tracivさんの「終わる世界とバースデイ」の感想

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ゲームをクリアした人むけのレビューです。

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終わり方がね・・・
親友も恋人も職場も生きる意味までも失い、フリーランスのプログラマーとして何とか食っていける程度の独身生活が果たして幸せと言えるんですかね・・・。

最後のイリの行動。「他のプレイヤーを巻き込みたくないから疑似世界から追い出す」←これはまだギリギリわからなくもない。(本人たちが擬似世界に居たいっつってんだから別にいいだろとは言いたいが)
けど「本物のイリならこうするだろうから(イリに近づきたいから)」って理由で、自分もろとも疑似世界を凍結するって行動が全く納得できない。
結果的に登場人物誰も幸せになってないし、何より主人公も内心はイリは消えてほしくないと考えていた。
つまりイリは主人公の本心を見抜けず、ただ独善的な選択をして皆を不幸にしただけ(にしか見えない)。
主人公も「それが自分勝手をした自分への罪だ」とか、そういう無意味な独りよがり要らないから・・・。

彼女の魂が自分の中に宿ったからセーフ、とかいう脳内妄想嫁理論はヒロイン死亡ENDゲーの中でもかなり嫌い。ファンタジーな世界観ならまだしも、一応現代日本が舞台でそれはさぁ・・・いや、幻覚でしょそれと言いたくなる。

結局、疑似世界の中だろうが何だろうが、一緒に暮らしてたほうが幸せだったとしか思えないんだよなあ。そんなハッピーエンド選択肢を意味不明な理屈で放棄して、虚しく故人の誕生日を祝う惨めな生活を送るとか馬鹿なの?私ぬの?全く共感できなかった。
極論、「脳の快楽神経を永遠に刺激し続ける装置」が開発されて全人類がそれに入り浸るようになるのが人間という生命種の終着点というか完成形だと思ってるけど、そういう考え方からすればナンセンスにしか感じないオチ。
人としての思いやりだの営みだのなんてものに価値は全く無くて、価値の本質と言えるのは(プロセスに関わりなく最終的に)脳が幸福と感じる事象である事なのはどうやっても否定しようがない。あくまで重要なのは過程ではなく結果である。人を幸せにしない表面上だけの綺麗事には何の価値もない。それを美しいとは思わない。

何が言いたいかと言うと、この作品は、このバッド気味なエンディングにもっていく必要性を感じなかったから不愉快だということ。
重要な何かを失うENDにする場合、強制的にそうならざるを得ない理由があるか、あるいはそれを失うに足る意義がないのであれば、ただただ後味が悪いだけ。
この作品では、イリは主人公と共に疑似世界で生き続けるという選択肢を選べる状況でありながら、納得できる理由もなくわざわざ不幸になる道を選んでいる。いや、ライターにしてみればその理由をうまく主張したつもりかもしれないが、自分としては共感できなかった。という話。
「自分にとらわれず厳しくも優しい現実で生きてほしい!」って何だよ・・・。主人公はそんな事望んでないんだよなあ。

あと終盤で主人公が「他のプレイヤーを誰も望んでいない現実に帰そうとする自分の行動は独りよがりな行為なのか?」ってやたら追求してたけど、いや、その通りですよ。
メタ的に主人公は他プレイヤーを現実に戻すという結論に至るのは分かってたから、どういう思考過程でこの葛藤を解決するんだろうな?って期待してたら
結局、「(理由ははっきりしないし、独りよがりなのは分かってるし、誰にも共感してもらえないけど)自分がそうしたいからすると決めた!w」みたいな、説得力ゼロの曖昧な根拠で誰も望まぬ世界滅亡を敢行。いかんでしょ・・・。

他にも納得できないような描写がいくつもあり、はっきり言ってライターの力量不足と感じる場面は多かった。
シーツ広げただけでマンション屋上の飛び降りを助けられるワケ無いやろ・・・。
ギャグもヒロインもそんな魅力に感じなかったが、一部設定や伏線回収は評価できるのでそんな酷い点数ではない。
ただ「意識のデジタル化」とかいう非現実な完全SFを取り扱う以上、多少はしょうがないとはいえ、あまりにもガバガバな設定には陳腐さを感じた。思い出や脳波(???)をインプットしたら人格が再現できるってなんだよwもうちょっとうまくこじつけられなかったものか。

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