saisalyさんの「その大樹は魔界を喰らう!」の感想

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**ネタバレ注意**

ゲームをクリアした人むけのレビューです。

これ以降の文章にはゲームの内容に関する重要な情報が書かれています。まだゲームをクリアしていない人がみるとゲームの面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。

劇中の敵味方の人数バランスに難。元々お話の登場人物が少なすぎるのに敵側はほぼ勢力代表1名で一人語りしており、自軍は2名以上、話が進むと味方の人物ばかり増えて敵味方で人数差が広がる。敵側の見せ場が初対面時の会談&開戦口上だけ、特に男ボスは雑魚配下もろとも倒され退場するだけ。人物関係は自軍ばかりを見せる展開でしゃべるのは自軍ばかりで敵側は部下もおらず見せ場のないままやられて進むので敵に魅力を感じない。魔界は狭く感じ、スケールある世界とは思えないし(長文感想に理由を記載)戦闘部分は戦闘スキル以外に介入余地はほぼなく、人数を多めに配置して経験値を稼いでレベル上げて殴れ(時々スキルで介入)というあまりに単純な仕様の為3倍速モードで眺めるのが基本になり退屈、ストーリーも周回前提の為か短くボリュームがない。女の子可愛い&CGきれい。凡作SLGエロゲーの見本。1週目は楽しい。(2018/5/25書き直し)
キャラ印象◎
ストーリー○
シナリオ○
スケール×
敵の魅力×
音楽○
システム○
CG ○

サブキャラを除けば登場人物10人あまりって、登場人物少なすぎるよ。
CGきれいで女の子も可愛いし愛らしいけどストーリーの広がりのなさ、世界と動機のスケールの狭さと平易さは難。

★ゲーム部分感想

1周目が楽しく2週目は退屈、そんなゲーム。
多数の研究開発で新たな仕掛けを開放していく仕組みはよいのだが。戦闘は戦略的要素を感じない。

部屋の開発については配置ユニットを強化する機能と部屋の拡張機能以外は戦闘の優位性には影響しないと感じた。

◆戦闘に勝ちたいならとにかく敵をとっ捕まえて雇用して各部屋に撒いて(味方の配置数を増やして)物理で殴れ!
勝てばレベルは勝手にどんどん上がるよ! マナは部屋を広くするために使うんだ!◆

敵を倒す決定打が(ゲームパート部分の最適解、クリアのためにはどのように?という部分)は下の段の
基礎準備をした上で各味方のレベルを上げて物理攻撃で叩け、危なければスペシャルスキルを使うだけという・・・。
経験値がどんどん入るからそうなってしまう、単純で分かりやすいのだけど反面面白みがない。

「最初のマップで雑魚戦をこなして何でもいいのでモンスターを捕獲してとにかく雇用、配置人数を多くすれば」
それが最初の準備として最適な正解で、後は部屋拡張を優先して味方モンスターを鍛えたかどうかという点だけ
大事となる。部屋と味方のユニットだけが肝要で結局は数と力。
戦略といえる要素はプレイした限り存在しないと感じた。
ストーリーが進めばモンスターの質を向上させる目的で別の捕獲モンスターと入れ替えする場合はあるが
基本は準備はそれだけ。 捕獲目当てで頭数集め戦闘をしているうちに味方のレベルも勝手に上がって
保有マナも基礎戦力も勝手に整う。◆のように簡易に書けば2行で済む話・・。

敵も突撃してくるだけ。敵のバリエーションも結局はHPと攻防が高い奴が力任せに突っ込んでくるだけでしかない。
突撃して来ない部屋に配置されている味方を動かせないので他の部屋がピンチでも
手空きなのに突っ立っているだけで何もさせられない。
(味方の兵士は部屋に一度配置したら戦闘終了までその場に固定されてしまう)

「迎撃という判断が必要になり味方を動かす」という操作が可能ならよかったが配置キャラの別の部屋への移動指示は
仕様では不可能なので戦闘で考える楽しさ(どこかで動きを停止して遠隔攻撃で部屋外から削ってくる等の嫌らしさの
ある相手へ対処するためにユニットを戦闘中に動かして迎撃に出す等)ができない。突撃する敵を待ち伏せて戦い
倒し、倒された場合はリザーブ兵と交代するだけなのでスペシャルスキル以外は介入できる部分がなく面白くない。

罠は種類も少なく時々破壊される上にダメージ罠以外は一時しのぎが大半なのでは侵入者撃退を目的とするなら
効果的ではない。
ダメージ罠も序盤には有用だが後半は敵勢力のモンスターのHPが増えて有効ではなくなる。信頼できない罠の部屋より
味方モンスターの配置人数を増やしで物理攻撃で殺すほうが確実なので罠の部屋より部屋内で味方配置可能人数が多く
増強効果を得られやすい部屋を建設設置すればよく・・となれば罠部屋設置の必要性は乏しい。

