様々なものを失い、泣き、悩み、葛藤し、拒絶され、絶望し、拒絶し………そして努力した末にやっとたどり着いた幸せ。それは普通の『家族』が望む様なしごく当然のどこにでもありそうなほんの小さな幸せ。それでも彼らにとっては何よりもかけがえのない大事なもの。その幸せまでの道のりは決して平坦ではなかったはず。そしてなにより彼ら二人だけでは決して辿り着くことは出来ない道のりだっただろう。でもそこはまだスタートライン。彼らの本当の幸せの物語はきっとここから始まるのだ。この作品はそんな…『家族』があるべき姿を描いた心温まる物語。(2006年3月30日現在長文レビューを書き直し終えました。)
この作品の主題は間違いなく『家族』。
そしてこの物語は高村仁と夏海里伽子の『家族』の物語。
『家族』を失った者はどうなるのか?
事情が同じでも人が変われば事態は変わる。
ゆえに明確な答えなどはやはり持たないのだろう。
ただ高村仁は、肉親である両親、そして誰よりも尊敬していた兄が亡くなった時、こう思ったのだ。
「これからは何よりも家族を優先しよう」と。
それは素晴らしいことだと思う。
『家族』を大切にすることに咎められる所なんて一つもないと言っていいのかもしれない。
それでも夏海里佳子は、仁に繰り返しこう言うのだ。
「ここにいないひとよりも、目の前にいるひとのほうが大事」
「情に流されると、ロクなことにならない…。」と。
里伽子は仁の両親や兄に線香すら上げようとしない。
なぜ里伽子は頑なに『家族』を拒むのか?
それを語るにはまず2年前から始めなければいけないのだろう。
「だから兄貴の遺志を知ってもらおうと…」
「なんであたしがここで働くことが、あんたの兄さんの遺志を継ぐことになるのよ?」
「よく聞いてくれた!なぜなら、この店こそは、兄貴が、姉さんのために…」
「その解説はもう23回は聞いたから」
「その話を聞いたら、三日以内に5人に同じ話をしないと、ここの店員になってしまうという呪いの…」
「………」
「この通り!兄貴の分のも含めてお願い!姉さんの力になってやってくんないかな?」
「………」
「頼むよ夏海…俺、お前くらいしか頼れる人間いないんだよ」
「…なんであたしなのよ」
「知り合いだから。頭いいから。美人だから」
「っ…そ、そんなこと言ったって、開店もしてないお店で働けって言われても」
「そっちは俺がなんとかする。姉さんに、もう一度笑ってもらうには…ここから始めるしかないんだよ」
「………」
「…夏海ぃ」
「もう、しょうがないなぁ、高村はぁ」
『パルフェ ~ショコラ second brew~ 11月20日 里伽え○ん より』
そう、この物語の舞台である「喫茶ファミーユ」は仁の『家族』である杉澤一人が、仁の『家族』である杉澤恵麻のために作った店。
そして、一人が亡くなり…始まってすらいなかったこの店を、仁が始めたのは、『家族』である恵麻に笑顔を取り戻して欲しかったから。
「喫茶ファミーユ」はそんな『家族』達のお店なのだ。
「何よりも家族を優先する」
仁のその信念を考えれば、夫を失った『家族』である恵麻を元気付けたいと願うのは当然の事だったのだろう。
それでも仁にとってもう恵麻は『家族』でしかなかった。
仁にはもう好きな女の子が別にいたのだから。
『家族以外で、初めて好きになった、女の子』が。
「いや俺わかんねえよ…アクセサリーの良し悪しなんて」
「だったらなんでブレスレットがいいなんて言ったのよ。恵麻さんなんだから、誕生日プレゼントなんてケーキあげとけば喜ぶでしょ」
「…何気に酷いね、お前」
「だって…これって、恋人への贈り物だよ」
「え?何だって?」
「何でもないけどね」
「う~ん…そうだ。なら、この2つのうち、里伽子ならどっちが欲しい?」
「あたしの趣味と恵麻さんの趣味とは違うってば」
「それでもいいから…ただの参考だから…」
「あ~もう、本当に苛つくわね仁はぁ!」
「言葉もございません…」
「あたし帰る」
「帰る前に…右?左?」
「………」
「どっちかな~?」
「………左!」
「…サンキューな、里伽子」
「じゃ…本当にもう帰る」
「あ、すいません。これ、両方下さい」
「はぁ!?」
「こっちは包んで。あ、こっちはいいです」
「ちょっ、ちょっと…?」
「お前の、左だったよな。ほれ、つけてやるから、腕」
