ErogameScape -エロゲー批評空間-

購入予定
必ず購入
得点
100
一言コメント
第1章、花さかじいさんの回まで描いた体験版。この「物語」の結末は2通りあるので、取り敢えず最後までやったからはい終了と、画面を閉じる事のないように。さて、物語を読もうと起動したらば、夜汽車のシーン、夢見心地の私が「物語」を齎す彼と語らう場面から幕を開ける訳ですが。汽車とは文学史上、多くの不可思議な物語が齎される場でございます。本作は『徒花異譚』と言う物語を起動した矢先、1人の男から『徒花異譚』と称された「物語」に導かれ、その中で数多くの「物語」に触れるという『物語』の三重入れ子構造方式と相成っていました。それはまるで、江戸川乱歩の「押絵と旅する男」のよう。尚且つそこに、記憶喪失となった白姫の過去の想い出も同時並行で絡んだ内容となっており、読む手(マウス)が止まらなかったと言うのが僕の正直な感想と言えましょう。「ものがたりとは おもいでの つらなりです。おもいでと おもいでが おもいだしあって おもいでに なっていくのです。おもいでを のこしておかなければ わすれてしまうのです」と、どこぞのカエルは語りました。物語とは、1人1人の人生であり、辿って来た過程であり、失くした者が取り戻してこそ、肯定も否定も可能な道となります。物語を失った少女が様々な「物語」を渡り歩く中、どのように自らの『物語』を掴み取っていくのか。その傍らで安らか且つ冷静に見守る少年は、彼女の軌跡をどのように受け止めるのか。そして、彼等の『物語』の結末は、どうなるのか。相変わらずの素晴らしいシナリオとテキスト、黒と白を基調とした色彩豊かな描写とタッチ、荘厳華麗な和風音楽、それらが折り重なった一大芸術の妙でした。『徒花異譚』の行方には、この先期待しか持てません。取り敢えず、子供の頃に奥へと閉まった絵本を取り出す作業から始めようと思います。
投稿日時
ユーザー名
soulfeeler316
購入予定
多分購入
得点
80
一言コメント
嘘屋らしさ全開な作品。同スタッフのフェアレク並のカタルシスを期待してます。
投稿日時
ユーザー名
エボルト