罠の感想でも書いたが配置モンスターのレベルを上げて侵入敵を排除するのが最も効果的なため
迷路や分断の通路系の建設も効果に同様に疑問がある。(進行を遅らせてもあまり意味はない)

スペシャルスキルも種類が少なく戦況に広大に影響を与えるのは実質2種類程度。
自軍君主が危険な場合はファリナの固有スキルの回復、そうではない場合はプリムの固有スキルの「敵全部を玄関へ
吹き飛ばす」以外はしていなかったから。それ以外は効力の有効性に乏しいので存在感がほぼないと残念。

以上が戦闘パートの主な実感。

自分が一度兵を配置して戦闘が始まった後、戦闘に関する事で気にしていたりしていた事といえば
君主プリムのHPゲージの数値と、敵兵がどれくらい玉座の間の手前(最終防衛地点付近)に
集まっているかという2つの事を常に意識する、3倍速モードで眺める、スキルで介入。
この3つだけですから。だから作業化は早かった。

このゲームの戦闘は作業になりやすい。指示出し要素がないから戦闘前の準備で結果が決まってしまい
スペシャルスキルと敵味方のユニットを自動戦闘でぶつけ合うだけという単純さ。
しかもこれが毎回延々と行われるので飽きる。
味方キャラは倒されても死なない(ロストしない)ので戦争しているのに緊張感はゼロ。まるでピクミン?
キャラ死亡があるならばHPが危ないからこのキャラは撤退指示出し(引っ込める)とか少しは考えもできるけど
キャラ指示出しできないからそういうの(撤退や救援)もなくてステータス数値&人数で勝負するだけだった。

部屋を広く広く拡張して各箇所にリザーブ要員を含めて味方ユニットの人数を多く配置するだけの
開戦したら介入余地はほぼない単純な戦闘部分に面白みはない。(ここ繰り返し書いている不満)


◆メインストーリー、演出
大勢力の大魔族10名がおり、前魔王の死により勢力争いが始まり、数多くの魔物が各勢力に仕官をし、そろそろ
戦争が起こりそうという時点、世界背景でスタートする(プロローグ)。その割に設定上は大勢力の大魔族なのに
主人公のプリム軍以外の大魔族は家臣的な存在は「固有名、CGをもつ存在としては」出てこない。
別勢力は首領と手下(傭兵)だけで戦争してる感じがして違和感。
例えば・・・
分岐によってラスボスが変わりますが(2種類)、片方ルートに出てくるラスボスの部下的な、彼は能力目当てで無理矢理
従わされているされて家臣ではないし。側近もいない。
もう片方は頭領のみで行動しているわけで登場人物に乏しい。ラスボスまでのお話を見ても、主人公君主のプリム以外の
他の誰の場合も側近も臣下も全然出ない。 なぜ大勢力なのに頭領のワンマン個人ショーばかりなのか。
この魔界という世界はどうなってるのか?有力者本人のみで政治とか勢力争いと言われても変だなと思う。

敵勢力がヒロイン含めた女の子勢力以外に魅力を感じないのが致命的。展開は敵の頭領がだらだら自分の話を述べたあげく
雑魚モンスターごとまとめてぶっ飛ばされて退場して、当然のように敵の城が破壊され、の繰り返しというワンパターンの連続。
敵の頭領個人を敵の頭領が雇った(従えている?)名無しの「固有の台詞も名前も姿もない」雑魚兵軍団ごとしばいて
敵城を破壊していくだけ。

幕間に本筋の過去などについての言及がありますがあれだけでは動機の説明だけでしかありませんし、
「へー、ああそうだったの」で終わってしまう。

登場人物が少なすぎて、敵の頭領の魅せ方を狭めており、男性ボスなんて倒せばそれで終わりのただのやられ役で
終わっている。女性ボスは台詞やシーンががあるだけましだというが敵であるうちの見せ場(味方に加わる前の時点)は
本当にない。
ずっと延々と雑魚退治して最後だけ雑魚ごと頭領倒してるだけ。敵の強さの変化も
「敵が強くなった=雑魚の数が増えただけ」という風で。 演出は残念。