「え…?」
「なんで…?」
「だって俺、お前の誕生日教えてもらってないもん」
「そ、それは…そうだけど、でも、これとは…」
「こうでもしないと、お前の喜ぶものなんか選べる訳ないし」
「………」
「仁…」
「ほれ、どうだ?俺は似合うかどうか知らんけど、お前の趣味なんだから文句言うなよ?」
「…っ」
「里伽子…誕生日、おめでとう」
『パルフェ ~ショコラ second brew~ 11月20日 里伽え○ん より』
仁が『女の子』として好きなのは里伽子なのだ。
そして、里伽子も仁の事が好きなはず。
口には出さずとも行動がそれを証明している。
里伽子は仁といることを拒まない。大学の他の男をあれだけ冷たくあしらう彼女が。
里伽子は仕事中ですら仁にもらったブレスレットをはずさない。普段あれだけ自分にも他人にも厳しい彼女が。
そして…唇さえも許したのだ。
しかし里伽子は仁と『恋人』の関係になることを拒む。
そして『一番の友達』という関係を求める。
お互い好きあっているのは誰の目から見ても明らかなのに。
では、なぜ?
なぜ里伽子は仁と『恋人』の関係を拒むのか。
そして『恋人』を拒みながら、なぜ『一番の友達』として傍にいたがるのか。
それが分かるのは半年後。
雪の降りしきる夜のこと。
「あ…あった…っ!」
「消えろ…消えてっ!燃えちゃ駄目っ」
「えっと、一つ、二つ…三つ…お父さん、お母さん、お兄さん…全部!」
「よかった…間に合ったよ…仁」
「え…?」
………
「ね?情に流されると、ロクなことにならない…でしょ?」
「………」
目の前の里伽子が…
何を、言ってるんだか、理解できない。
本当は、わかってる。
それは、半年前の、あの日のこと。
俺と里伽子の、初めての…から、ちょうど一週間。
俺と姉さんの運命が、がらりと変わってしまった、あの火事の日のこと。
「とりあえず、仁ならどうするかって、考えたら、さ」
お店の皆も、散り散りになってしまったりと、少なからず、運命が変わってしまった日。
『少なからず』ってのは…『多大な』って意味じゃ…なかったはずなのに…
「本当に怪我をしたのは、手じゃなくて、腕…」
「あと、火傷とか、ちょこちょこあったけど、そんなのはすぐに治った。だって、無茶なんかしてなかったから」
無茶だ…
誰もいない、燃えさかってる家の中に、わざわざ踏み込んで…
「けど、ここだけちょっと…釘が深くまで刺さっちゃって…」
「里伽子ぉ…っ」
やっと発した声は…
何を言ってるんだかわからない発音で。
「最初は軽く考えてたんだけど…医者に行ったら、神経が損傷してるって…」
「すぐに手術して、繋いだんだけど…感覚、戻らなくって」
淡々と、淡々と…
「今でも、時々検査受けてるけど、なかなか元通りには戻らなくて…あはは」
笑い声、まで、気味悪いくらいに、淡々と。
「ごめんね…仁のせいじゃないのに、なんかやっぱ、それっぽい言い方になっちゃうなぁ」
「俺のせいだろっ!?」
「だって…だって…お前が、持ち出してくれたのって…」
父さんと、母さんと、兄ちゃん…
焼け跡の中で、燃え残ってた、位牌。
他は全てなくなってしまったのに、これだけ、不自然に、庭に転がってた理由が…
「あ~違う違う、本命はこっち。そっちはついでだから、本当に」
と、里伽子がポケットから取り出したもの…
「ごめんね、焦がしちゃった…」
ブレスレット…
「やっぱり俺のせいだ…」
「なんで、こんなもん取りに戻った…?」
「欲しかったから」
「なんで父さんたちまで、救おうと思った…?」
「知らなかった?あたし、すっごいバカなんだよ?」
「本気でバカだ」
「馬鹿野郎…」
『パルフェ ~ショコラ second brew~ 里伽子ルート じゃあ、家族でなければ? より』
里伽子は『傷』を背負っていたのだ。
左手が動かないという深い『傷』を。
それも半年も前に。
そして、そのことを誰にも告げずに彼女は隠し通してきた。
「とりあえず、仁ならどうするかって、考えたら、さ」
この一言は…重い。
ここで初めて仁は気づくのだ。
『家族であるひと』『家族であったひと』そして…『今、目の前にいる大事なひと』
その「守るべき優先度」というものに…
激しい後悔の念と共に…
それでも………
誰かに相談することはできなかったのか?
