Sek8483さんの音楽サマリー

Sek8483

2006年よりプレイ。

音楽統計情報

音楽得点入力数 102
音楽感想入力数 41

音楽得点分布

得点度数グラフ
2000
1500
1200
1000
90~997
80~8945
70~7950
60~690
50~590
40~490
30~390
20~290
10~190
0~90

得点と音楽の対応表

得点音楽
100
90 95 Dreht Sich!( ) 90 アマオト( ) 90 Inliyor( ) 90 Kiss Me Tonight( ) 90 恋をしよーよ( ) 90 さくらとことり( ) 90 終末の微笑( )
80 85 A night comes!( ) 85 アナベル・リーに憧れて( ) 85 カーニバル( ) 85 カーニバルの夜( ) 85 恋のマグネット( ) 85 the case of us / 僕らの場合( ) 85 砂の城 -The Castle of Sand-( ) 85 seven colors( ) 85 0の軌跡( ) 85 誓いの言葉( ) 85 天球の下の奇蹟( ) 85 Knowing( ) 85 ベラドンナ -Atoropa belladonna-( ) 85 ラムネ( ) 85 ラムネ81's -new ver.- 80 I hope so( ) 80 あしたの天使( ) 80 apoptosis( ) 80 淡雪( ) 80 永遠のアセリア( ) 80 永遠の魔法使い( ) 80 ECHO( ) 80 鏡の世界には私しかいない -another version-( ) 80 キミノソラ/ボクノソラ( ) 80 恋をしようよ Let it snow( ) 80 こころつなげて( ) 80 ココロネコ( ) 80 こんいろ∞トキメキ( ) 80 Schwarz Nacht( ) 80 Silver Rain( ) 80 TIME( ) 80 届きますように( ) 80 DROWNING( ) 80 ( ) 80 ひかり( ) 80 Humanity( ) 80 philosophy( ) 80 Princess Brave!( ) 80 Hey Darling!( ) 80 Bullshit!! Hard Problem!!( ) 80 mirage tears( ) 80 メロディー 80 Live( ) 80 ラブ・エレクション( ) 80 Re:TraumenD( )
70 75 I will( ) 75 あたしらしく!( ) 75 Yes,You can make it!( ) 75 Eternal Wish( ) 75 女殺廓地獄( ) 75 only one secret( ) 75 鏡の森( ) 75 カゲボウシ 75 彼方( ) 75 瓦礫の夢( ) 75 Girls Life( ) 75 君とつくるもうひとつの未来( ) 75 木漏れ日フレネル( ) 75 Silent Snow( ) 75 桜霞 ~サクラノカスミ~( ) 75 satirize( ) 75 サムライガール~Reprise( ) 75 The party of seven witches( ) 75 残影の夜が明ける時( ) 75 THE ANNUNCIATiON( ) 75 情熱のウォブル( ) 75 StarTRain( ) 75 Stay.( ) 75 SO SWEET( ) 75 例えるのなら、美しく残酷な華( ) 75 Dancing Love( ) 75 誓いの夜、はじまりの朝( ) 75 つないだ手から( ) 75 distance( ) 75 Tomorrow Never Comes( ) 75 Tragicomedy( ) 75 Traveling 75 永久より永遠に( ) 75 夏色ストレート!( ) 75 夏のメロディ( ) 75 ねがいの魔法( ) 75 遥か ~Baby my wish on a wing~( ) 75 First Love( ) 75 Fix( ) 75 fall in love( ) 75 BLUE BIRD( ) 75 primal( ) 75 merging point( ) 75 LUCKY DOG -Don't lose luck-( ) 75 lovable colors( ) 75 Repeats world( ) 75 瑠璃の旋律( ) 75 Rolling Star☆彡( ) 75 ワールドスタート( ) 70 デバッグ!練馬戦隊キャリばん( )
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新着コメント

