asteryukariさんの「鬼がくる。~姉がひん死でピンチです~」の感想

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パターン化した掛け合いが続くため多少くどかったのですが、笑える場面もあり満足。個別√だけでキャラの良し悪しを判断すべきではないなと思いました。
可愛らしい絵柄とは裏腹に罵詈雑言、多くのメタ発言が見られる作品でした。肝心な中身はシナリオゲーというより、キャラの魅力に溢れたものであり、どのキャラ√が良いというものではなく、作品全体を通してキャラの良さが引き立っていくように感じました。また、キャラの掛け合いについて、基本的に晴子がボケて他のキャラがツッコミをするというパターンのため、飽きはくるが晴子持ち前の汚い言葉で笑いを取ってくる場面があり面白かったです。

各√について、まず幼馴染ヒロインである凛々√ですが、姉である晴子が密接にシナリオに絡んできます。二人の煽り合いは晴子が物凄い言いようで、料理を始めたばかりの凛々に対してメシマズ発言を連呼していたのがツボにはまってしまいました。この√の肝となる屋上での言い争いのシーンは主人公を取られたくないという想いから姉の怒りが爆発するのですが、私は晴子の意見に共感する部分の方が多かったです。というのも凛々は個人的にあまり好きになれないキャラで、彼女の薄っぺらい理論武装で生きている様が見るに堪えませんでした。日常もそうですが、言い争いの最中もあくまで自分は冷静沈着、声を荒げず論理的に物事を見る。そう思いたいだけで実際は塗り固められたメッキのような台詞ばかりで芯がない、故にすぐ剥がれ落ちてしまい、挙句の果てには感情的になる。そんなことになるくらいなら最初から自分の気持ちをぶつけてほしかったですね。また、この√の問題点として、凛々が母に頼んで養子縁組してもらい、主人公と姉を戸籍上の家族にしたと言うシーンがありますが、そもそも養子縁組を成立させるには養親、養子双方の合意が必要であり、主人公と晴子が知らぬまま成立そいうのはおかしな話なんですよね。
ただ、この√の良かった点は凛々が主人公と幸せになるために、晴子と対立するのではなく、晴子も含めて幸せになろうとしたのがよかったですね。争いばかりでは事は解決に向かわない、時には妥協も必要。

次に晴子√ですが、ここで凛々√の屋上での言い争いでの発言である「妄想をこじらせて、子供を妊娠したとか言ってきて怖いよ」という発言を思い出しながらプレイしていました。始めは、とんだブーメラン発言だったなと思っていたのですが、話が進むと、実は晴子は妊娠はおろか、生理すら始まっていないといいます。たぶん妬みも含まれてたんでしょうね、改めてあのシーンは晴子が気持ちを全部さらけ出していたのがわかります。
また、どの√でもそうですが、この√では主人公の酷さが特に目立ちます。地に深く根を張ったようで、すぐに誘惑に負けてしまう。優柔不断なんですよね。晴子からの愛情を受けながら、自分はそれを返そうとしない。晴子を守ると言っておきながら実は自分を守りたいだけ。そんなことを虚姫はひどく怒ったように主人公に対して言っていました。虚姫は皆から愛情を受け、与える神様の立場として許せなかったのでしょうね。

ここまであまり良い評価をしていませんが、虚姫√は良い出来でした。虚姫と主人公以上に、虚姫と晴子の関係が上手く描かれていたと思います。いつも突っかかってくる晴子だが、それは学校では見られない、虚姫を神としてではなく、虚姫として見てくれていたということ。虚姫と主人公の仲睦まじい様子を見て、最初こそイライラしていましたが、だんだんと虚姫を認め、家では言い争いしつつも、本心は弟と虚姫が幸せになるのを願っている。晴子の株が上がりっぱなしでした。
勿論、虚姫に関する話も出来が良く、皆を平等に愛することが出来なくなり、一人の男を愛したくてたまらなくなり、神様ではなく、ただの恋する女の子になっていく姿は非常に愛らしかったです。また、気丈な振る舞いをしながらも、ここぞというタイミングで本音を吐露するシーンは人間らしい。消えるとか死ぬっていうのは怖ろしいですよね、それが痛いほど伝わって来て涙してしまいました。

プレイ時間もキャラの数も丁度よく、内容的にも、涙あり、笑いありで満足のいくものでした。個別√でキャラを見るのではなく、作品全体を通してキャラを見てみると中々良い作品だったのではないかと思います。しかしまあなんといっても虚姫ちゃんの可愛さが抜群でしたね。可愛いのじゃ~。

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