みんなにできることはなかったのか。
そしてなにより、仁にできることはなかったのだろうか。
「なんで俺に、頼ってくれないんだ?俺に、責任負わせようとしない?」
「なんで…なんですぐに相談にしてくれなかった?」
「そんなに頼りないのか俺は!?一緒に背負うことすらできないって、そう、思ったのかよ?」
「頼って欲しかった…里伽子のこと、好きなのに、こんなに好きなのに…そこまでアテにしてくれないなんて、あんまりだ!」
「………ょ」
俺の激情に、里伽子が、小さな声を漏らす。
「………思ったよ」
それは、ほんの小さな綻びだったかもしれない。
「頼ろうと…思ったよ」
けれどその綻びは…
「けど………」
「頼らせてもくれなかったのは、仁の方だぁっ!!」
大きなダム、のものだった。
「手が動かないって、手術だって、入院だって…いきなり言われて、全然気持ちの整理、つかなくって」
「涙、止まらなくって、でも手、本当に動かなくって、どうしよう、どうしよう、どうしようって、がたがた震えて…足も、体も、全部が震えて…」
「それでもっ!左手だけは、ちっとも震えてくれなくって!」
「泣きながら、電話かけてっ!でも最初はファミーユにかけっちゃって!焼けちゃってるのに、繋がるわけなくて!」
「仁の携帯番号が思い出せなくて!携帯焼けちゃってて!思い出すのに30分もかかっちゃって!」
「右手、震えてたけど必死でボタン押して…だって左手動かないんだもんっ!」
「そしたら…そしたらさぁっ!」
「…え?」
「ごめん…ちょっと今…姉さんが、その調子悪くて。やっぱショックだったみたいでさ。」
「そう………なん、だ」
「しばらく…連絡取れないと思う。そうだな、一週間くらい」
「一週…間…?」
「本当に悪い!でも里伽子ならわかってくれるだろ?」
「~~~っ!?」
「…里伽子?」
「…あ、え?」
「どした?具合でも悪いのか?」
「え?あ、う、ううん…」
「そうか…ならいいんだけど」
「そ、そう、だね…ああ、それならしょうがないね、お大事に…っ」
「ごめんな、来週、連絡する。大事な話もあるし」
「………うん」
「それじゃ、またな」
「………」
「あはは…」
「あはは…あはははは…あたしって、凄いねぇ…」
「あたしなら…わかって、くれるんだぁ…あははは…あはははははははっ!!!」
「あ…あ………あああ…っ」
繋がる。
時期的に、完璧に、繋がってしまう。
『里伽子はそんな心の狭い奴なんかじゃないんだ』
何の根拠があって…?
