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海と雪のシアンブルー
体験版コメント
得点順
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得点
85
点
一言コメント
フラジャイルスパーキングより青い、ユキイロサインより白い
投稿日時
2021年03月28日04時50分
ユーザー名
wzj2008
購入予定
必ず購入
得点
80
点
一言コメント
「嬉しい誤算」と、この場合は語れば良いのでしょうか。体験版をプレイして実は結構衝撃を受けたんですよ。トノイケダイスケ氏が活躍していた時代のCUFFSのような、あるいはCUBE処女作『夏ノ雨』の頃のような、そんな過去に紡がれていた丁寧な「関係性」を本作でも見事拝見出来たんですから。父母の再婚によって新しく出来た義妹、七との生活から始まる義兄、青野志音の視点から紡がれる物語。まず驚いたのが、主人公の思考変化過程をさり気無く丁寧に描いている点。卒業間際。上京間近。残り日数も少ない中、他者との関係構築に少々のニヒリズムを感じていた青年が、七と暮らし始めた事で、徐々に変化していこうとするんですね。本作のヒロイン達は、七を含めたそれぞれが「大人」で他者を配慮出来る娘達ばかり。それ故に抱えている「生き辛さ」もあります。しかし、そんな彼女等に対して起こす彼の行動が、周囲取り巻く世界を構築し始め、『遠慮』の要らない関係性を提示していき、思わぬ所で予期せぬ感傷を齎していくんです。相手に対する「無知」を切に痛感した彼が、もっと他者を知ろうと歩み寄る過程。それはキャラゲー色を出しながらも要所要所できちんと展開を締めており、物語を蔑ろにしない真摯さでキャラの魅力を全面的に打ち出す、そんな絶妙のバランス感覚をエロゲの中で上手く作り上げていました。これが実に見事。とても素晴らしかったです。またそういったストーリーを作り上げるにおいて、著名な純文学の数々や色とりどりの花言葉、その上超名作ドイツ映画(僕も大好きな作品です)を描写推理や展開発展の要素として絡め、物語を彩っているのも実にGOOD! そして何より、この主人公が凄く良いヤツなんですよ。悩みながらも誰かの為に動き、独り善がりじゃない思慮を相手へ与えられる好人物。特に七の事を凄く気にかけながら、彼女の為にあろうとする姿勢は、兄貴として全く文句無し。「ああ、コイツは好きになれそうだ」と純粋に思えた主人公でした。さて、最後にヒロインの話。仲良くなっていく攻略対象は前述したように全員好感が持て、誰が魅力的かも各々意見が分かれるかと思います。個人的感想。僕のベストスリーは衣良先生、夢、そして七です。まず衣良先生は合理的思考で世を渡っていくキビキビした部分(でも、凄く優しい)を持ちながらも、要所要所で不意に紡がれる可愛い台詞にやられた次第。「ギャップ萌え」と言う一観点だけで見たら、この方は恐らくトップオブトップ。他の追随を許さない最高のヒロインとして君臨するでしょう。こんな先生が居たらなあ、大嫌いだった数学も頑張れたかもなあ……それはさておき、次は夢。彼女は偏に会話が面白い。志音が遠慮無く発言を叩き込み、変人の夢が応酬する対等な関係性がとても素晴らしかったです。そして何より彼女は卑怯。その意味は最後までプレイすれば自然と分かる事でしょう。また、白雪碧さんは本作で「佐本二厘」「秋野花」「沢澤砂羽」と言う神々に並ぶレベルの個人的最強ボイスアクターとして登録された事も此処に報告しておきます。マジで可愛すぎるから注意しよう! そして、七。兄とは須らく皆シスコンなり(義妹も含む)と考える僕にとって、彼女の存在は揺らぐ事無く光を放ち続けていました。そんな義妹との関係構築から始まって、次第に彼女の想いも知っていって、大切な繋がりとしてあり続けたいと希う。過保護に至るのも何ら吝かではないと思える兄と、その気持ちを歯痒く思いながら嬉しく応える素敵な妹の姿が、そこにはありました。最近碌な兄妹関係に巡り会えていなかった自分ですが、そんな過程も全肯定出来そうな関係性の妙を色濃く感じたこの展開。彼女の存在だけで本作を十二分に楽しめそうな、そんな予感を強く植え付けてくれた最高のヒロインと感じさせてくれたのでした。さて、どうやら見た所、これが今年購入する初めてのエロゲとなりそうです。彼等が最後に辿り着く『卒業』の道程。強く期待した輝かしき心情を胸に秘め、快く待望すると致しましょう。P.S. 『海と雪のシアンブルー』をプレイしていて、トノイケダイスケ氏の『永遠』を思い出したのは、僕だけで良い。
投稿日時
2021年03月31日22時09分
ユーザー名
soulfeeler316
購入予定
必ず購入
得点
75
点
一言コメント
どことなく『銀色、遥か』的な雰囲気。体験版範囲では割とスムーズに物事が進む感じなので山がなければダレるかも?
投稿日時
2021年03月22日06時56分
ユーザー名
almay7
得点
--
点
一言コメント
主人公の学園卒業と上京が近く、感傷的な雰囲気が作品に流れている。こういう「寂しさの中にある青春」が大好物な感傷マゾ野郎なので本作には期待している。
投稿日時
2021年04月03日21時49分
ユーザー名
music398
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