水も滴る色っぽさで、妖しく均されたリズム感。

 ちりちり耳にひりつくハイハット。小揺るぎもしないベース。そこへと痩身でダーティでねっとりしたボーカルがからみついていく、BLゲー主題歌です。おしなべてみて「Touch me. Fuck me. Try to hack me」「Don't stop. Don't stop, run.」など、規則正しいリズムを重ねていく曲だからノリやすくて、かぶいた雰囲気のボーカルのわりに親しみやすい。「It came over, crawls up ~」のあたりとかは酒とタバコで枯れたような暗いしゃがれ声で這ってみせたりするけど、それにすらも薄すらと烏の濡羽色じみたラメがさして、色気をおびた歌声になっています。

 なにぶん自分からしてみると完全に射程外なところの作品なのですが、たまたま知ったのは、松根マサト(アリスフロムジャパン) 制作のムービーを気に入り、それを辿っていったゆえでした。
 『夏ノ雨』などのムービーを手がけていた方だけど、テキストをのっぺり延べたり曲げたりしながら、ただの模様みたいにして散りばめていく演出の過剰さがひとつ特徴となってまして。『天使のたまご』デモムービーなどのミルフィーユ生地みたいな映像づくりは楽しいし、『echo.』OPムービーではやたら遠大な情景をひらいてく曲とともに α, β, γ, δ, ε, ζ, η―― 綴りをぼんやり追っていくのとか謎めいて心地よかった。
 後年になるとTVアニメ『機巧少女は傷つかない』EDムービーにも参加してるのですけど、アノ「回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ回レ」のような、言い回しに工夫を凝らしているうちに意味が遠心分離機していった音楽とは、特に相性がよい作風をしてるよう思います。

 そうした意味では本作「LUCKY DOG」もまた、節まわしにちょっと面白い癖をふくんでる歌です。ビジュアル系というか大仰な節まわしをしており、たとえば "lightly" が「らいちゅありぃ」になってしまうほど舌の根は憂いをふくませ湿っていって。かと思えば、どこかしら読経を思わせるようなリズム感がまぎれこんできたりします (1拍へと漢字1文字を対応させてしまう読経の、のっぺりと規則正しいにもかかわらず1拍ごとリズムが変則的に揺れてるあの感じ)。
 かてて加えて、ところどころ女形みたいに喘ぎ声まで混ぜ込んでみたりすると行き過ぎの色っぽさをまとってきて、ここまでくると、もう男性からはおよそ隔絶したイケメンが爆誕しておりまして。宝塚にある耽美とかともちょっと違うのだけど、いずれにせよ、うらやむ気すら起こらない方向へと突き抜けてしまっておりカッコいい。
 ところでエロゲヒロインは、もちろん男性目線でもって可愛くあってくれるもので。わたしにも最終的にはわかる理由からケンカとか仲直りをしてくれるゆえ、物語は成り立つ。だからこそ、いちばん根っこのところに男性の思考回路をのっけてるふうに見えるときどきがあり、そこにホモ臭さを感じてしまうような個人的経験があったりもします。ひょっとすれば、それと鏡映しなのやもだけど、OPムービーで入れ替わり立ち替わりするヒーローたちの華奢な線とか間合いの近さからはレズっぽさが匂ってくるみたいで、そこへと思わず親近感を覚えてしまったりもするのです。
ギターがふざけていやがる。

 岸田教団の曲はやんちゃな印象のコード進行がわりあい独特で、その一連の音楽にわかりやすい色をつけているよう思います (「夏色ストレート!」と「秋空」をつなげると違和感がどこいった、みたいな小ネタもかつて話題にされたりしました)。
 またボーカルは力強い滑舌でもって、ストレートに音と詩を伝えてくる。まっすぐにメッセージをつむいでくれるから、聴きやすさはばっちり担保されており。わりと真面目にポップしてくれてる印象があります。

 そうした堅実な曲づくりだったはずなのだけど、完全にふざけてやがるのはギター。ところどころ、狙いすましたように奇声をあげると曲をひっかきまわしていきます。たぶんコイツが犯人です。

