“if”の世界があったのならば・・・。誰しも一度は考えたことがあるでしょう。この物語にも、ifがあったのなら…。とついつい考えてしまう自分がいます。 似たような境遇に自分もいた事があったので、凄く共感できました。 「好き」 という気持ちはこうも強く、重なり合った心の絆は・・・やがて・・・
正直なところ、私はこの話は実在した、または似たような題材から作り上げた・・・様な気がします。
でないとするならば、ライターさんの恋愛経験が豊富、または想像力が豊かなのか・・・。
プレイし終わって、やり場の無い不幸は人に心に深い傷と、逆境を乗り越える試練を・・・。
そして、代わりに強い絆を齎してくれる・・・。
結果的には・・・、人生の苦さを味わえる・・・っといったところですか。
人生経験が豊富、とは言い様では「不幸な人」・・・と言えるのかもしれません。
人は何らかの「不幸を糧」に成長する・・・皮肉な話ですがね。
世の中には、大きな「不幸」に耐え切れず折れてしまう人もいる・・・。そんな不幸の時に、支えてくれた人・・・を、貴方は“捨てる”事が出来ますか?
私は・・・出来ない・・・! たとえ、どんな結末になっても・・・私は・・・。
主人公もまた・・・―――――
3年・・・。1人で俯きつづけるにはあまりにも長い時間・・・。そんな時、自分に肩を貸してくれた人が居た・・・。寄り添うたびに心は近づき・・・、やがて重なる・・・。
自分のズルさに心を痛めつつ・・・、それでも・・・一度重なった“心”はあの人から離れない・・・。
心が軋む・・・―――――
―――――そう、これは正しくは・・・孝之の物語では無く“水月”の物語なのだ・・・。
彼女が居なければ、話は始まらず・・・、終わる事は無い――――――
そして・・・彼女が目覚めた時、貴方ならどうしますか?―――――
もし、コレが商品として、では無かったのであればルートは1つだったのかもしれません。
正直に言ってしまえば、水月または・・・遥ルート以外は必要なかった、と私は思います。
強いて言えば・・・茜はまだ許せますが。
他キャラは“心”は冷たく・・・、“体”は・・・熱く。
主人公の葛藤が・・・儚く、輝き失せ、堕つる。真は蜉蝣・・・。
この主人公ですが、巷では「ヘタレ。マジイライラすんだけど?」の様な評価になっていますが
それは・・・リアルといっても過言ではないこのゲームに対しての憤り・・・なのでしょうか。
ゲームくらい夢を見せて欲しい・・・、“if”の世界で・・・。
現実でも只でさえ思い通りに行かないのに・・・、ゲームでも辛い・・・。
という自分の現状についての裏返しなのか・・・とも私は思いました。(自分の現実云々は置いておくとしても・・・)
まぁ、1章の事故がある前までは萌えゲー風味だったのが引き金であったとは思いますが・・・。
私には、優しい、素晴しい主人公の様に思えました。
人を好きになる事は、“理由”なんてない。自然に心が引かれるのだから・・・。
とはいっても、バイト先の子達やら、看護婦達に靡く理由は理解できませんがね。
只・・・、“履き違えた優しさは、人を傷つかせる”と言う事が1つあります。ライターさんの一番伝えたかった所であると、私は思います。
この物語の主人公は、完全に理解していなかった・・・、または理解はしていたが実行出来なかった・・・優柔不断 な所がありました。
しかし、ゲームではない状況で自分が同じ状況に陥ったのならば・・・?貴方は・・・決断することが出来るでしょうか。
履き違えない優しさを持っていたとしても、うまく言葉に出来なかったら・・・?
「現実」とは・・・“if”と似て、非なるもの。考えは平行、止まる事の無い思考・・・。
所詮は一瞬の戯言・・・なのでしょうね。
最後にもう1度・・・
貴方の大切な人、“捨てる”事が出来ますか?