描くには
もうちょい一声!といった印象を抱く。
ただやっぱりプレイしてると結構楽しかったなというのも事実で
そのへんが延々ループするような出来。