 たとえば、エロゲからはひとつ離れたところの曲だけど「84」。ボーカルは真摯に言葉を伝えようとしているというのに、「見えない 空間 触る 哲学」のあたりからからんでくるギターとか、ちりちりと電波を撒き散らしていって群青色なのです (0:57~)。切実なものが歌いかけられるなか、おどけて雑音じみたチューニングが混線してきたことで、残った16%分でなんとかつながろうとした希望をより掻き立てられてしまいます。
 あるいは、エロゲからふたつくらい離れたところの曲だけれど「Alchemy」。歌詞はおどけた風情なものの、その内容はといえばわりかし穏当で、わたしなどでも理解が追いつきそう (現実の仕手戦プレイヤーや経営者のほうがよほど度し難く、イカれた名言を垂れ流しつつ生きたり爆死したりするものだから、経済や軍事について物語をするときは現実のほうのリアリティが失せやすい気がする)。またそれにともなう全体の曲構成にしても外さないもので、期待を裏切らないポートフォリオが組まれています。しかしながら、やっぱりギターはひっどい。ボーカルが「君にはまだこの街のルールを~」わりかし真面目に教訓を述べているというのに、なにかに酔って歪んで、もういっそ「ピーヒャララ ピピーヒャラ」としか聞こえない囃し立てをはじめる (0:37~)。くっそww おいギターてめぇもっと真面目にやれよw 聴くたびたび爆笑をさそわれるイカれっぷりで、すげぇ好きなんです!

 そして、どんぴしゃエロゲソングである本作「夏色ストレート!」。『夏色ストレート!』の第一印象をになうものとして、いちだんと平明に仕上げられてはいるのだけど、またしても変節漢なギターは暑っくるしいノイズをつっこんできて、さぁ楽しい。
 さぁ今年いちばんの夏空のもとレースは始まり各車いっせいにアクセル吹かした! とばかりイントロから疾走感をつけていき、ボーカルはひたすらまっすぐな声で踏み込んでいくのだけど、そこへギターのやつが蛇行してブレーキ擦り切れそうなくらいギュンギュン異音を投げ込みやがるのです。だからかえって、それでもなお止まることない女の子のまっすぐストレート感だけが浮き上がって、曲のはじめから終わりまで、ただもう突き抜けていって。たとえば間奏(1:40~)のギターが好き放題に暴れまわった後なども、「僕の 昨日は 嘘じゃないから」ぴんと先が細くなった声がとおると、それでもなお折れることなく、ただまっすぐに進みつづけていくさまに喝采をあげたくなります。
 騒々しいギターの響きを踏みきった反動でもって、まっすぐ夏空の向こうをめがけ打ち上がっていくような、爽快な歌です。
「あいしーてるー」がエコーしていって、それからまた戻ってくるだけ。

 「いとしーの すくーぼーい わたし さむらいがーる めーったに か・た・なは ぬかーなーいー」そんな可愛らしいフレーズが、延々と繰りかえされてゆく。最初はいったい何を言ってるのか意味不明だった。
 でも、小倉結衣ボイスがやたら可愛い。やわらかいエコーをかけたりした声のトーンが耳に心地よいものだから、何度も聴きかえしてみて。そのうちに歌詞が分かってくると……やっぱり何を言ってるのかは意味不明だった。分かるかいっ、こんなもん。どうして、あそこから「あいしーてるー」に繋がっていくのだろう。

 もとより原曲からして、武士っ娘を愛でるキャラゲーのED曲なものだから、カワイイ全振りでもって、特に意味もなく愛を注いでくれる歌になってるわけでして。
 そこにきて、こちらの「Reprise」バージョンでは、ややオサレ方向へとマイナーチェンジがなされた。ピアノの和音が厚くなったりすると、曲に格好がついてまとまりよくなった。小倉結衣のあざとかわいい甘さもやや控えめになり、キャラソング的なボーカルごり押し感は弱まって、彼女の声をも素材のひとつとして曲になじませている。
 だからよけいに歌詞の意味内容とかは、千々にまかれて散乱して「あいしーてるー」がエコーしていって。それからまた戻ってくるだけ。彼女が何を言ってるのか全然わからないまま、ただもう声のトーンの心地よさのみにひたってしまう。