敵側にもう少し人物がいれば、例えば敵頭領と敵臣下の掛け合い、やり取りだったり敵の臣下同士のやり取りだとか
敵の臣下とこちらの人物とのやり合いなどといった見せ方が組み合わせとしてあり得るので見せ場が生まれ、
人間関係で楽しめるようになったはずだが、この作品中の人物はあまりに勢力争いに関わる当事者が少なすぎるし
敵側は頭領一人状態ばかりのため、敵側に複数、名のある人がいればできただろう「敵側がお話を動かすために
部下を動かす」などの現状の変化を生む行動が起きないので話の幅が狭くなり自軍の登場人物の過去話だけで進むなど
魅せ方が平易になっていて盛り上がりに欠ける。

戦争や競争を主な題材として倒すべき相手を設定しているゲームである場合、ゲーム要素としての戦闘
(画面全体の確認、状況判断やプレイヤーの操作が求められる)は敵に魅力がないならばただの作業でしかない。
どんな個性、性格のある奴がいろいろとこの後出てくるんだろ?というわくわくを感じない。
もうちょっと登場人物を敵側に増やしても良かったと思う。
一勢力を1国と考えたなら登場人物が少なすぎますね。実質7~8勢力間抗争なのにこれじゃあね。
過去作の「王賊」のほうがまだ人物関係でボリュームがあった。
意思疎通ができる個性(人格がある)の存在が敵対する相手である場合はその存在をきちんと性格や思考を
踏み込んで描写してほしい。これは「死人」で感じた。
(例えば近場を荒らす獣退治とか意思疎通できないマッドな敵などであればあまりそこまで細かく言わないが)

★登場人物やスケールに関しての批判
ファビオは倒した女性頭領(ヒロイン候補)を篭絡して恭順させていってこちら側に加入させるので、彼女らが
実質的にプリム軍の家臣の立ち居地に収まるのですが、そのようにしてどんどん充実する自軍の陣容に対して敵陣営は
人の不在があまりに寂しすぎる。側近も身内もいないのでずっと独り語りしていて目も当てられない。
対立勢力間での人数バランスが悪く、最後まで敵は一人という状況がストーリーに細かさや起伏を生まず
平易になってしまう原因だと思う。この偏っていく人数配分はどうにかならなかったのだろうか?

炎樹の城で移動した範囲(勢力圏)も狭く感じられ、北海道くらいの世界を必死に戦って移動しているような狭そうな
勢力争いだな、と。魔界って狭そうだなと感じてしまう。
具体的に、敵対勢力領地内での移動で炎樹の城が敵の領地エリアの進入入り口の地点からたった10歩以内の移動で
敵頭領の城に隣接できてしまうし、その勢力領地をクリアして出口に着いたとする(次の敵エリア入り口に辿り着く)。
そうしたら次はサブキャラの集落だったがそこも10歩以内に踏破できて、と。なぜ狭いと感じるか、はこういう事。
敵集団アイコンや敵のマップ上ダメージ要素の回避のために動かす必要はあるので歩数を割かなければいけないものの
領地を示す勢力エリア範囲のマスの総数にこの世界の狭さを感じる。

ストーリーが短い=通り抜ける敵対魔族やサブキャラ集落数は数はそれほど多くはないという事情から広さの限界は決まり
ただでさえ狭いと感じる世界はそれ以上の広がりを持たないという事になっている。
炎樹の城がもしかなり移動力がある設定だとしても勢力圏を数歩数歩で渡れる魔界は(界という言葉の割に)随分と
こじんまりしすぎてるのだなあって。そしてそんな世界を取り合ってるとは・・・。(苦笑)

こういうマップ系の魅せ方で世界を表す好例として、多機種で古い作品であるがスーパーマリオブラザーズ3を挙げる。
さまざまなアイコンがあり笛で移動できたり画面も端まで行けばスクロールして2画面目に移動できたりと世界の広さを
感じさせる演出に優れていたスーパーマリオブラザーズ3、アクションゲームなのにそのような演出ができていた。

比して本作はマスが敵の城、罠(ダメージ)、敵のサブキャラ地、敵の湧き出す箇所、空白地(敵有/なし)という
バリエーションで敵がらみしかなかった。1つ先へ進む際のドキドキはない。進む前からどうせ敵出現でしょ?と。
マップも1勢力=1画面という狭い範囲で画面端で次のステージへ行ってしまう、ではなく1勢力で2画面とかでもいい。
仮にも侵攻地は大勢力たる大魔族の勢力領地なのだから勢力圏が1画面では狭いだろう、物足りない。