「二年間、一緒にいて…はじめて、支えが欲しかった日だったのに」
「あああ…ああああ…」
「それから何度会っても、全然気づいてくれなかった!…恵麻さんの怪我はすぐに気づいたのに!」
必死で隠してたんだ…。
気づかれないたびに、ほっとして、落胆して…そして、絶望してたんだ。
コンタクトが使えないのも…時々寝癖がついてたのも…いつの間にか、右利きになってたのも…
サインなんていくらでもあったのに…
「好きだから、好きだから、大好きだからっ!仁が、憎いよぉっ!」
『パルフェ ~ショコラ second brew~ 里伽子ルート じゃあ、家族でなければ? より』
里伽子が背負っていた『傷』は『体の傷』だけではなかったのだ。
仁は恵麻のどんな些細な事にも気がつく。他の誰も気づかない様な事を仁は簡単に見抜くのだ。
それは恵麻が仁の『家族』だから
仁は自分の信念を貫いているのだから。
そして、この日も仁は『家族』を守るために恵麻のそばにいた。それだけのこと。
普段なら誰も気にも留めない日常の延長。
でも、その日は、その日だけは、里伽子にとってなによりも支えが必要だった一日。
そして、里伽子にとって「許せなかった一日」
皮肉なことに仁の『家族』を助けたはずの里伽子は仁の『家族』によって支えを失ってしまったのだ。
そう、彼女は『心』にも『傷』を負っていた。
里伽子が頑なに『家族』を拒むのも、
仁との『恋人』の関係を拒むのも、
すべてはこの『傷』のせいなのだ
もうどうすることもできないのだろうか?
『家族』が彼女を拒んだというのなら仁にできることはなにもない。
なぜなら仁の信念は決して間違ったものではないから。
「何よりも家族を優先する」
繰り返しになるが、
周りのみんなも、恵麻も、仁も………そして誰よりも里伽子が分かっているはずだ。
「仁は間違ってはいない」と。
仁の信念が変わらないというなら、里伽子はもう耐え切れないというなら、
彼らはもう終わってしまうのだろう。
本当にもうどうすることもできないのだろうか?
「なんで…わかったの?俺が何を考えてるのかって」
「10年以上もきょうだいやってるとねぇ、気づきたくもないことまで気づいてしまうもんなのよ」
「………」
「…言っておくけど、店長、やめさせないわよ」
「…当たり前だろ」
「今の倍は大変よ?」
「…いや多分3倍」
「後悔しないわね」
「果てしなく後悔したから、やるんだよ」
「………」
愚か過ぎた俺の、精一杯の反逆。
もう、何があっても、絶対に諦めないって、誓う。
「そんなに大事?」
「俺の命程度には」
「………なら、よし」
「ありがと、ま~姉ちゃん。…愛してる」
「そういうこと、軽く言われちゃうと…傷つくなぁ」
「…なんで?」
「もう、家族としてしか見てないってわかるもん」
「だって、大事な家族だから」
「…そうだね」
「俺は、何があっても家族優先だよ」
「まだそういうこと言うの?」
「何と言われようと、俺は今の考えを改めるつもりはない」
「…馬鹿」
「知らなかった?俺は、すっごいバカなんだよ?」
誰かさんの、真似。
だって俺は、その、誰かさんよりも、馬鹿だから。
『パルフェ ~ショコラ second brew~ 里伽子ルート 女々しい野郎どもの唄 より』
一つだけ、たった、一つだけ。
でも確かな答えがそこにはあった。
それは…
「お前が何て言っても…俺は諦めない」
「あんたはぁぁっ!」
「諦めてたまるか!俺には思い描いてる未来がある。そこにはハッキリとお前が映ってる!」
「そんなの信じない!だって、あたしには見えない!」
「あと一度だけ、俺を信じてくれよ」
「信じられるわけない!世界一好きでも、世界一大事じゃないなんて、そんなのは嫌ぁっ!」
「約束する!、お前を、世界一、大事にする」
「仁には無理!」
「無理じゃない!」
「あんたは何があっても家族を優先する。絶対に変わらない!」