 さて、以下すべて余談。
 レイ・カーヴァーの短編小説に『使い走り』というのがあり、死にゆくチェーホフのもとにトルストイが訪ねてくる一節があって。チェーホフの劇作について、こんなふうに書かれている。
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トルストイは彼の劇はスタティックであり、モラルの展望に欠けていると思っていた。「君の劇の登場人物は君を何処に連れていくんだい?」とあるとき彼はチェーホフに尋ねた。「ソファーからがらくたを詰めた部屋に移って、それからまた戻ってくるだけじゃないか」
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この評というのが、なんだか自分にとってのエロゲにもぴったりくるように思えて、好きなのだ。
 ループものと相性がよいエロゲ。他のプレイヤーと語り合おうとすると、わたしが好きなヒロインがいちばん可愛い、あなたの好きなヒロインもいちばん可愛い、みたいな化かし合いになりがちなエロゲ。話題のタネは変わっていっても、特に進展とかは見あたらないから、ときどきふっと怖くなる。「君の劇の登場人物は君を何処に連れていくんだい?」

 そういうところが憎らしくて愛おしくて、エロゲをこじらせてるわけなのだけど、「サムライガール~Reprise」みたいなエロゲソングからは、それと似たような響きを感じる。「あいしーてるー」がエコーして、それからまた戻ってくるだけの在りかたが、魅力的だと思う。
80ひかり (君に燈る灯のOP )
小さな場所のための賛美歌。

 イントロのメロディからきれい。耳がぽんこつだからよく判らないけど、ヴィブラフォンなのでしょうか、冬空に溶けていくような音色は素朴できれい。ただし作品舞台であった北海道の広大さとかは感じられなくて、音の振動(ヴィブラート) を雪が吸いとってしまったような、広く響くことなく消える音。あとに残らず、大仰にふるわず、そのまま忘れられてしまいそうなポップスで、よけい愛おしみたくなってしまう。

 ところで最近、出勤の時間がずれたとき、乗り換えのため朝7:00の四ツ谷駅にいると、となりにある聖イグナチオ教会の鐘が駅構内にまで大きく鳴り響いてきてちょっとびっくりした。
 そういえば昔、イスラーム圏ではじめてエザンを聞いたときにも驚かされたものだった (災害サイレンかとびびった)。けれど、早朝の町外れをとぼとぼ歩くはめになって方角が不安なときなどは、ありがたいことにエザンが響いてくると、スマホのGPSよりも安堵する肌感覚でもって「あっちがこの町のセンターか」と声のする方へと向かって行けたりもして。そのうちには特に意識することもない、生活にまぎれる音になっていた。
 東京のど真ん中にも、自分の日常からちょっと外れたところへ行くだけで、そうした音が当たり前に響いている場所が在るのだとわかると不思議な気分になる。

 2005年当時も今も、エロゲはしばしば教会とか天使のイメージを好むのだけど、そこからは生活感がぽっかり抜けているふうで、しあわせな事だと思う。暮らしの一部として教会があるわけではなく、貞淑なイメージカラーを女の子につけるだけだったり、お話に神秘性を残しておくためだったり。祈りとか奇跡をかんたんに用いると、そのなかへと女の子の気持ちを隠すことで、お話のエンディングをまるめてくれたりして。エロゲはポルノだから、あまり大手をふった説教とかは本来やりきれるはずもなくて、やっぱり最後にはなんとなく微笑んで口ごもってヒロインが祈っている姿が、かくあれかしなのだと思う。そうやって世間での生活から隠れる、なよなよしさを居心地よく感じてしまう。

 すっかり話がそれたけど、そうした優しげな感じを、わたしによく思わせてくれるエロゲソングが本作「ひかり」。高らかに響くことなく、音数もやや寂しいくらいに限られていて。けれども、悲しげなところまでは落ちることなく、消えていってしまうふう。「もぅ、少し、触れて感じたかった」「ねぇ、すべて、伝えられずにいたよ」「ねぇ、もっと――」未完になった思いを、今はただもう穏やかな場所で、のべつ話しているボーカルが心地よい。おおげさにヴィブラートをふるわせたりしなくて、素っ気ないほど気持ちは凪いでいる。
 ありきたりのポップスらしく、間奏のギターソロとかは感傷的に鳴り響くのだけれど、またボーカルが戻ってくれば、すっと自然に途切れてしまうところとかも清々しい。ありきたりのポップスらしく、ラストには盛り上げの転調がくるのだけど、ここで、やっとボーカルの頬に赤みが戻るように温度感がついてきて、すごく嬉しい。「希望のひかり、やっと――」少したどたどしい口ぶりが心に響く。
ストレートに熱をおびた歌が気持ちよい。