敵対勢力の領地単位で章立てに分けて章ごとにマップを区切って(ファイアーエムブレムのように)、1敵勢力地単位で
マップを区切りスクロールを可能にして2画面~4画面にして、敵マスなどだけではなくほかの要素も容れるなどで
あってもよいと私は思った。
アイテムが手に入るアイコン、自軍知人、元味方がいるアイコンとか。楽しみも増えて世界が狭い感じも薄れるはず。
この敵領のこの地点マスでは何が起きるんだろう?ともっと遊ぶ側に期待を持たせてほしい。
スーマリ3でもできている世界の広がりの表現さえできていないので工夫してほしい。


エレオノーラの登場の際も画面に映ってるのは一人なのに複数しゃべっていてなんか変。友人がいるなら話してる時は
エレオノーラの顔の向きを変える差分をつけ、もともとのCGで隣に友人の顔や姿を描いてってすればいいのにあれじゃ
不自然。友達として名前、会話だけは出たけどその後一切でなくなったし、あの場面は必要だったのか疑問。
(姿が描かれていて、別れる場面があったなら理解できるけどフェイドアウト・・・)

あと、ファビオの軍略的な才能、戦略的な発案についてのシナリオの演出はほとんどなく、参謀として悩んでいる部分は
多いものの、彼個人の発想力による成果、行動がある場面がほとんど見ることはできなかった。
彼が作中で「ファビオ凄い」と持ち上げられるほどの物かという点についても疑問。
「性別が男で種族的な能力を持っている」要素を駆使して女の子の敵を篭絡する部分は彼にしかできない重要な部分だが
これって肉体的な能力で本来参謀に求められる「知恵=軍略」とは関係ないだろう。
参謀なのに「敵の女の子の実力者をこましてるだけ」。君主プリムへの貢献度は確かに高いですが、どこが参謀的?
ルート分岐後のラスボスAの場面と言えばあれは光ってますがあそこくらいしか彼の知略は働いていないので、
あれで名参謀といわれても・・??
大抵は味方が強く、君主プリムと樹の城が優秀なだけでファビオは戦闘のスキルも弱く、私観だが役割は
せいぜいプリムの前座の薄い盾でしかなく・・・参謀ではなく肉壁だったよ。 参謀・・冗談?

もっと長いお話、ステージ数、ボリュームであってもいいと思います。シーンスキップという
メッセージスキップよりも周回向けな機能が付いてるのだからだから戦闘は面倒でももっと長くたって
いいのでは。 あっという間に終わっちゃうというのは・・。

◆総評
ゲーム性(ゲームのシステム)だけで言えば悪くはないと思いますがメインストーリーのステージ数が少ないしサブキャラで
水増しではなくそのサブも実は魔界の有力者で大魔族の知人として個人的に関係する人物だったとするなどであってよいのでは。
大半で行う戦闘が「雑魚の敵の群れを延々倒すだけ。レベルを上げて待ち伏せするだけでスペシャル技で時々1度だけ介入する」という
単調なもの。ほとんど自動戦闘同然。楽といえば楽ではあるけどプレイヤーが介入できる余地が少なく、頭を使い
タイミングを考えて判断、というシュミレーションゲームの楽しみである要素が著しく欠けている。
せっかく研究開発という考える要素があるのに実用の段の実戦でスキル判断以外は3倍速で眺めるだけになるのでは
つまらない。
敵はバカみたいに突撃し、味方はぼけっと向かってくるまで突っ立っていて他の部屋に応援も向かいもせず
プレイヤーはスキル以外動かす指示もほとんどせずに済む。味方の参戦キャラは戦闘で倒されてもプリム以外負けても
ペナルティ無し。キャラ死しないので安心してほぼオートモード同然、自動戦闘状態。その安心戦闘を3倍速で
プレイヤーは眺めていられて、「プレイヤーが楽をできてもよいが楽要素を容れ過ぎ」。ヌルい。

登場人物の少なさによりお話の幅の広がりがなく、特に敵に見せ場がない。
周回クリア前提を意識したためかステージ数(敵対勢力の領地数)も少なくてすぐラスボス領地まで到達するため
お話の長さや幅といったボリュームに欠けていて、半日も経たずにクリアしてしまえるほど短い。
お話に違いを与える要素がヒロイン選択と2つあるボス分岐を選ぶ程度しかない。
ゲーム性の面白みは1週目には確かにあるが不満点とで相殺して可もなく不可もないという感想。

H回想を出現させる条件がかなりきつくその条件の周回数を考えると何週もしたくなる物ではありませんな。
もっとスケールが広くて敵キャラももっと魅力があって登場人物が倍くらいなら・・。
音楽はまずまずでしょうか。ハードモードはわざわざするほどではない。

お気に入りはファリナセア。
ラスボスで天魔側のクリア後の演出はご都合主義かな。あれはないほうが・・。さらに安っぽくなるよ。

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