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あさあささんの彼女は高天に祈らない -quantum girlfriend-の長文感想

ユーザー
あさあさ
ゲーム
彼女は高天に祈らない -quantum girlfriend-
ブランド
Escu:de
得点
70
参照数
122

一言コメント

戦闘はバランスが良くない、しかし日常イベントは楽しい

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

電撃攻撃を受けるとすぐ麻痺状態になり何も行動できなくなり、これがなかなか自然回復しない。一部の敵はそんな代物を全体攻撃してくるので初見では何もできず全滅一直線。この点はバランス調整が完全に失敗である。また全体的に敵の火力が高すぎるのでやられる前にやれの速攻か全体バリアの連続がけばかりの大味な戦闘になる。ついでに技の名前も手抜き気味。
一方で音楽はなかなか凝っていて作業BGMとして秀逸。
日常イベントはキャラ選択式。案外笑えるのでまあ満足。
各キャラクターは個性が良く出ているが、感情移入の為にはもう少しバックボーンの掘り下げも欲しかった。特にアマテラスは恐らく子供時代のエピソードをかなり削られたのだろうなと察せられる。アメノワカヒコとタカヒメノミコトも明らかに当初なんらかの設定を用意したが削ったのであろう。主人公は優柔不断が目立ち、中途半端な文の知識をたびたび語る点がマイナス。無難に体育会系の人間にした方が良かった気がする。各キャラクターの声優は頑張っていると感じる。
ストーリー展開は王道だが、驚く展開はない。終盤は敵サイドの連中は満足な描写もなく気がつけば減っていくのでシラケ気味。ただラスボス直前のアマテラスやタケミカヅチの演出はなかなか。キャラクターと音楽のおかげである。またラスボスがルートごとに違う点は凝っていたと思う。
全体的にライターの力不足を感じる作品。
まあ今はかなり安いので息抜きで気楽に遊べるRPG作品として手にするのはいいかもしれない。