「ああ、その通りだよ!」
「ならどうしようもないじゃない!」
「だから俺の家族になれよ!」
「なんなのよそれは!支離滅裂!」
「俺は、何があっても、家族が一番大事だ!絶対に変えられない!」
「さっきからそう言ってるじゃない!」
「けど、俺たちの関係の方は、変えること、できるじゃん!」
「できるわけない!あたしが家族でない限り、仁は…仁はぁ…っ」
「だから家族になれる方法、あんじゃん…」
「なんのことよぉ…さっぱりわかんないよぉ…」
「俺が大学卒業したら…結婚しようぜ?」
『パルフェ ~ショコラ second brew~ 里伽子ルート なら、家族になればいい より』
そう、それは、他人が『家族』になるためのたった一つの儀式。
『結婚』
『家族』が彼女を拒むのであれば、彼女が『家族』になればいいのだ。
もちろん、口で言うほど簡単ではない。
『「ファミーユ」と「大学」を両立させて、里伽子の面倒をみようというのだから。』
でもそれは…里伽子がずっとやってきたことだから。
『「ファミーユ」と「大学」と仁の世話』
それを…2年間も、ずっと、見続けてきたのは彼女だから。
今度は仁の番なのだ。
「っ…ぅ…ぅぅ…ぅぁぁ…」
「…何やってんだ、お前?」
「う…うあ、ご、ごめん…ごめんね…」
娘が泣き出す前に、母親が泣き出してしまった…
「だって…だってぇ…っ、自分の子を抱けるなんて…思えなかったんだもん…っ」
「俺は…ずっと、信じてた」
「う、うああ、うああああ…っ」
五度の手術…
五度のリハビリ…
何度も何度も、希望と、絶望を繰り返し。
指先が、ぴくりと動くたって大喜びし、その反動による、痛みのぶり返しで泣きじゃくり。
そのたびに、抱きしめて、抱きしめて、抱きしめて…
一緒に笑って、里伽子が泣いてる時に笑って、里伽子が怒ってる時に笑って…
俺の手と、里伽子の頭で、大学を卒業し。
…俺の卒業の時も、ちょっぴり、里伽子の頭、借りたけど。
俺の卒業式の二次会は、教会で。
目の前にいる、大切な人たちと祝い。
それから、ずっと一緒に、頑張って、頑張って、頑張って…
いつか、報われる日が来ると信じて。
そしてそれは、正しい努力の結果として、報われて…
「あたしは…母親になれたんだよね?ふたつめの夢も、叶ったんだよね?」
「お前の死に物狂いの努力でな。胸張れ、笑えっ」
「仁ぃ…」
「でも今日は思いっきり泣いていい…」
「ふえぇぇぇぇぇ…うわああああああ~っ!」
最初は、叶わないかもと思ってた夢。
こじ開けて、力尽くで引っ張り出して、運なんか何にもなくて、努力だけで引き出した、結果。
「仁ぃ…ありがとう…今まで、ずっと、ずっとぉ…ありがとうね?」
「本当に…しょうがねえなぁ…里伽子はぁ…っ」
『パルフェ ~ショコラ second brew~ 里伽子ルート 里伽子TUREエンディング より』
決して平坦ではなかったその道を。二人だけでは歩む事が出来なかったその道を。
そして、彼らが辿り着いた、その小さな幸せを。
今はただ祝福したい。
でもそこはまだスタートライン。
彼らの本当の幸せの物語はきっとここから始まるのだ。
これから先、辛いことも、悲しいこともきっとあるだろう。
それでも…彼らは最後には笑っているはず。
『家族』だから。
そして、守るべき『家族』が増えたから。
最後に…私はこの作品はあくまで仁と里伽子の『家族』の物語だと思っています。
それでもこの作品はみんながそろってはじめて成り立つ物語で、けっして誰一人欠けてはならないと声を大にして言いたい。
そして個人的に影のMVPを送りたいのはかすりさん。
彼女のあの笑顔があったからこそ、この物語はこれだけ明るくなったのだと思います。
「いらない子」なんかじゃない。間違いなく「ファミーユに必要な存在」です。
またしても引用が多くなってしまいましたが、長文に付き合っていただきありがとうございました。