シナリオの意外性やインパクトで勝負ではなく、海外ドラマみたいに読み手に続きを知りたいと思わせるタイプ。
読み進めていく内に
バトルスターギャラクティカみたいだな、と感じた。
決してシナリオそのものは目新しいものでは無い。
フィオネ編、エリス編なんかは
時代劇の捕物帖みたいだが
それが分かっていても
グングン引き込まれていって止まらなかった。
勿論シナリオ中で隠された真実が段々明かされていく箇所はある。
聖女の存在について、都市が浮かんでいる理由、
ルキウスの正体等々・・・
とはいえそれで読み手を惹き付ける手法は
もう既に限界が来ていると
クリエイター側も受け手側も
感じ始めてるのではないだろうか。
扱ってるテーマも同様に普遍的で
良く扱われるものだし。
最初にギャラクティカみたいだと書いたのは
あの昔のちょっとチープな(今観てみるとありがちな)
SFドラマを新しい見せ方で
驚くほど新鮮な作品に生まれ変わらせた事と
共通していると感じたから。
そういえば続けて観てるとちょっと鬱っぽい気分になったり
新天地に到着してヒロインがいなくなってしまうエンディングだったり
他の部分もちょっと似てるかも?
主人公に関しては
各ヒロインからは「やっぱり優しいね」と
言われる事が多い一方で
虚無的・投げやり感が強い。
各ヒロインを支えていき彼女たちが成長していく中で
次第に出世していくけど
崩落で目指すべき目標を失った人間が
上層に行き城で物事を動かそうにも
ルキウス、ジークに「中身が無い」と言われる始末。
バブル崩壊やリーマンショックなど以降
様々な価値観の崩壊した後の苦悩、
或いは要領ばかりでのし上がっていくだけの人への批判を
反映してるのは想像に難くない。
最後の最後になってやっと立ち上がってくれるのだけど・・・
そういえば最初の発売日が近づきつつあった3/11にあの大地震が
起きたのは何か出来すぎな気もする。
エロに関しては
各ヒロイン攻略後で数はあるものの
あまりやる気が起きなかった。
それよりかシナリオの先に進みたい気分と
ダークな世界観の中であまりその気になれなかったような。
他には・・・・
ガウやギルバルトといった最初は
単なる悪役での登場だったが
両者死亡後のティア編では
全て主人公側に返ってきて、
彼らと同じ立場に立たされる、といった
皮肉めいた展開、
決して単純な悪役を描かないといった事も
物語に深みを持たせるための効果的であったと思う。
キャラゲー、萌えゲーとかの要素を
若干含むが、それらを超えて
より没頭できるものを作ろうとする
メーカーの姿勢が良い結果を生み出せたと思うので
次回作とかも期待しちゃう出来でした。