 個人的な所感だけど、Kiccoボーカルにはややエロゲソングらしさが薄いふうに感じております。ここでわたしが勝手にきめつけた "エロゲソングらしさ"なるものとは、KOTOKOや佐倉紗織に代表されるような、在りえないほど安定した音による、のっぺり平面的な快感みたいなやつです。声優さんが造り出している、現実には存在しえないロリ声やお姉さんボイスの、すべらかな耳ざわりとも同じたぐいのなにかしら。異様に摩擦のないどこかで鳴るきれいな音。
 そうした傾向が、Kiccoボーカルにおいては薄くて、もっと世ずれした魅力 (あるいはJ-POPにも近い感じ) の歌声をよくもちいているふうに聴こえます。具体的には、滑舌のハキハキした、少女ちっくになりすぎない発声であったり。本作でいうなら、「輝いて」「情熱の」「一秒」こなれたミックスボイスをつかって、飾り気のない地声から、心を震わせる裏声へのギアチェンジがなされる。すると、そこでの感情のたかぶりは立体的な、ごく身近なかたちへ引き下ろされてきます。きちんと熱量をともなって鳴るきれいな音。

 本作のけれん味のない作曲は、そうしたボーカルの感情の発露をほとんど完璧なくらい活かしており、気持ちよく張り上がる声へは、やすやすと同調させられちゃいます。サビの入りで「ラァジオから!」ボーカルをがっつり聴かせて、耳をさらっていくところの吸引力とかもうすごい。さらには、そうした力強さで魅せるのみならず、曲のてっぺんあたりでうっすら鳴るシンセの高音は、ボーカルラインが裏声を混ぜてふっと跳び上がった瞬間をやわらかく受けとめて曲へなじませたりもする。細やかな手入れまでゆき届いており、とても聴きよいボーカルものになっていました。

 他方では、けれん味ある曲へあわせてみるのも、それはそれで一興でして。新作の「アカリノアリカ」(『縁りて此の葉は紅に』主題歌) とかは、いきなりトップギアから入ってきてゴリ押しする曲調。Lump of Sugarのテーマ曲はときどきやけに好戦的になってるときがあって、これを聴かせながら「わたしは―――ご主人のペットだよっ♪」とか言い出すのだから、なんともすごい。かつて『タユタマ』の共存の物語においても、可愛い顔してポジショントークを引っ込めないヒロインたちによる鞘当てが印象的だったけど、なにかしらブランドの伝統であったりするのでしょうか。
 「アカリノアリカ」では、やかましく先駆けするギター1号とか、つんと澄ましたストリングスとか、やたら弱キックで牽制してくるドラムとか、異様にうねうねして存在感を放ちはじめるギター2号。みんなみんなが前に出ようと殺到してきて、おさまりつかない競演が白熱してゆきます。お前ら、ゆずりあいと共存はどうした (とりあえず、ひとり真面目にお仕事してるベースさんにあやまって!)。
 ところが、そうしたせめぎ合いにも物怖じせず、いいから全員ついてこいと言わんばかりにセンターポジションをゆずらないボーカルというのがまた力強い。曲がらず、たゆたうことなく、力強い歌声です。一字一句、言い聞かせては説き伏せようとするのだけど、はたして、あの高飛車なストリングスとか、性根の曲がってそうなギター2号が唯々諾々としているとも思えず―――。そんなふうに波乱ぶくみで、面白いなりをした一曲となっているよう感じます。
 ストレートな響きかたが魅力のボーカルですが、それゆえに、そのときどきの曲のかたちをよく見せるところがあるやもしれません。