yamatsubameさんの「Summer Pockets REFLECTION BLUE」の感想

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ちょっと待って、おかしいよ。しろは姉はいつもぼっちじゃん。なのに、仲間に入れてほしいとか変だよ
 しろはにボッチキャラが定着してしまって嬉しい……。

「どすこい」や「れいげんやちこなれ」などの迷言を連発してきた「しろは」は、追加√でも平常運行だった。
 島のイベントにはまず参加しないし、スイカバーばっかり食べてるし。
 本作のメインヒロインであるはずなのに、自分の√以外ではまっっったく仕事をせず稀に出て来ては不思議ちゃん行為を連発してフェードアウトするだけの、いや本当にメインヒロインかよ?というぐらいキャラの個性が強く面白い。
 そういう意味で、しろはというキャラには満足だった。

 しかし、今作の出来は良くない。
 何が良くないかと言えばひとえに、新島夕の良さが殺されていることである。

 それはうみ√でよく分かる。先の見えない話を連発し、ヒロインであるうみと主人公のひと夏のやり取りを描いた話は確かにそこそこ面白い。
 いつ二人が(恋愛に発展し)くっつくのかと思いきや最後までくっつかないという、エロゲらしからぬ終わり方。それは本作の趣旨や立場を考えれば当然の展開と結末といえる。
 しかし、しかししかし、そこがKeyの限界である。つまり、父親と娘を恋愛関係にさせることは常識的に考えて禁断であり、Keyというビジュアルノベルを売りにしたブランドで父娘の恋愛を描くことを許さなかったのだろう。どう考えても盛り上がる展開は、何も知らないしろはが主人公とうみとの恋愛をうっかり応援してしまい、うみは深い葛藤を抱えながら父娘で親愛ではないキスをするという展開である。しかし推測するに、Keyが築き上げたブランド価値は一般的なレベルでの笑いと泣きを入れたビジュアルノベルであり、完全にアブノーマルな話になってしまえば、築きあげたブランドのイメージが損なわれしろは√の泣き要素も薄れてしまうためNGになるのだろう。
 反面、新島夕というライターはビジュアルノベル界で「やってはいけないこと」を連発することがウリのライターである。全てが夢オチだったりメインヒロインは最初から死んでいたり音楽に寝取られたり読者(童貞)を小馬鹿にしたり、強い毒を持ったライターである。だから当然新島夕のシナリオに期待するのは、父との思い出を作りうみが主人公を見送るような綺麗で曇りのないような展開ではないのである。これやっていいの?みたいな展開を書ききってもらうことである。
 ナツユメナギサなんて、救ったサブヒロインが全員夢の世界でリアルの世界の主人公は死んでるとか、メンタル弱者の集うビジュアルノベル界でやっていいの?みたいな話の塊でしかない。でも、新島の読み手はそれ読みたいのである。
 残念だが、Keyというブランドでは新島の強い毒は無しにされている。その条件の中ではそれなりに面白い作品を仕上げたと思うし、逆に読み手としては物足りないと思ってしまう。
 新島の読者は、七影蝶のぐだぐだした設定やら鬼やら伝承やらそんな話が読みたいのではない。設定に振り回されるようなヒロインを見たいのではない、世界観すら振り回すような強いアクを持った登場人物が自由に動きまわるようなそんなゲームが読みたいのである。
 特に野村の√なんて最悪だった。いかにも、新聞記者二人が両親であることを暗示させ野村の抱えた闇を解消するというプロットがあり、それ通りに登場人物が動いてるとしか思えない。野村が好きな人は満足出来たかもしれないけど、キャラが完全に死んでいます。あと歌詞をライターが書くのは止めてもらいたい。曲を作った人か作詞家に書かせることが良い。日の眩しさとか強引過ぎる、歌わされる方がかわいそう。

 新島の良さというのは、本当にキャラが生きていることにある。
 例えばヒロインの性格から考慮して主人公より音楽を優先したり、自分の行動を告げないことが最低だとしても打ち明けられない理由があるから仕方ないぐらいの優先度キャラの自然な動き>読者の反応が新島の良かれ悪かれなのである。
 しかしKeyというブランドにはブランドイメージがあり、根底には顧客の反応がある。そこで新島が自由に動き回るなど許されない。大枠は麻枝が作っているとも言われているし、その大枠を超えたシナリオを書いているとはとても思えない。次に戯画で大きな作品をやるらしいが、そこでは何の縛りもなく自由に描き切ってもらうことを願うばかりでしかない。

 ちなみに本作の特典は最近にしては豪華でエロよりこういう方が良い。
 購入するまで前作の本編が丸ごと入ってるとは知らなかった。
 また崎ほどショップで見かけたら珍しく値上げしているので、それなりの値段が維持されるかもしれない。
新品/中古アダルトPCゲーム販売 通販ショップの駿河屋

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eto